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おな
2018年2月28日 08:00
「あなたは突然、私の前から跡形もなく消えてしまった」 私を知っている彼は、ある日曜日の朝、煌々と照らす陽が部屋の温度を上げている最中に忽然と姿を消した。 私が目を覚ました二人分のベッドには、ただ私だけが取り残され、その余った半分のスペースに彼の温度を微かに感じる事ができた。彼のお気に入りだった紺色の湯呑みも、彼の愛用していたジッポも、彼を包み込んでいた衣服も全ていつもと変わらぬ場所に置かれたま