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倒産スタートアップの共通点④反対意見が少ない
何が起こるかわからない世の中だから、
いろいろな角度や視点から物事を見る必要がある。
倒産スタートアップの共通点として「反対意見が少ない」というのは、
なんとなく想像がつくだろう。建設的な意見の交換ができない状態、心理的安全性の低い組織においては、リスクの見落とし、既得権益を生む組織構造になっていってしまい、余計なところにリソースが割かれてしまい、スタートアップにおいて重要なスピード感が薄れてしまう点だ。
反対意見が少ないという状態について、
本記事では、反対意見が少ないと倒産するよ!という主張ではなく、
反対意見が少ない状態から発生する懸念事項についてまとめていきたい。
反対意見少ない=Yes Manばっかり?
さて、これの何が悪いのか。
必ずしも悪いわけではない。どれだけ多くの視点で物事を見ても、
結局やってみないとわからない、ということに変わりはない。
あれこれ余計な検討するよりも、
どんどんと先に進めていくという形で得られる成功もある。
そういう意味で反対をしない状態は、あって当然である。
言い換えると、やってみないとわからないから、
やってみて、振り返ること
つまり、PDCAが回せているかどうかが重要になってくる。
反対意見がなくとも、PDCAを回せていれば、事業は推進力を失わない。
Yes Manの良くないところは、非を認めない姿勢を助長する空気
共通点③にも上げた、役職からくる既得権益により、
チャレンジしたが、よくない結果だった場合に、
「自分は間違っていない!」と無駄な主張をしてしまう。
その姿勢に対して、Yes Manが賛同してしまうことで、どんどん非を認められなくなっていく。つまり、反省しなくなっていく、軌道修正ができなくなっていく。
それが、「反対意見が少ない組織」には起こりえる危険なポイントだ。
本来「よくない結果、失敗…」なんてことはどうだっていいはず。
だって、何が起こるかわからない時代なんだから。
むしろ、チャレンジしたことをほめたっていい。
だが、役職など既得権益を得てしまうと、どうしてもそういう無駄なものに目が行ってしまい、本来やるべきこと、振り返りができない。
このまま、間違ったまま進んでいく。
それでいいのか?立ち止まって考える。対策案を考える。
「反対意見」とは、その時真価を発揮する。
「いっかい立ち止まって考えなおしましょう」って発言はネガティブですか?
「一回考え直しましょう」
「振り返りをしてみましょう」
はたして、これらの言葉がネガティブに聞こえるでしょうか?
「〇〇本部長の方針が間違っているとでも言いたいのか?」
ネガティブな発言が多いと、低評価を下された例もあります。
え?そんなはずはない?
でも、事実あったことです。
いやいや、結果を見たら明らかでしょう。
誰が間違っているとかではなく、結果として進んでいないでしょう。
事実を確認できさえすれば、
合っているか間違っているかはどうだっていいはずだ。
そして、それを間違ったと非難する人は誰もいないというのに。
そこでPDCAのPlanがきっちり立っていれば、
冷静に評価できるだろうに。。。
このように、事実から目を背け、
自分自身の立場や既得権益に目が行くことで、
結果として「反対意見を好まない空気」になっていきます。
やはり、多くの企業でPDCAの本来の意味合いを取り戻す必要があるかもしれませんね。
そしてもはや、これは病気であり、
いわゆる大企業病とも呼ばれるものです。
スタートアップであっても、大企業病はすぐに現れます。
まさに、③の「無駄な役職(既得権益)」自体が、病気の根幹であり、
そこから現れる症状として「反対意見が少ない」という状況に陥っていくのだと思います。
大企業病の組織では、反対意見はほとんど公けにはないですよね。
あるのは、陰口や愚痴だけ。
その後起こることは予想できても…
陰口や愚痴が増えてくるとどうなるのか。
ゆくゆくは「離職」になるのは目に見えているわけですが、
その過程で起こっていることを理解することで
未然に離職を防ぐことができるのかもしれません。
離職は特に、いわゆるデキル社員から始まります。
好条件で他社で働くことができる人材から抜けていきますので、
ましてやベンチャー企業において優秀な社員が抜けることは、
抜けた後の穴を埋めることも難しいですし、他の人への影響も大きいです。
また、採用コストとしてもベンチャー企業では大きいものになります。
自然と新卒が応募してくることはめったになく、
