「直感」文学 *足跡と魔法。*
「ほらーそんなに走ったら危ないでしょー!」
3歳になったミユは、その真っ白な雪を見てえらく感動していた。
彼女にとっては初めて見る雪だから、無理もないかもしれない。
「ねえー、どうして白いんだろう」
両手でそれらをすくい上げて、頬を赤らめながらミユはそう言った。
「ねえーどうしてだろうねー。魔法がかけられちゃったのかもしれないよー」
「まほう?」
「そう魔法」
「まほうってなに?」
そう言いながらもミユは、変わらない笑顔を私に向けていた。
「わたしもその、まほう、使いたいなー」
雪の上に残った、ミユの小さな足跡がただ愛おしくて仕方なかった。
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