採用ピッチ資料(会社紹介資料)の作り方_中身
ども、中島です。「採用ピッチ資料」についてこのようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
採用ピッチ資料について
・作りたいけど、何を書けばよいかよく分からない
・とりあえず作ったけど、なんだかイケていない
・構成やデザインがばらばら。メンテナンスが大変
私は業務委託で色々な企業の採用をお手伝いさせていただいておりますが、この半年で採用ピッチ資料についてのご相談が顕著に増えました。ご支援をする中で「今の話をnoteでもまとめてよ!」と言っていただくことが何度かあり、頭の整理も兼ねて採用ピッチ資料の作り方について書いていきます。
内容が膨らんだため、中身 / 構成 / デザインの3パートに分けています。
補足として、採用ピッチ資料は用途によって採用広報資料や会社紹介資料と呼ばれることもありますしそれぞれ別物として取り扱うこともあります。別物として扱う場合は、最近はCulture DeckやEntrance bookといった取り組みもあります。本記事ではこれらをまるっと含め「採用ピッチ資料」と呼んでいます。
また資料の作り方に正解などありませんし「私が解説する方法がベストだ!」なんて言いたいわけでもありません。もし参考になる内容が少しでもあれば、かいつまんでいただけたら嬉しいです。
▶ 先に結論
・採用ピッチ資料のサンプルスライド
これに当てはめれば最低限のものが作れるかも?というサンプルスライドを作りました。最初の一歩が踏み出せない場合はよかったら使ってみてください。
【サンプルスライド】
・社内MTG用のドキュメント
スライドに落とす前の、社内MTG用のドキュメントも置いておきます。こちらもよかったら使ってみてください。
▶ 前提
- 良い採用ピッチ資料とは
本記事を通じて良い採用ピッチ資料を作りたいわけですので、まずは"採用ピッチ資料"と"良い資料"とをざっくり定義します。
Q. 採用ピッチ資料とは?
A. 求職者に向け作られた資料、記事全般。
顧客に向けたサービスの媒体資料や、株主に向けたIR資料、自社の社員に向けた社内報ではない。
Q. 良い資料とは?
A. メインの情報に「入社すべき理由」が置かれている資料。構成・デザインが最低限整理された、読み手へ配慮している資料。
資料の用途・求職者にタッチするタイミングでも変わりますが、基本的に求職者は自社に興味がありません。熟読はおろか、5ページ以上めくることも億劫でしょうし、最後まで見てくれる人はおそらく10%もいないでしょう。そのため最も伝えたいことを冒頭に入れるべきです。また"ピッチ資料"ですので何かの主張があるはずです。そして主張とは「入社すべき理由」であるはずです。また大前提として構成やデザインが崩れていて読みにくいものは整理した方がいいでしょう。
資料を作るのはそれなりに時間も工数もかかりますので、"採用ピッチ資料っぽいけど何も言っていない資料"にならないようにしたいです。
▶中身を作る
前置きが長くなりましたが、採用ピッチ資料の作成においてまず取り組むべきは中身の作成です。改善の余地が大きい資料はこの部分の検討が抜けていることが多く特に重要です。
中身を作るにあたり以下の検討プロセスを経ます。
・誰に向けた資料か
・資料に期待することは何か
・伝えるべきメッセージはなにか
伝えるべき情報を検討・加工したり、施策に落とし込んだりすることを本記事では求職者とのコミュニケーションと呼びますが、これらはマーケティング、特に広告の領域で多く語られることですので、それらの情報からヒントを得るのも良いかもしれません。大前提となるターゲティングやポジショニングといった思考の整理の仕方はグロービスMBAマーケティングが教科書的に分かりやすいのでご参考まで。
▶▶ 誰に向けた資料か
まず誰に向けた資料かを決める必要があります。当たり前と思われるかもしれませんが意外にもおざなりになりがちです。大原則としてターゲットが広がれば広がるほどメッセージ性は薄くなり訴求力は弱くなります。できれば特定の1ポジション(1求人)に向けた資料とすることが望ましいです。
