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「軍事学」のタグを思う

皆さまこんばんは、弓削彼方です。

この記事でも使っている「軍事学」のタグですが、実は私が最初に作り使い始めました。
最初の記事を書くときに「#軍事学」で一件も他の記事が出て来なかったので、間違いないと思います。
とは言っても、私が最初に使い始めたタグだから「他の人が使うな」とか、「使い方に決まりがある」とかを主張するわけではありません。
タグはnoteの公式の機能であり、必要な人がすぐに情報を見つけられるように使われているのであれば、その使用は制限されるものではありません

その上で、それでも敢えて言わなければいけないことがあります。
それは次の二つです。

1.軍事学は金儲けの手段ではない
2.noteに書かれる程度の軍事知識は専門家から見れば基礎知識である

今後の軍事学業界が正しく賑わいを得る為にも、本日はこのことについてお話して行きたいと思います。

・noteの軍事学は基礎知識程度

話が前後しますが、先にこの事について説明します。
このnoteでもそうですし、他にもブログやホームページ、時にはツイッターなどで書かれている軍事学の知識は、どれも軍事の専門家から見れば「知っていて当然の基礎知識」であり、さほど重要なものではありません。
もし他国に知られては困るような軍事学の知識(軍事技術を含む)であれば、必ず機密事項として一般人の目に触れないような措置が取られます
しかし、世に溢れる軍事学の知識にはそのような措置は取られていません。
つまり、私の記事を含む世の中にある軍事学の知識について書かれたものは、どれもみんなが知っていても差し支えない基礎程度のものだと言うことです。

それでもなお、私や他の専門家の方々が軍事学の知識をまとめて記事にしたり本にしたりするのは、軍事に疎い一般国民が必要に迫られてその知識を欲した時に、可能な限り素早く必要な知識に辿り着き、その要点を知ることができるようするためです。
基礎程度の軍事学の知識とは言え、本にすれば何百ページにもなるものが何十冊になるほどの量です。
それを我々軍事の専門家が細分化し要点をまとめ、普段軍事に疎い方でも慣れ親しむ切っ掛けを持って欲しいが為に、おせっかいながら色々と記事や本にしてまとめているわけです。

・軍事学の知識は合法的な転載

いま説明したように、世に溢れている軍事学の知識は専門家であれば誰でも知っている程度の基礎知識です。
しかもそれは、過去の軍人の書籍や、各国の軍隊が長い間に蓄積したノウハウをマニュアル化したものから転載したものが殆どです。
誤解が無いように一言言ってきますと、丸々全部をどこからか転載したと言う意味ではありません。
noteの記事であれ他の本であれ、その内容の殆どは過去に議論された話のまとめなのです。
そこに新しく得た現代の知識、当時知り得なかった事実、新しい技術と言うトッピングを付け加えて、「当時は〇〇であったが現代では~~~」とか、「過去は××が主流であったが新しい技術の開発により、今後は■■が主流となるであろう」など、著者の考えをいくらか付け足している程度のものなのです。

私が作っている兵法講座の動画やnoteの記事、同じく軍事学に関する配信や記事などは、殆どが先人の得た知識であり、そこに少々私のオリジナルの解釈を付け加えることで、より皆さまに理解しやすくしているだけのことであり、話の一から十までが私のオリジナルの話と言うわけではありません
それでも転載とかパクリと非難されないのは、軍事学を含む学問とは、先人の知識を基に新しい知識を付け加えて整理して行くものだからです。
つまり、軍事の専門家が偉そうに語っている知識の大半は、過去の偉大な軍人や各国の軍が蓄積したノウハウから得たものであると言うことです。

・軍事学は金儲けの手段ではない

すでに説明した通り、世の中にある軍事学の知識は「専門家であれば知っていて当然」程度のものを、一般の人にも分かりやすくまとめただけです。
また、その知識の中身自体も、その著者が生み出したオリジナルの部分はほんの僅かであり、その殆どは過去の偉大な軍人や各国の軍が蓄積したノウハウなのです。

