軍学を立てる
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。
私が今後やって行こうと思うことがあるので、記録として残します。
先日、私が今までやってきた兵法と軍事学に関する動画投稿及び配信は、結果として失敗に終わったと言う記事を書きました。
どうすれば兵法や軍事学の知識に興味を持って貰え、また正しくこれらの知識を伝えることができるのか?
どうすれば分かりやすく理解しやすい形で提供できるのか?
そしてどうやって、兵法や軍事学を学ぶ意義を知って貰えばいいか?
ここしばらくの間は、そう言うことをずっと考えていました。
そしてようやく、一つの結論を得ることができました。
それが「新しく軍学を立てる」と言うものです。
前にお話しましたが「軍学」と言う言葉は、普段お話している「兵法」とほとんど同じ意味です。
古い時代には剣術を中心とした武術のノウハウを「兵法(ひょうほう)」と呼んでおり、それと区別するために兵法のことを軍学と呼んでいました。
私が言う新しく軍学を立てるとは、私が今まで学んできた兵法と軍事学の知識の良い部分を抜き出し、一つにまとめて現在に即したものを作ると言うことです。
現在にも受け継がれる兵法、そして専門性の高い軍事学、何故これを一つにまとめて新しく作り上げる必要があるのか?
これについて少し説明をしようと思います。
・抽象的な兵法
兵法書には直接戦いに関することは勿論のこと、内政や外交に関する話も多く書かれています。
古い時代には「戦力=兵数」であり、この兵数は国の人口に深く関係していました。
良い政治をして国内に住む住民が増えることは、徴兵できる人数が増えることに直結しており、戦力を底上げするには内政の知識も必要でした。
だから兵法では直接戦いに関することと同じぐらい、内政に関する話も述べられているのです。
その一方で、兵法書に書かれている内容は抽象的な話が多く、普段兵法や軍事に馴染みのない人には理解し難いものになっています。
この部分は具体的な話の多い、軍事学書を参考にしたほうが得るものが多いでしょう。
・難解な軍事学
軍事学は文字通り軍事に関することに特化した知識です。
現在では戦いの場が複数(陸海空)に分かれ、使用する武器種によってそれぞれに専門的な知識や技術が必要になり、担当する部署や立場(前線か後方か)などの違いにより学ぶ分野が大きく異なります。
このような状態では、もはや一軍の将であっても「一人でなんでも分かる」と言うものではなくなりました。
その代わりに学ぶ分野さえ決めてしまえば、具体的で理論が整ったものを深く学ぶことができます。
この部分が軍事学のメリットです。
ただし軍事学は兵法と違い、完全に政治から切り離されたものになっています。
この部分を兵法で補い、純軍事的な見方だけではなく、全体の中の一つである軍事として見れるようになれば、より軍事の重要性を知ることができるのです。
抽象的な兵法の中から現代でも通用する部分を活かし、難解な軍事学の中から具体的で分かりやすい部分を抜き出し、それらを組み合わせて現代に適した新しい軍学を作り上げたいのです。
私が目指す軍学では、三つのことを大切にしたいと思います。
一つはすでに述べた通り、兵法と言う古い時代の知識と軍事学と言う最新の知識の良い部分を組み合わせて、より良いものにすること。
二つ目に、軍事と特に結びつきの深い内政と外交の知識も併せて学べるようにすることで、大局的な視点を持てるようにすること。
三つ目に、あくまでも軍事に関して専門的に学ぶことに重きを置き、その他の部分は理解できる程度にとどめるです。
二つ目と三つ目についてもう少しお話します。
かつては国力が戦力に及ぼす影響が非常に大きかったので、兵法では必ず内政についても多く語られていました。
そしてその影響の多い少ないはあっても、現在でもそれは同じです。
ですので私が目指す軍学では、内政と外交に関することも述べたいと思っています。
その一方で、現在ではあらゆる分野で知識の専門性が高まり、関連があるからと言って全てを一人で網羅することは不可能になっています。
そこで私の軍学では軍事について専門的に学び、内政と外交に関する部分は「専門家の話を理解できる程度」に高めておけば十分だと考えます。
これは軍事的な面から内政と外交の責任者に必要な要求を伝え、それに関する話し合いができる程度の知識があれば、十分にその目的を達成することができると考えたからです。
そのために、内政と外交に関することを解説することで全体を把握できるようにし、戦争の利益と損失に関する話も含めた戦略について語り、その後に細かい戦術の話をすることで、少しずつ専門性の高い話をしていきたいと考えています。
私が今考えている「新しく軍学を立てる」と言うのは、たかが数年で成し得られるものではなく、私の一生をかけてようやく成し得ることができるものになると思います。
だからと言って最初から完璧を求めすぎて、いつまでも成果を出せなければ、それは何も成し得なかったのと同じです。
ですので、最初は十数ページ程度の簡単なものであっても、一冊の本として作り上げて成果を出したいと思います。
その後に、それを基に必要な知識や情報を肉付けして改訂し、より優れたものを作ると言うことを繰り返して、人生の最後に納得の行く軍学を完成させればよいと言う考えで進めて行きます。
少し遠い道のりになりますが、今後は新しく「弓削流軍学」を作り上げるために邁進してまいりますので、ご支援頂けましたら幸いです。