- 重要なポジションに絞る
伝える対象が広いほど共通する内容にしか言及できませんので、内容が薄くなりがちです。そのため可能な限り「エンジニアリングマネージャーに向けた資料」などと一つのポジションに向けた資料としたいです。とは言え難しい場合は「エンジニア職向け」、「メンバー層向け」などと1段広めにとったセグメントにしましょう。切り分ける軸はいくつかありますが基本は以下の軸がよいと思います。
- 職種で区切る(エンジニア / 営業 / バックオフィス 等)
- レベルで区切る(CxO, シニアクラス, メンバー 等)
- マネジメント職 / 非マネジメント職で区切る
数年前であれば採用ピッチ資料という施策自体に目新しさがあり、採用ピッチ資料というだけで、求職者もある程度ページをめくってくれました。しかし最近では定番施策となり目新しさはありません。そのため「応募してほしい!」「シェアしてもらいたい」などと強い態度変容を起こしたい目的であればターゲットを絞ることは非常に重要です。HPに掲載されているような情報では誰もシェアしたくありませんし、それで応募が来るのであればバナー広告を出す方がいいかもしれません。
- 作る必要のあるポジションだけ作る
とはいえポジション別に複数のピッチ資料を作ることはとても大変です。作るべきポジションだけ作りましょう。作る必要のないポジションは作らないと割り切ることも重要です。この際にどのポジションに対して作るべきかは採用の優先度の高いものになりますが、採用は運次第で結果が計画からブレやすいため「ピッチ資料を作っている途中に採用できちゃった!」という嬉しいハプニングも起こりがちです。そのため中長期的に採用の難航が予想されるポジション、もしくは中長期的に複数名を採用しなければならないポジション(向こう数年で10人同じポジションを採らないといけないとか)がよいでしょう。反対に「1ポジション埋まればOK」「スカウトで採れそう」ということであれば資料を作る手間は地上戦に回したほうがよいでしょう。なんにせよ「とりあえず作る」ということはないようにしてください。
▶▶ 資料に期待することは何か
次にこの資料の用途、作成する目的を整理します。噛み砕くとこの資料を見た求職者にどのような気持ちの変化・行動の変化を起こしてほしいのか、そしてそれを求職者に見てもらい、理解してもらうためにどこにタッチポイントを設けて、どのように使うかを決めていきます。ここを決めておかなければ、「ピッチ資料を作りました!是非見てみてください!」とTwitter等で流したはいいがそれで終了、その後は誰も使わない資料ともなりがちです。ざっくりでもいいので最初に言語化しておきましょう。
- 期待する心理・行動変容
この資料を求職者が見ることによって気持ちや行動がどう変わってほしいかを設定しましょう。ピッチ資料は巻き込むメンバーも多く作成するには多大な工数が必要ですので無駄にならないように。また昨今では採用施策も短期・長期で分けて考えることが多く、施策も多様化していますので混乱しないためにも整理しておきましょう。説明のために求職者の心理・行動モデルを考えてみます。こういったモデルは古今東西沢山ありますがここではAISASを例に求職者の行動変容モデルを考えてみます。転職活動前と転職活動時に分けAISASの概念をトレースし下図としてみます。
さて、本題はこの採用ピッチ資料によって求職者の行動がどう変わってほしいのかです。(図の中でどこからどのステップに移り変わってほしいのでしょうか?)これと同時にピッチ資料以外の施策はどこからどの行動変容を促すものかもあわせて整理することがおすすめです。「まずは名前だけでも覚えてほしい!」のか、「イベントなどで社名は知ってくれている人に、わかりにくい事業構造を理解してほしい」のか、「他社と迷っているときに後押しになる資料にしたい」のか...
