卒業制作 研究テーマ解説
テーマ
音と言葉の新しい関係を作る
作品タイトル
OTOWORDs
設定理由
私は、人の感情の記録に興味がある。現代において、カメラやスマホを用いて、画像や動画を記録することは容易であるが、人の感情をうまく記録する方法がない。
そのため私は、人の感情が、言葉にも音楽にも乗ることに着目し、言葉と音の新たな関係を作ることで、感情の新しい記録方法について考察したいいと考え、テーマとした。
背景
背景として、言葉と感情の関係、音楽と感情の関係をまとめる。
まず言葉は、人間が感情を理解し、表現するための主要な手段である。言葉を使って物語を紡ぎ、詩を作り、対話を通じて感情を共有することができる。言葉は具体的で明確な情報を伝えるだけでなく、抽象的な感情や経験をも伝えることができる。感情が言葉によって表現されると、共感や理解が深まることがあるためである。
次に音楽は、感情を直感的に伝える手段として知られている。音楽はリズム、メロディ、ハーモニーなどの要素を通じて情熱、悲しみ、喜びなどさまざまな感情を表現できる。また、音楽は言葉では表現しにくい抽象的な感情や状態を豊かに伝えることができ、聴衆に深い感動を与えることがある。
言葉と音楽が新しい関係性を形成することは、これら二つの媒体が互いに補完し、新しい表現の手段を提供することを意味する。例えば、言葉の詩と音楽が組み合わさった作品では、言葉が感情やイメージを描写し、音楽がそれに対応して豊かな雰囲気を作り出すことがある。また、歌詞とメロディが共鳴し合って、感情の共有や理解を深めることができる。
課題
言葉と音の関係は、音楽鑑賞や楽器演奏、合唱などで解決できると考えられるかもしれないが、それは難しいと私は考える。例えば、音楽鑑賞では、受け身の体制であるために、自分の感情と結びつきづらい。
また、音楽を鑑賞しながら自身の思い出を想起することもあるが、それらは突発的に出現するため、記録することが難しい。他にも、楽器演奏や合唱では、自身の楽器演奏能力や歌唱力が関わってくるため、音楽に対して能動的であるものの、上達するまでは、感情を乗せることが難しい。
テーマの意義
言葉と音楽の新しい関係性を作り出すテーマの意義は、新たな感覚や意味を生み出すことにある。これによって、ユーザーは言葉だけではなく音楽の力も通じて感情や思考にアクセスすることができ、より豊かな体験を得ることができる。
また、異なる文化や言語の要素が融合することで、より広範な観客に向けて感動を届ける可能性も生まれる。このような作品は、文学と音楽の融合によって新しい表現の領域を切り開くことが期待される。
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