「直感」文学 *眠れないその日の情事*
太陽はもうすぐ昇るはずだけど、外はまだ暗がりの中に潜んでいた。
結局、私は寝れないまま朝を迎えてしまうのだろうか。暗い部屋の中でいやらしく光る携帯の画面は5時を示していて、時間を知らせるその様が、なんだか私を妙に落ち着かせたりもした。
稀に眠れない日がある。原因は分からないし、眠れなければ次の日の仕事に多少は支障をきたす。寝てないのだから日中に眠くなるのは当たり前のことだ。
しかし、2ヶ月に一度くらい訪れるそれを私はなぜだか楽しみにしている。
夜の内に電気を消し、ベッドに入り、暗い部屋の中で朝まで過ごすその時間は永遠のように長く、この世界には普段存在していない特別な時間のように感じられた。
それでもいずれ訪れてしまう朝を、なんだか少し寂しくも感じたりして。
この長い夜の時間、様々なことを考えていたように思う。それなのに、何を考えていたか思い出そうとしてもなかなか思い出すことができなかった。きっと、あまり意味の伴わないようなことばかりなのだと思う。
もうすぐ朝は訪れる。あまりにも冷たい風と共に、私に朝を気付かせるようにして。
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スマホと読書。
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