下図のように全てを望む、つまり「自社の要件と合う&転職を考えている人に上手いことリーチして、自社を知ってもらって興味を持ってもらって応募してほしい!さらに言えばカジュアル面談や選考中にも促進資料として使いたい!」なんて甘く見積もるとピッチ資料に限らずどんな施策にどれだけお金や工数をかけても効果は出ません。また「とりあえず作ればなんらか使えるであろう」とすると先にも述べたとおり使われない資料になります。
- タッチポイント・使い方
期待する心理・行動変容と合わせて、どこにタッチポイントを設けて、その際にどのような形式で説明するのかを想定しておきます。以下のようなタッチポイント・使い方は一例です。
認知獲得、興味喚起
・社員・公式SNS、その他テックブログ、オウンドメディアで告知する
・エージェントに配ってもらう、説明資料にしてもらう
・スカウトに載せ、補足資料にする
・求人媒体、自社HPに載せ、補足資料にする
行動促進、比較検討、記憶・想起
・カジュアル面談での説明資料にする
・選考時に配布し、自社の特徴を覚えてもらいやすくする
・キープインタッチのコンテンツにする
・リファラルを促進するために社内で案内する
・イベント時の説明資料にする
・よく聞かれる質問のQAコンテンツにする
たとえばテックブログで技術的な発信がある程度あるのであれば、そこに掲載することで応募促進につなげる施策としてもよいでしょう。施策がエージェントメインであれば紹介促進資料とするのがよいでしょう。メインの用途がなにかは検討されてください。
少し横道にそれますが、ここまでの話をまとめるとターゲットと目的の二つだけでも明確にできれば訴求力の高い資料になりやすいということです。下図はあくまでイメージでロジックはありませんが、仮に求職者に見てもらえるページ数を一定とし訴求力に比例すると考えれば図のようになります。的を絞るほど強い資料になりやすいという当たり前の話です。
▶▶ 伝えるべきメッセージはなにか
誰に、何をしてほしい資料かが決まれば、次はそのために伝えるべきメッセージを明瞭化していきます。求める行動に応じてチューニングは必要ですが、大まかに言えば自社の魅力/求職者にとっての入社すべき理由です。この内容をパッと導き出すことは多くの場合難しいです。自社の社員にヒアリングしたりエージェントなどの外部の人にアドバイスをもらうことも重要ですが、表面的に入社時点の話に終始せず「〇〇社っぽさとは?」「みんな辞めずにイキイキ働いている理由は?」と考えてみてください。本質的にはEVP(Employee Value Proposition)とつながり離職防止や組織の活性にも関係していますので、採用担当者だけでなんとかしようとせず人事全体・事業責任者・代表など関係者全員で話してみられてください。この内容について「考えるの面倒だな」と思考を放棄してしまうなら今いる社員も辞めてしまうリスクがあります。穴の空いたバケツで採用をしても効率が悪いでしょう。自社の魅力がなにかの解像度が上がってくると必然的にミッションや評価の解像度も上がるはずですので、ここはしっかりと目を向けるべきだと考えています。
- 前提として「こんな課題がある」「こんな人が欲しい」は訴求ではない
まず前提から。忘れがちなポイントですが採用の背景や求める要件の話はメッセージではありません。基本的にこの資料を目にする求職者は自社への興味が低い状態でしょうから求職者に「こんな課題がある」「こんな人が欲しい」という話をしても「いやいや、知らんけど」で終わります。当たり前ですがそれらの課題に答えるからこそスキルや報酬のメリットがあるはずですので、その言語化が重要であり、それこそがピッチすべき情報です。求職者に「考えてね」と期待しても考えてはくれませんので、改めて「こんな課題がある」「こんな人が欲しい」といった情報は訴求すべきメインの情報ではないことを前提としてください。
- 自社の魅力に目星をつける
求職者が何に魅力を感じ、応募・入社といった意思決定をするのかは意思決定のモデルをどのように仮定するかであり、現実的には様々な条件が複雑に絡み合い意思決定をしているはずですので明確な答えはないはずです。とはいえ分解して考えなければ進みませんので、大まかには報酬のカテゴリやレイヤから考えることになることが多いでしょう。まずはこれらからどのような魅力が提示できるのか大まかに目星をつけましょう
カテゴリ
・金銭の報酬(給与、SO、その他制度等)
