「直感」文学 *そろそろ情熱的な恋をする*
誰に教えられたでもないが、
とりあえず情熱的な恋をしてみようと思った。
はて、
なぜそんなことを思わなくてはいけないのか。
それは他人には確実に、そして、僕にだって分からないのだった。
暇っ潰し、と言われれば、「ああ、そのようだ」と返すだろうし、お前もようやく真剣になったのか、と言われれば、「ああ、そのようだ」と返すだろう。
いずれにしたって答えは同じ。
ただ、僕は唐突に不安になったのだった。
人に嫌われることを知りたくないがために、距離を取った恋をして、裏切りを知りたくないがために、信用から離れた。
それらがもたらしたものは、情熱的とは程遠い淡白で空虚な恋愛だけだった。
僕はいつになったら、人を本当の意味で好きになれるのだろうか。
いや、そもそも本当とはどういうことなのだろうか。
僕はまだ知らない。
それに、情熱的になれるかどうかも分からない。
とにかく最初は頭から、そういった思考を持とうと思う。
今の僕にはそれくらいしか出来ないのだ。
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