このような訳ですので、実際に印刷する費用がかかる書籍であればまだしも、例えばこのnoteに書いた程度の記事でお金を得ようとするのは下衆のやることと言っても過言ではないでしょう。
知っていて当然の基礎知識をさも崇高な知識であるかのように扱い、先人が生み出した知識を自分が生み出した手柄のように扱い、そして他者から金を巻き上げる
これが下衆では無くてなんだと言うのでしょうか?
軍事学とは決して金儲けの手段ではないと、ここに断言しておきます。
私はこのように考えているので、兵法や軍事学の知識を対価を得ずに提供しています。

・対価を得ないからこそ得られる対価

対価を得ることもないのに、何の得があって軍事学の知識をわざわざまとめて世に公開しているのだろうか?その様に思う方もいるでしょう。
これに対する答えは二つあります。

・純粋に学問としての知識を極めるため
・軍事学の知識を広めることが安全に繋がるため

一つ目の純粋に学問としての知識を極めると言うのは、すぐに理解して頂けると思います。
書物を読んで新しい知識を得ることも大事ですが、記事であったり本のような形で自分の知識をアウトプットすることにより、その知識はより強固なものになります
また、人様に知識を広めようと思っていると、より正確に、より詳しくと考えていつも以上に真剣に知識に向き合うことになり、それが自身の知識をより深くへと導いてくれます。

二つ目の軍事学の知識を広めることが安全に繋がるとは、もちろん国防に関することです。
例えそれが専門的なものではなくても、国民が軍事知識を共有し国防と言うものを考えるようになると、他の国はその国に手を出しにくくなります
それは下手にその国に悪意をもって行動すれば、すぐにその国にその情報が知れ渡り、直ちに対策が成されるからです。
また、専門的ではなくても基礎的な軍事知識を国民が持てば、本当に専門的な知識を持って行動する軍隊の作戦を、ある程度理解することができます。
国民は理解できないことであれば怪しんで協力しませんが、理解できることであれば進んで協力し、それが我が国の軍隊の行動の自由を保障することとなり、もって悪意を持つ他国の侵略を退けることに繋がります。
このように、国民に広く軍事知識を伝えることにより、我が身の安全が保障されることこそが、軍事学の知識を広める人達が得る対価なのです。

・終わりに

軍事学の話と、タグの一つである「#軍事学」についてお話してきました。
国防と言うのは国家の基礎の部分であり、それに関するものは広く国民に共有され、またその共有の為の費用は必要ないと考えています。
現実問題として、一冊の本にまとめて出版すると言うのであれば、印刷費や流通に関わる費用、書店の利益などを確保しなければならず、それに関して必要な費用を支払ったうえで、その本を手にする人からも代金を受け取ると言うのは止むを得ないことだと思います。
それらの費用が発生することのない、このnoteの記事のようなもので対価を得ようとするのは、欲張りあり傲慢だと言うだけの話です。

また、もし皆さまがお金を払ってでも軍事学の知識を十分に得たいと言うのであれば、本を購入されることをお勧めします
本であればnoteの記事と違い、著者本人のみならず編集やその他の人が内容をチェックし、もし間違いがあれば正すので内容は限りなく正確です。
また本にするためには読みやすいように体裁を整える必要があるので、noteの記事のように思いついて書いたものとは違い、格段に読みやすく、順を追って知識を得ることができます。
ですので、もしお金を出すと言うのであればぜひ書店に行き、表紙や目次を見て、これだと思う一冊を手に取って頂きたいと思います。
残念なことに私は本を出してはいませんので、ここで宣伝などはできませんが、もし皆さまが興味があるのでしたら、私が学んだ軍事学の良書を紹介する機会を設けたいと思います

ちなみに、私も使っている「#兵法」のタグは、私より前に使い始めた方がいらっしゃるようです。
兵法の知識も素晴らしいものですので、それを広める先駆者が居たことに喜びを隠せません。
兵法の知識もまた、世の中に広く伝わって欲しいと思っています。

長くなりましたが、今回はこの辺で一区切りと致しましょう。
それではまた、次回の講義でお会い致しましょう。



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