「直感」文学 *たまたまその時に僕がいた*
Aが突然、
「お前と旅行に行きたいんだ」
と言い出した。
僕は普通の感覚を持っている人間だから、「これは何か裏があるのではないか」と考えてしまう。
だからそれを意のままに
「突然なんだよ。お前、何か企んでるんじゃないだろうな?」
と聞き返す。
「いや、なんだよ、お前、それ。何にも企んでないさ。ただ、なんとなく温泉でも行きてーなーって思った時に、たまたまお前が横にいただけだよ」
とAは言うのである。
”たまたま”とは面白いものである。
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