残骸

 時雨の景色の中。それはひっそりと時を止めたようにそこにあった。
 半透明のビニール袋へと無造作に詰め込まれ、バラバラになった体を。部品だけになった体を互いに寄り添わせるようにひっそりと。
 彼らがかつて、子供向けのおまけ玩具であったことを伺わせるのはカラフルなその体だけだ。部品が無くなっただけのものは随分と彼らの中ではきれいな方。殆どのものが原形を留めてはいなかった。
 小さな子供の手に遊ばれるうち、いつの間にかバラバラになっていた体。楽しそうなその小さな手に悪意は欠片もなかったとしても、それでもバラバラになった彼らには利用価値はなくなった。
 だからこうして彼らは集められ、この場にただうずくまっている。ゴミとして回収されるのを待ちながら。
 時雨の景色の中。それはひっそりと時を止めたようにそこにあった。
 半透明のビニール袋へと無造作に詰め込まれ、バラバラになった体を。部品だけになった体を互いに寄り添わせるようにひっそりと。
 彼らがかつて、子供向けのおまけ玩具であったことを伺わせるのはカラフルなその体だけだ。部品が無くなっただけのものは随分と彼らの中ではきれいな方。殆どのものが原形を留めてはいなかった。
 小さな子供の手に遊ばれるうち、いつの間にかバラバラになっていた体。楽しそうなその小さな手に悪意は欠片もなかったとしても、それでもバラバラになった彼らには利用価値はなくなった。
 だからこうして彼らは集められ、この場にただうずくまっている。ゴミとして回収されるのを待ちながら。

#小説

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