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倒産スタートアップの共通点⑤情報管理ができていない
倒産スタートアップシリーズ最後になりました。
今回は「情報管理ができていない」ということで、
経営における情報と管理、それぞれについて解説できればと思っています。
経営陣と情報
この人が経営している会社って倒産しそうだな…と思う、そんな経営者は実際に何人か見ていると共通点が見えてくる。
そもそも情報収集しない、勉強しない
僕のnoteを読んでいる人は、またか…と思いますが、
そもそも情報収集しない人なので、これまでも紹介してきた①~④の情報にすらたどり着くことができません。
このVUCAの時代、外から情報を取り入れずに自分の中だけの知識・経験でやりくりしていくことの危険性を理解できていないようです。
せっかく僕が本を買って、送ってあげたにもかかわらず
半年間読まれないでいた書籍があります。
月に1or2回のミーティングで、ほぼ毎回「あの本に書いてある」と言っているにもかかわらず、結局読んできません。
今、一番やるべきことは、自己肯定感を維持することではなく、
現状を把握し、知識が足りていないことを認識することだ。
それ読んだ、知ってる!
(でも理解できていない、使えていない)
次に多いのは、このタイプだ。
頭でっかちで、情報は入れるが実戦が伴わないタイプだ。
僕は知識の話をしているんじゃない、あなたの業務がその本を読んだ人の行動からかけ離れているんだ。その行動をとるならば、”あの本を読んだ”といわないほうがよいだろう。だって、まったく理解できていないじゃないか。
と、頭の中で何度も思ったことがあるんだよ。
ただ知識として単語を知っているが、実用できない人も厄介だ。
本質をとらえようとせずHow toばかりに目が行ってしまう
何を焦っているのか知らないが、僕が状況を認識し知識を与えると、
すぐに「具体的にどうしたらよいか?」とか、「〇〇をやってみようと思う」とすぐにHow toに落とし込もうとする人もいる。
即行動するという行動力は素晴らしいが、それでは僕が”いいよ”って言ったこと以外できなくならない?応用力がつかない、浅い理解になってしまう。
それでは、上述の”知ってる!だけ”になってしまう。
理論・理屈を知ったうえで、自分の経験から再検証してほしいんだ。
例えば、エンゲージメントにしようか。特定のメンバーが辞めた時の状況や情報からエンゲージメントが低下しそうな環境はなかったか。反対意見を黙殺するような環境はなかったか。エンゲージメントを高めるためにはどうすればよかったか。そしてそれは現在のメンバーに適用できるか。もっと、いろいろ考えてほしい。
自分にとって都合の良い解釈をする
よくあるのは、知り合いの社長から「両利きの経営」の話を聞いて、
新規事業を急に立ち上げて社内を混乱に陥れる経営者がいる。またか…とおもったけど、ただそれはお前が既存事業に飽きて、新しいことしたくなってるだけだろ。既存事業って今の状況で成功と言えるのか?もともとやりたかったこと、現実社会に実装されているのか?よく考えてほしい。
もちろん、「両利きの経営」は大事だが、問題はタイミングだ。
なぜ今なのか?そもそもの利き手側が脆弱なのに、もっと脆弱な利き手じゃないほうのこと考えてどうするw
現状をよく見ろって。
経営陣と管理
特にスタートアップ・ベンチャー企業だと、
まともにマネジメントをしたことがあるなんて人は実は多くない。
人が増える、情報が増える、扱うものが増えれば管理が必要になるのは当然であり、経営にマネジメントが不要というのはあり得ない。
マネジメントについては、過去にもnoteを書いたことがあるが、
多くの人はタスクマネジメントのことを頭に思い浮かべると思う。
タスクマネジメントなんてもんは、ある意味性格で子供のころから当然のようにできる子もいれば、コツさえつかめば誰だってできる。
前職のトンデモナイ取締役とメンバーでミーティングしていた時に、
その取締役のスケジュールが空いてない、確認が遅い、律速になっていると要望を出したことがありました。それに対して、「僕は忙しいんだ!」って言ったんですよね。
半笑いで、「忙しいのはわかっていますが、実際何に忙しくされているのかわからない」、「あなたのせいでこっちは仕事が進まない」、「スケジュール管理ができてないだけでしょ」、「あなたの仕事をもっと見える化してくれれば、手伝うこともできますよ」などと辛辣なコメントを浴びせました
すると、「僕は忙しくてタスク整理に時間なんてかけてらんない!」と衝撃発言をされ、笑ってしまった。
まず一番最初にやるべき仕事だろ、セルフマネジメントすらできない奴が部下を持つべきではない。僕は、この取締役のことを1000人に一人の逸材と呼ぶほど、珍しい生物だと思うようにしました。こんな人が経営陣に居たら、そりゃ会社はつぶれますって。
普通に、タスクマネジメントとヒューマンリソースマネジメントは学んで実践していただければと思います。この記事なんかは参考にするといいと思います。
その他、現場の情報と管理
もちろん経営陣の情報管理だけでなく、
それを支える現場の情報管理も当然重要。
入手した情報をチャットツール(TeamsやSlack)に、URLだけ貼って満足だったり、コメントを少し書き込むだけではあまり意味がない。その情報を入手したときには理解していても、少し時間がたってから読み返すとよくわからないことも多い。発信者の責任として、いつだれが読んでもわかるように情報をまとめておくべきであろう。
また、議事録も、うまく作成できたとしても保管場所がわからず、どこに格納化されているかわからなければ、作ってないのと同じです。
会議については共通点②でも触れました。
会議議事録がどこに格納されていて、いつでも振り返ることができる状況にない場合、会議をしていないのと同じです。
このように、”投げっぱなし情報”や”やりっ放し会議”が多いのも、倒産しそうな企業にはあるあるだと思います。
まとめ
せっかく入手した情報を、効率的に社内のリソースに変換できないというのが倒産スタートアップの特徴かなと思います。
無駄が多く、生産性が低い。
その状態に対する感度も低く、すべて後手後手になる。
情報や資料を丁寧にまとめておくこと、そんな超基本的なことすら
できないでいると、あっという間に時間を失います。
結局、当たり前なこと。
でも、そんな当たり前のことすらできない。
冷静に、客観視できないでいると、
あっという間に倒産してしまうんだよな。
自分事だと思えない人も、
この記事にたどり着けない人も、
自分たちは大丈夫だと思っているかもしれないが、
そうやって倒産していくわけですよ、会社は。
会社は、潰れてほしくない。
そんな想いで書いていますので、ぜひ届いてくれると嬉しい。
それでは、またどこかで会いましょう。