発想への技法(デザインのこころえ)
住宅設計を主な仕事としているなかで、デザインや設計の発想プロセスについて、わたしにとって大切にしている考え方を今回は簡単にお伝えします。
わたしは大学では建築学科を出てるものの、意匠、デザインなどとは程遠い生活を行い、日夜研究施設で煙の研究に没頭し、恥ずかしながらコルビジェなんぞ名前くらいしか知らなかった。
大学では煙の流れかたの研究(防災研究室)のため、ひたすら巨大な模型内に煙をたいて研究を繰り返す日々(そんなわけで、住宅の風の流れには少しこだわりあり)。大学卒業後に就職した会社では現場監督を数年行い、その後意図せず設計の業務に携わることとなる。このことが転機となり、またこのときから私の設計人生がスタート、建築と設計を再び学び直すべく、あやゆる建築講演会、学校通いがはじまりました。
『フロッタージュ』
そんなときにこの言葉、つまり発想への技法をデザイン学校の講師の先生から教わったことでわたしは救われた。(講師は某大手ゼネコンのトップ設計だった方)
設計をはじめたころ、発想やデザインは特殊なもので何も無いところから生まれるものだと思い込んでおり、「そんな能力はないよ!」と悩んでいた。
しかし、そんなわたしに希望と建築設計を生業とすべく勇気をくれた考え方のひとつが『フロッタージュ』。以下にその内容をお伝えします。
フロッタージュとは?
フロッタージュとは模様に紙をあて鉛筆などでこすりだす美術の手法をいう。
デザインの分野では、イメージなる言葉がもてはやされ、かつてのわたしがそうであったように、白紙の状態から突然ひらめきが出たようなもののように錯覚してしまうが、頭の中に描き出されるイメージは、過去の経験や知識などが下敷きとなって形成されると考える必要がある。デザインと名がつけば、常に一から独創性を求めて発想しないといけないかのような錯覚に陥るが、そうではない。
たとえ独創性があるといわれるようなものでも、ちょっとした日常の出来事が契機となって、それにその人の出会いや環境など固有の情報が加わり発想に展開したものであり、きっかけを生み出すことが発想の第一歩となる。
例えば建築家では現代アートをはじめとする芸術、哲学や文化などをフロッタージュしてることが多いようです。子供のレゴブロックだってそう、身近なところにもたくさんあります、いろんなところにきっかけは潜んでいる。散歩中になんとなく目にした落ち葉なんかもきっかけになる可能性があります。明らかにデスクの上のペンシルが建築の発想になってる巨匠の作品もあります。機会があれば事例もお伝えできればと思います。それとお気づきのかたもいらしゃると思いますが、コピーとは全く違ってフロッタージュには化学反応があるように思います。
日々このようなことを考えれながら楽しく生活し、いろんな気づきが成長と豊かな暮らしの提案につながると信じ、人ものすべての出会いに感謝しながら設計をしたいと思います。
今回は少し自己紹介含めてわたしの考える発想のヒントについてお伝えしました。引き続き住まいに役立つ情報として、「豊かな住まいの間取りのヒント」シリーズなどを伝えていきたいと思います。
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