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人が専門家から欲しい言葉

社労士としてある経営者の相談に答えていて、思い出したフレーズと本があります。

病気の人を励まそうと「はやく元気になって」というのは威圧となる。アドバイスも、相手より上から目線のものになりがち。周囲が病気を忌み嫌い、1日も早くその人から切り離そうと焦っている中、病気のその人を支え、回復に導いたのは、担当医の「もとにようには元気になりません」という言葉だった。この医師の言葉には「病気がある日常も、また自然のこと」と受け入れる思想があった。だからその人は安らぎを覚え、この言葉を大切に抱き、落ち着いて病気のある現実に向かい合えた。

理解という名の愛がほしい(山田ズーニーさん著)

労務相談対応をしていて、なぜこれを思い出したんだろうか。

社労士としての労務相談対応は、労働基準法をはじめとする様々な関係法律を論拠にしつつも、あるべき論では片付かない様々な現実に対してどんな選択肢があって、その選択肢の先にはどんな展開がありそうかをアドバイスしたり、一緒に考えたりします。経営は、人の感情を扱うので、一筋縄ではいかないんですよね。

従業員の不満がゼロの会社なんておそらくないし、課題がない会社もない。今後もなくならない。不満も課題もなくならないけれど、それでもこの事業をやる価値や喜びを信じて前に進んでいくサポートを社労士としてやっています。

あ、こうして書きながらわかってきました。労務相談対応をしていて、なぜ先程のフレーズを思い出したか。

困っている当事者が専門家から欲しいのは、励ましでも上から目線のアドバイスでもなく、
・現実的に状況整理をしてもらえること
・状況を言葉にしてもらえること
・地に足のついた現実的なアドバイス
というところが、先程紹介した文章との共通点ですね。

状況を言葉にしてもらえるって、それだけで安心感になります。私は言語化が得意なので、社労士としては人を雇用する上で困っていることを気軽に相談してもらえるような社労士なりたいです。

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