・スキル(業務経験、ミッション内容、学習機会)
・キャリア(役職、裁量件)
・心理的な満足感(有名企業への所属欲求、ビジョン実現に携われる誇らしさ、好きなサービスで働ける趣味との兼ね合い、優秀な同僚と働くことによる同一化の嬉しさ 等)
・その他の労働条件(場所、勤務時間、勤務形態等)
レイヤ
・ビジョン、企業ミッション
・企業活動
・事業
・組織
・チーム、メンバー
・業務
・労働環境
ちなみに、ハイクラスや経験年数が多い方ほど業務スコープが長期・高い視座が求められるため「レガシーな業界をITで変えたい」といったVisionやMissionの話に注目する人が多い傾向があり、一方で若い方やジュニアクラスの方は業務スコープが短期・タスクベースの業務になりますので「上司が尊敬できるか」「業務環境は良いか」といったより具体的な内容に魅力を感じる傾向があります。これはどちらが良いというわけではなく、ターゲットに応じて調整しましょうという話です。これがズレてしまうとハイクラスの求職者に個別業務や労働環境の話ばかりしてしまい「目線が低いな」と思われてしまったり、ジュニアクラスの人に理想論の話ばかりをしてしまい「実感がわかないなー」などと思われてしまうかもしれません。
- 独自性のあるメリット
次はブラッシュしていきます。簡易なフレームワークを使って考えていきましょう。結論として図のように独自性のあるメリットを考えます。これは西口 一希さんの著書「たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング」内の図を参考にして作成したものですので気になる方はそちらもお読みください。
目指すべきは右上の象限です。候補者にとって独自性があり、かつメリットのある訴求内容を考えましょう。私がお手伝いしている企業さんでは、たとえば「煩わしい整理業務は既に整っておりやりたいことに集中できる環境」や「一般的には裏方とされがちなポジションだけど、うちでは主役になれる」といったものを設定しました。(実際にはもっと具体的ですが)
左上の「ネタ」はメリットはないが独自性のあるメッセージです。たとえば「MTGでは社長に敬語を使わず会議を行う!」といった特徴のある組織文化を紹介したいとします。これは特徴があるためTwitterなどで多少シェアされるかもしれませんが、ターゲットにとってメリットにはなりにくいでしょう。右下の「よくある魅力」はメリットはあるが独自性のないものです。たとえば「リモートワークOK」や「裁量権がある」などです。これらは求職者にとって足切りの項目にはなりますが決定的な入社理由にはなりません。左下はあえてなにも書いていませんが、この情報は不要なのでピッチ資料にも書かないほうがいいでしょう。
- 独自性は比較軸で確かめる
先で決めた独自性のあるメリットをよりクリアにするために。軸を1つ〜2つとり他社と比べてみます。当たり前ですが比較がなければ独自性もなにも考えることができないからです。この際に「どんな軸で比較をするか」をという軸の議論をしてみましょう。採用競合となりやすい他社と比べ以下の図のようにバランスよく分布する軸のとり方ができればOKです。(わかりやすさのため分布をそれぞれの象限にバランスよく配置していますが、象限が被ってもかまいません)
たとえば「この業務をこなすことでマネージャーとして成長できる!」という魅力を設定した際にこの軸は何になるでしょうか。一例として「使える予算」という軸と「部下の人数」という軸が考えられるかもしれません。これらの軸を設定した際に他社が別の象限に入るかを確かめます。もし入らなければそれは差別化されておらず独自性があるとは言えませんので軸を変える必要があります。(この軸は本来何個でも良いですが説明がしやすいから図示できる2次元にとどめましょう)
- 軸の説明がストーリーになる
ここで設定した軸は実はとても重要です。なぜなら魅力を説明する際のストーリーになるからです。当たり前のことを小難しく言ってしまい恐縮ですがたとえば先の例で「使える予算」と「部下の人数」という軸取りをしたのであれば、ピッチ資料の内容は「いかに予算が大きいか」、「予算稟議の簡単さ」、「今後増えるであろう人数の予想」、「チームの役割分担」といったようにこの軸を起点に情報が組み立てられるからです。極端な話この軸と関係のない情報の必要性は下がります。
- 必要に応じて複数の軸をまとめて新しい軸を作る
