金と教養
アルバイトに潰される、というか勝手に潰れる大学生を見る。
シフト入れまくって、大学の講義出席や成績にまで支障を及ぼすような学生。
それくらいで済むならまだ可愛くて、就活中までバイトに時間を取られ、まとまった対策時間を確保できないという。
しかも、苦学生でもない。
時間も金も、投じるべきポイントとタイミングがあると思う。
就活は、どう考えても投資の期間だ。金も時間も投じるべき。
これを話してもピンと来ない学生は、恐らく「投資」という概念を理解していない。
親御さんの教育によるところもあるから仕方がないが。
将来のために金と時間を投じるのではなく、目先の「節約」と「目先の金」のことばかり考える。
だから就活中にもかかわらず、時給1000いくらのために貴重な時間を差し出す。就活に必要な金も“節約”するわけですね。
親子共々。
「大学や就職は投資である」という認識を持っていない親御さんでも、10代の皆さんよりは多少金を持っている。
その親御さんから経済的支援を受けたい場合、当然、説得や交渉が必要だ。
かつて、僕もそうした。
この、説得・交渉のポイントは、自分の実績。
つまり、例えば学業成績であるとか、課外活動での実績、スポーツの結果であるとか。
恐らく親御さんが一番子供のことを見てるから、客観的に見て努力しているならば、出す金がある限り出してくれるはずだ。
家で寝そべって動画見続けている子供に出す金には、限度がある。
親は子供に対し無条件・無制限に金を出すべきだ、なんて考え方は、子供側の甘えに他ならない。
アルバイトしなくて済むような状況を作るところまで含めて、本人の力量にかかっている。
そもそも、一番イージーであるはずの親とも交渉を試みずして、これから社会で何やるの?って。
僕も本物の苦学生を何度か見てますが、大きく2パターンある。
1つは、親子共々本当に金が無くて、学業や就職にリソースを割けず、進路が滅茶苦茶になるパターン。
(何のために大学来たのかと思うが)
もう1つは、奨学金を駆使してどうにか金と時間を確保し、就職にリソースを割くパターン。
前者の場合、「奨学金」を過度に恐れる傾向が見られる。親子共々、金融知識が欠けているから。
この文脈における金融知識とは、主に「投資」と「負債」、「金利」
後者の学生は、その点で賢明ですね。
奨学金をよく理解し、よく活用している。
金だけで人間は救われない。
結局どこまでいっても金は手段で、それを生かすために教養が必要。
金のことを大学以前に教わることは多くないから、基本的には家庭教育次第になる。残酷な事実。
アルバイトや奨学金の例だけでも、親子共々、教養的に厳しい状態の人達をよく見る。アフリカの難民でしょうか?いいえ、日本の大学生です。