小さいおじさん〜その4〜
はじめての転職経験後
サプライズ。出会った人を笑顔にする。そして人の心に残る生き方をすることを。そう思って生活してみると不思議なことが起きはじめた。
一攫千金!なんてことはなかったけれど、いろんな人からよく連絡が来るようになった。
「この間のグミってどこで買える?」ってものから
「この間はありがとう!今度ご飯行きましょう!」なんてものまで本当に携帯が鳴るようになった。
そして、ご飯に行ってお互いの話をする中で何をしてるの?何をしてきたの?なんて話になる。
ギャンブラーをやっていたこと。
本当に暇人という職業になっていたことを話したりしていた。
「本当に暇だったんだよ!だからありがとう!!!」
100%あってくれた人にその一言は言っていた。
命の恩人かのごとくに伝えた気持ちに、苦笑いになる人もいた。
けれどまた必ず連絡をくれていた。
僕にはそれがたまらなく嬉しかった。
そんな中で、増えていくことがあった。
それは”頼まれごと”だった。
来週のBBQ 主催するんだけど手伝ってくれない?
引っ越しちょっと手伝って?
ちょっと人手足りないから一日アルバイトしてくれない?
ちょっと京都でイベントあるけど参加しない?
あの、器用って言ってたけどこんなの作れないかな?
ありとあらゆるお願いが増えた。
最初は良かった。
暇すぎた反動から、もちろん!と即答でOKしていたが、そんなことが1ヶ月んも続くとなんだか疲れてしまった。
さらに出来ることならばまだしも、出来ないこと、やったことも無いようなお願いも増えた。
例えば、
・車のシート張り替えてくれない?
・友達の誕生日にどうがをつくっておくりたいんだけどお願いできない?
・DIYして家具作るから手伝ってほしい
・イベントやるからちょっと司会やってくれない?
などだ。
"なんで僕に?意味がわからない"
そう思いながらも引き受けてやっていた。
「どう最近?毎日楽しんでるか?」
この日、僕はまた小さいおじさんとご飯を食べていた。
そして、僕は最近の出来事をそのまま伝えた。
ぼく「最近はなんか、何でも屋みたいになってます。いろんな人に会えてて楽しいんですけど、でもお願いをされるようになってなんか自分でもよくわかんないですけど忙しいです。。」
焼肉をジュージュー焼きながら僕の話を聞いてる小さいおじさん。
小さいおじさん「なるほどな。めちゃくちゃ人と会えてるんやな。サプライズ続けるとおもろいやろ?なんかすればするだけ色んな人にその時も喜んでもらえるし、その後もええ関係築けるきっかけになったやろ?」
たしかに。。
最初はサプライズはその一瞬のものだと思っていた。その一瞬、人に喜んでもらって笑顔になってもらうことだと。
けれど、サプライズを意識しだしてからその時だけでなく、その後に広がる縁がたくさんあるということ言われてみて気づいた。
小さいおじさん「おれもな、昔むちゃくちゃやっててんサプライズ。今の周りにおる友達や仕事仲間、なんなら仕事関係の人ですら、ちょっとしたサプライズがきっかけやねんで。あんな、サプライズをすると起こり出すもう一つのすんごいこと知ってる??」
もう一つのすんごいこと??
全く見当もつかない。
それどころか、頼まれごとが増えてちょっと大変というか迷惑と思ってたくらいだ。
ぼく「わかりません。」
そう一言で答える。
小さいおじさん「考えろや!(笑)一瞬で答えたけど考えてへんやろ。
頭使わななんのためにあるんや!考えもせんも結論出すなんて。。」
牛タンを焼いてパクパク食べながら口調が強くなる小さいおじさん。
すごいこと。
すごいこと。。
すごいこと。。。
どれだけ考えても見当もつかなかった。
ぼく「わかりません」
・・・
小さいおじさん「ほんまに考えた?笑」
その問いに、「はい。。」と答えた。
ドラクエ的転職人生のススメ
小さいおじさん「ん〜、、、今のお前はなドラクエでいうとめっちゃ職業転職してんねん。しかもな、ドラクエとは違う凄みがある。もしもドラクエでこれがあったら反則やわ。さらにな、それが時に天職になるかもしれん。
なんでお前にお願い事がやって来ると思う?自分ができるもんから、やったことすらないもんまで。
これってな、自分は無理とかできないって思ってるだけで、実は人から見たらあの人に頼んだらできるって思ってもらってることだったりすることが多いねん。
要は自分も知らなかった自分の強みとか可能性を人は見てくれてるってこと。
ってことはな、できない可能性のが低いことをみんな言ってくれてる。
だって、お前ができると思って言ってくれてんねやで?ちょっと頑張ったらできることのが多いわ。
なおかつ、その頼まれごとは自分をギューンとレベルアップしてくれることだったりする。
普通は人生1つの仕事って思うやろ?
