採用広報の「尖り」「重み」「厚み」
どうも!中島(https://twitter.com/nakashimayugo)です。
この記事では、採用広報の訴求を考える際に、私が大切にしている「尖り」「重み」「厚み」という3つのポイントを紹介します。
採用広報では、下図のように「求職者に伝えたいこと」が多岐にわたります。これらをうまく整理・設計し、そして施策に載せていくことが求められます。
このような様々な情報を整理・設計し求職者に訴求しなければなりませんが、多くのケースで訴求はおざなりになり、ピッチ資料、イベント、メディア露出、採用ページの改修、テックブログ、SNSなど施策ありきの活動になってしまっているケースを多く見ます。
施策はもちろん重要ですが、中心になるのは情報の整理・設計を経て訴求をしっかり作ることですので、ぜひ「尖り」「重み」「厚み」を意識してみてください。
「尖り」
「自社に興味のない人」に向けて発信することを前提とすると、採用広報で伝える情報には尖りがなければなりません。尖りとは情報の優先度や主従関係であり、「一番伝えたいことは何か」「一言で言うなら何か」がはっきりしている状態です。
「尖り」のない訴求は下図のような「あれもこれも伝えたい」という状態です。情報がばらつき、それぞれの訴求が独立しており、優先度や主従関係がありません。
このような状態では、自社に興味のない人には「いろいろ書いてるけど、読むのメンドくさいな」と思われてしまいます。こういう方法を取っていいのは、知名度の高いサービスや大手、ニュース性の高いスタートアップなど「そもそも注目されている企業」だけだと考えています。
これに対し「尖り」のある訴求は優先度や主従関係があり、各情報がつながりストーリになっている状態です。下図のようなイメージです。
たとえば「裁量・挑戦性」を最も打ち出したいとして『手つかずの業務がたくさんあり大きな裁量をお渡したい』という内容をことを一番伝えたいとします。この場合には「裁量・挑戦性」に他の情報を紐づけて以下のようなストーリーを組み立てます。
このような情報を繋げてきちんと訴求として成り立たせることは当たり前のように見えて意外にできていないケースが多いです。採用の現場では事業や組織の情報が詳細に降りてきていないことも多く、情報が"点"になりがちであり、「勝手にストーリーにしていいのか」といった不安を感じている担当者が多いように思えます。しかし、社内事情を優先させ適当に"点"の情報を優先度も主従関係もなく置いておくだけでは求職者には刺さらないでしょう。
「重み」
次に重みです。重みは訴求の"主"を支える"従"の豊富さだと考えています。訴求のストーリーの重さ・濃さ・安定感です。
「重み」のない訴求はそもそも情報が少なくチープな印象を与えます。下図のようなイメージです。読み手からすると「そもそも採用にやる気がないんだな」「このポジション、そんなに大切じゃないんだ」と思われてしまいかねません。
対して「重み」のある訴求は下図のイメージです。一番伝えたいポイントを下支えするストーリーがあり重さ・濃さ・安定感があります。
特に以下のような視点を変えた、もしくは対になるような多角的な情報があるほど重みのある情報になります。
ただし、これはあくまでも「尖り」があってこそ生きるものですので、やはり「あれもこれも」状態ににならないように注意してください。
「厚み」
「厚み」はそれぞれの訴求したい情報に対する、納得感や理解が進む説明があるかです。根拠、具体説明、例示、数値表現、過去・未来の話等です。
「厚み」のない訴求は下図のようなイメージで『裁量・挑戦性があります!』と主張するばかりで、その根拠や具体的な説明などがないものです。
反対に「厚み」のない訴求は下図のようなイメージで、根拠、具体説明、例示、数字表現、過去・未来の情報等が肉付けされた情報です。
たとえば「裁量・挑戦性」であれば、以下のような情報を付与することで厚みのある情報になります。
これは先の重さと完全に切り離すことはできませんが、訴求ポイントのための補完情報の厚さだと考えています。
「尖り」「重み」「厚み」を意識して情報を整理・設計しよう
表に出ている採用広報の情報を見れば、その企業の採用への力の入れ具合、経営陣やマネージャーが本当に頭に汗をかいているのかといったことがよく見えてきます。
採用広報は、ピッチ資料、イベント、メディア露出など施策ありきで考えてしまいがちですが、中心になるのはこのような情報の整理・設計です。情報に尖りがなく、重みもなく、厚みもないのであれば採用広報などせずにエージェントへの依頼に力を入れるのがよいでしょう。
こういった採用広報の支援も行っておりますので、気になった方は是非壁打ちからご相談ください。
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