「やりたくないこと」を「やらなくていい」世界を作る
レディオブック株式会社CEOの板垣雄吾です。渋谷でスマホ修理、買取などスマホ全般に関わる事業をやっています。
いやもっと正確に言えば…
スマホ、買取、販売、修理事業からはじまった我が社ですが、今はそれだけではなく、エコノミーシェアリング事業、オンラインコミュニティ事業、デザイン、プロダクト、ライター、HP作成、システム構築、SEO対策、などなど、総合商社みたいな会社になっています。
僕は3月に幻冬舎から『やりたくないことはやらなくていい』という本を出版し、新事業としてオンラインサロン「i+Remaker(アイ・リメーカー)」をはじめました。
『やりたくないことはやらなくていい』
くどいかもしれませんが、これは自著のタイトルであり僕の信念です。(まだ読んでない方がいたらこちらからぜひ!)
「やりたくないこと」を「やらなくていい」にするためには、だれかにお願いすることだ。
例えば、僕はエクセルが苦手だから人にお願いしたい。でもこれ僕と同じくエクセルが苦手な人にお願いしても意味がない。だって苦手なものを苦手な人にお願いするなんて、頼むこちらとしても申し訳ない。でも逆にエクセルが得意な人がいて、お仕事としてやってもらったらどうだろうか?僕はやりたくないことをやってもらえてハッピー。その人はやりたいことをやれて仕事ができてハッピー。お互いが幸せになる。
つまりこれって、自分のやりたくないことは誰かにとってのやりたいこと。これを循環させれば、やりたいことだけをして仕事ができるんじゃないか?
そんな時、西野さんのオンラインサロンの存在を知った。今は違うけど、当時はサロンの中で仕事を回しあって経済圏ができていた。僕も西野さんのサロンの経営者部で活動させてもらい、西野さんの信頼を借りてたくさんの縁をいただいた。
「経済圏」って言ってしまうと堅苦しく聞こえるけど、僕がやりたいこともこういうこと。「やりたくないことをやらなくていい」「自分にとってのやりたくないことは誰かにとってのやりたいこと」を循環する枠組みを作りたい。そんな想いでオンラインサロン「i+Remaker(アイ・リメーカー)」を作った。
オンラインサロンi+Remakerで、仕事が回る仕組みに
オンラインサロンはインターネット上にある国家のようなものだ。例えばi+Remakerが一つの国だとすると、国民であるメンバーは福利厚生としてスマホの無料修理を受けるられる。その中で得意なことで仕事をしてもらいたい。
得意なことがこれってすぐにはない人もいるかもしれないけど、まずは「やりたくないこと」に気づくきっかけの場所にしてもらいたい。digる、つまり自分の内面を掘り起こして自分自身を取り戻してほしい。だから、うちのサロンの合言葉は「iを取り戻せ」。北斗の拳の有名な歌のタイトルであり、iは自分、愛を示す。
本来の自分自身は、自分の奥底にある。だけど日常の暮らしで埋もれてしまって「何が好きだっけ?」「何で心踊るんだっけ?」がわからなくなっている。自分をとりもどし、やりたくないことは誰かに仕事をまわし、やりたいことでお金を稼いでほしい。
性善説で優しい世界に
やりたいことはまだある。
サロン内で仕事をきちんと履行した人の信用値を可視化し、それが高い人にはすぐ融資できる仕組みを作る。HISの子会社HIF(H.I.S.Impact Finance株式会社 )のコソノさんこと東小薗さんと取り組み始めています。
今って融資を受けたいと思ったら、書類をたくさん書いて、時間をかけて事業計画書を作る。にもかかわらずそれってほとんど見てもらえない。じゃあ何を見ているかといえば、借りたお金を返せるかどうか?過去の信用情報しか見ない。預貯金や過去滞納したかどうか。つまり性悪説から入ってるんです。そういう対応されるのも嫌じゃないですか。隙を見せられないなって構えてしまう。
(トークイベントにて、左:僕、右:東小薗さん)
僕は会社をこれまでやってきて、経営が危ない時期もあった。一時は借金5000万円抱えた男ですから。そんな時に僕にお金を貸してくれたのは個人の方で、その人たちは僕の預貯金とか過去の信用情報とか気にしてないんです。「君面白そうだからいいよ、お金貸すよ」って貸してくださいました。涙が出るほどありがたい。
こんな風に性善説で対応してもらえるとがんばれるんです。「信じてくれた人の為にも恩義を返したい。よし、頑張ろう。」って気持ちになれる。僕はこういう社会を作りたい。そしたらお金借りて逃げる人とかそうそういないんじゃないかな。とかそりゃ100人1000人集まれば1人、2人は逃げる人もいると思いますよ。その方が絶対優しい世界になる。
クラウドファンディングで仕事の受発注プラットフォームを作る
サロンの中で仕事を回しあう仕組みは、実はすでに始まっている。
今はFacebookのスレッドで呼びかけあうアナログな方法。でもいずれはそれをシステム化し、もっとマッチングをスムーズに質のいい仕事が気持ちよく回る仕組みにしたい。
すでにクラウドソーシングの仕組みがあるけど、それをアップデートしたい。現状は、フリーランスが買い叩かれていることが多いから。企業からすれば名前は出ているが仮名の人もいるから仕事を頼むのが心配になる。フリーランス側も仕事を確実に受けたいが為に単価を下げることもあるらしい。これ先ほどの融資と同じ話でやっぱり性悪説が働いている。こうなると悪循環だ。
僕も何度かクラウドソーシングを利用したけど、満足できる結果に至らなかったこともある。ただこれ作り手の問題というより仕組みの問題だと思う。
性悪説から成り立つ仕組みを変えればいいんじゃないかと。一人一人の顔が見えていて信用が可視化されていれば性悪説で仕事を回すことにならないと思うんです。じゃあそこに適した場所は?といえばオンラインサロンだ。
システム化するには相当のコストがかかりそうなので、クラウドファンディングに挑戦します。システムを一から構築しようとすると、どう見積もっても最終的には1000万円くらいはかかりそうだ。
一気に1000万円を目指すのではなく金額を分けて何回かクラファンを実施する。システムは順次構築を進め、β版の段階で実際に仕事のマッチングを行う。そしてまた次のクラファン。気が遠くなりそうな話だけど、これは僕にとってどうしても「やりたいこと」だから。
これを読んで面白そうだなと思った方、ぜひオンラインサロンi+Remakerにご参加ください。クラウドファンディングは7月から始める予定。でっかいお祭りの始まりです。
それから僕は渋谷の事務所にいることが多いです。スマホで困ったことがあったら遊びに来てください。お会いできることを楽しみにしています。
イラスト:小野寺美穂