また、新卒を育てる余裕はない状況です。
即戦力、他にも競合がある状況の中、紹介料を払って採用するとなると、
採用したメンバーの離職は、実は大きな問題であることは気づけると思います。
自己効力感と組織効力感の喪失
ポジティブでもネガティブでも、それは受け手次第だということか。。。
そんなことを言っていると、次第にフィードバックやPDCAはなくなっていく。空気を埋めるのは愚痴や陰口になり、まともな議論すらバカバカしくなっていく。
このような、大企業病のような状態は、
当然スタートアップでも起こりえる。
スタートアップだから起こらないというのは大きな間違いだ。
倒産に向かっているスタートアップは十分病気である。
この状態のことを、別の言い方で表現をすると、
自己効力感と組織効力感の喪失といえる。
自己効力感とは、目標を達成できる能力を自分自身で認識している状態を指し、心理学用語です。英語では「Self-efficacy」と表現されます。
自己効力感の高い人は、次のような特徴があります。ポジティブで自信に満ちている
積極的に行動・チャレンジする
ストレスに強く、失敗を恐れず困難にも立ち向かう
失敗しても比較的早く立ち直る
自己効力感は、ビジネスシーンでも重要なテーマで、目標を達成するための努力を促し、結果的に成功の可能性を高める効果があります。また、健康行動の変化が始まるかどうか、それにどのくらいの努力が費やされるか、そして障害や失敗に直面しても、努力を継続する期間を左右する要因でもあります。
自己効力感を高めるには、次のような方法があります。自分自身でポジティブな言葉をかけたり、周囲の人に言ってもらったりする
ネガティブな言葉や評価をされた場合も、自分のなかでポジティブに変換して受け止める練習をする
物事の成功や失敗の原因がどこにあるのかという原因の帰属に注目する
組織効力感とは、組織のメンバーが互いに自己効力感を作用させることで、組織全体が目標を達成できると認識する自信や有能感です。組織効力感が高い組織は、困難な状況でも一致団結して問題を解決し、目標達成に向けて積極的に行動する傾向があります。
組織効力感を高めるには、次のような施策が有効です。自己効力感を高める:目標を達成するなどの成功体験を積み重ねることで、自己効力感が増します。
ポジティブな職場環境を構築する:メンバー同士の成功体験を見聞きする機会を作ったり、社内報や社内SNSなどを活用してトップメッセージを浸透させたりしましょう。
リーダーシップを養う:リーダーシップがある社員は組織を目標達成まで導く人材です。
組織効力感と似た概念に「自己効力感」や「集合的効力感」があります。自己効力感とは、自分自身の能力に対する信頼感です。
集合的効力感とは、ある集団が共通の目標を達成するために自分たちの能力を信じ、達成に向けて前向きに行動できる感覚です。
自己効力感と組織効力感が喪失するとどうなるかというと、
簡単に言うと、「居ても無駄」「言っても無駄」な状態だ。
この場所に長くとどまったとしても、ただ無駄な時間が流れるだけ。
多くの人は、成長できることや、自分が居ることで生じるコストに対して、何かを得ようと思うものだ。それが得られない状況である。
自分が何かできること、効力を実感することがない状態であろう。
何か、自身で改善や改良の声掛けが否定・スルーされる状態。
この組織内で自分がやれることは何もない。手ごたえのない状態。
この自己効力感と組織効力感の喪失により、人は離職する。
そして優秀な人材からいなくなっていく。。。
離職(効力感の低い状態)を防ぐために1on1などのメソッドがあるが、有効的に使わなければ逆効果になる!
何度も言ってるじゃん。調べようよ!
おそらくこれも共通項だと思う。
共通点の6個目に入ってもいい。調べない。
(組織のTOP個人になるので共通点からは外しました)
本を渡しても読まない。URLを教えても読み込まない。
手っ取り早く、分かった風になる。
Howにとらわれ、本質を理解しないまま
実行に移して逆効果になることが多々あります。
まとめ
大企業病は、大企業で起こることではなく、
「大企業で起こりがちな組織の問題」であって、スタートアップ(ベンチャー企業)でも当然起こりうることである。
そして、スタートアップあるあるとして、
大企業をバカにしたような風潮もみられるが、
大企業にすらなれない奴らがスタートアップであり、
大企業になることが目的なのもスタートアップである。
ねぇ、意味分かってる?
ということで、潰れるスタートアップの共通点4つ目
「反対意見が少ない」でした。
最後までありがとうございました。
今年もよろしくお願いいたします!