ここで一つのTipsを紹介します。こういった場合に無から自分たちの勝てる軸を見つけ出すことは非常に難しいです。そのため「一番ではないけれどある程度勝てること」をいくつか洗い出し、出てきた複数の軸をまとめて自社オリジナルのメタメッセージを作ります。いわゆるメタアップというやつです。たとえば「技術力もそこそこ高いし、報酬もそんなに悪くないし、メンバーのレベルもそこそこ高いし、事業もおもしろいし」....とちょっとした強みがあるとします。これらを並べるだけでは訴求は弱いままです。しかしそれらをまとめることでメタメッセージとして「安定期に改革をもたらすポジション。大手企業や安定収益期に入った事業をもう一歩進めるためのスキルが身につく」などと言い換えられるかもしれません。要素をとりあえずたくさん並べて「あなたの頭で噛み砕いていい感じに考えてね!」と期待をしても求職者が頑張って考えてくれることはありません。
同様の理由で、候補者から「他社は〇〇の面で魅力的だと思っています」などと言われた際に「ウチでもできる」と安易に風呂敷を広げることは避けるべきです。前述の自社の魅力のコアの内容を理解してもらえるよう求職者の考え方を変えるような表現を探すべきです。
たとえばカジュアル面談のシーンを想定してみます。自社の魅力として伝えたいことが「このポジションは業務プロセスの設計・整理の経験が積める」だとします。この際に求職者が「ピープルマネジメントがしたい」と話した際に、「それ、うちでもできるよ」などと後出しをしても説得力がなくなるだけです。個人的にこれは一番やってはいけないトークだと思っています。(僕は営業職もやっていますが、営業トークでこれをやってしまうともう最悪です。)そうではなく「プロセス設計・整理の中でメンバーを稼働させる際にはピープルマネジメントが必要であり一気通貫した経験が積める」などストーリーを強化する文脈で相手の反論を回収する方が訴求は強くなるでしょう。求職者の捉え方/切り口を変えるのであって自社を安売りするのはよくありません。
- 必要に応じてその他の伝える内容も議論する
これはオプションで。人が意思決定するプロセスは明確にはなっていませんが、特徴的な魅力だけで判断するのではなく、足切りの条件などもあるはずです。これは意思決定のモデルをどのような要素と採点方式で考えるかによりますが、加点方式のものもあれば減点方式、または掛け算によって決まることもあるでしょう。そのためこのようなコンセプトやメッセージを考える際にももう少し複雑に考えたほうがいいです。ここで整理するために4つに分類してみます。
①印象づけたいこと
前章で考えた独自性のあるメリット、特徴的な魅力です。プラスに働く要素でありシンプルに一番求職者にアピールしたいことです。
②払拭したいこと
事実誤認、見方を変えたい要素です。求職者に勘違いされていて「本当は違うんだよ!」と説明したい内容です。減点されないためのものです。これは④とは別でありあえて言及することで誤解を解くべき内容です。たとえば「技術力が”弱いわけではない”(といっても主張にするほど強くはない)」「給与が”低いわけではない”(といっても主張にするほど高くはない)」といった内容です。
③追い風
自社の話にとどまらないこと、自社とは直接的に関係のないことで啓発したい内容です。語弊を恐れず、広報というよりマーケティングPR、戦略PRの視点です。PESTやSWOTなどのフレームワークも使うと考えやすいです。自社の話に加え、世の中・社会・外部環境の変化を文脈に取り入れます。
④伝えないこと(この資料では)
マイナスに働いてしまうこと、求職者に想起させたくないことです。比較してほしくない軸、戦わない土俵です。これは「嘘をつけ」「隠せ」ということではありません。候補者がネガティブに捉える可能性があれば入社前に伝えるべきです。しかし情報は伝え方・伝えるタイミングによって誤解を生みやすいことも事実です。このような「丁寧に扱うべき情報」を定義しいつ候補者と握ることができているか議論できていれば採用は変わります。
▶ NEXT
この記事では採用ピッチ資料の中身の作り方について、私なりの方法・考え方を紹介しました。この中身を他の情報も合わせて説明していくかを次の記事で書いていきます。この記事で書いていることは言うは易く行うは難しです。上記で書いたプロセスを全て踏襲する必要もないですが、少しでも参考・共感いただける内容があれば嬉しいです。