学生時代、就職活動でみんな落ちたらどうしよう、あそこに行けなかったら終わりだってビビってんねん。
けどなそんなことないで。人生何回仕事を変えたってええんよな。
いきなり、自分の天職を見つけようなんて無理やもん。
ましては、学生が自分の一生の仕事、天職をいきなり見つけるなんて相当な思いがなきゃ無理やろ?やってみて、経験して自分にあってるとか合わないとかわかるねん。
なんべん転職してもええ。なんなら休んだってええ。
大事なのはその時々に頼まれることに自分の価値や、信頼、期待があるってとこに気づくこと。だからこそ“頼まれごとは試されごと”やねん。わかる??」
確かに、頼まれたことは自分ができないと思ってたけど楽しい楽しくないは別として、やってみたら全部できた。自分で調べてやったから、その頼まれたことは今ではもう“できること”だった。言われてみればレベルアップしている。
小さいおじさん「居酒屋でな、すいません唐揚げくださいって言ってみ。
”はい!有り難うございます!喜んで!”ってな感じで返って来るやろ?
あの感じやってマジで。
お願いされたら、”はい!喜んでー!成長チャンスを有り難うございますー!”
って心ん中で言ってみ?そしたらもうワクワクやから。まっ、ドMにしかできひんわな(笑)」
ドMかどうかはともかく、“試されごとは頼まれごと”という言葉が妙に自分の中に刺さった。
とりあえず、次から何か頼まれたら、「成長チャンスをあざっす!」と心の中で叫んで引き受けてみようと思った。
いつも思う。
小さいおじさんの言葉、考え方にはいつも1つの共通点があった。
それはこの時はまだ漠然にしかあらわせれなかったけれど”いつもポジティブ”ということ。
そして笑いながらなんでも話すこと。
なぜだかわからないけれど僕はそこがすごく好きだった。
僕は自分で自分のことをバットマンだと思っていた。
ヒーロのバットマンならいいのだが僕のバットマンは、
But man。
”でも”や”だって”という言葉をよく使っていた。だからバットマン。
何かあると、良いことと悪いことにわけ、
できるできないを今の自分から決めてしまい、
起こった出来事に言い訳をする。
根は典型的なダメなやつ。
当時、小さいおじさんといるのが好きだった一番の理由は、
いろんなためになる話をしてくれるのもそうだけれど、
一番はこのポジティブなものの捉え方や考え方だった。
頼まれごとは試されごと。
この話は当時一番自分がエネルギッシュになれるから好んでやっていた。
気づいた頃にはいろんなことができるようになっていた。
もちろんできないことのが山ほどあるが、それでも自分一人ではやろうとも思わなかったことをやり、いつも間にかできるようになっていた。
ドラクエでいうとたくさんの職業を転職して経験してる。そんな感じ。
けれど違うのは、1つの職業を経験すると転職してもその経験と技術、アイデアは残り継続して使い続けられるということ。さらに、職業の掛け算で新しい肩書きまでできてしまったりした。
誰かに何かを頼まれるということは、それを経験するチャンスをもらえるということ。そして、必ず自分の成長になるということ。
可能性や能力を発掘してくれたりする。
頼まれた時に、めんどくさいと思ったり、断らない。
4、頼まれごとは試されごと。
最高に好きな言葉の1つになった。
小さいおじさん「あかん。もう腹いっぱい。。この残ったハラミとビビンバ食べて?」
・・・これって試されごと??
つづく、、、