戦争とは
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。
弓削流軍学と言うことで少しずつ執筆を進めているところですが、いま一つ決めかねている部分があります。
それは最初の言葉をどうするかと言う部分です。
私の軍学では、最初に戦争とはどう言うものかについて述べたいと思っています。
現在の構想だと最初に「戦争とは止むを得ず行うもので最後の手段である。戦争を行えば国民は死に、経済はダメージを受け、仮に勝っても手放しで喜べるものではない。ましてや負ければ国が無くなるのだから、軽率に行うものではない」と言う趣旨の内容で戦争に対する戒めの言葉から始め、順を追って具体的な部分を学んで行けるようにする予定です。
何故この程度の文章を書くのに迷っているかと言うと、実は孫子にはこの私の考えをたった一言でまとめた言葉があるからなのです。
孫子の最初に「兵とは国の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり」とあります。
この一言で私の言いたいことが全部詰まっているのです。
この孫子の言葉をそのまま拝借しても良いのではないかと思うぐらい、孫子の言葉は要点を押さえています。
せっかく自分流の軍学をまとめるのだから孫子の言葉と被るのはいかがなものかと思いつつも、長く親しまれた孫子の良い部分はそのまま活用したいと言うことで悩んでいます。
これについては先に他の部分を書き進めつつ、いずれ決めなければいけないなと言うところです。
さて、せっかく「戦争」と言うものについてのお話をしましたので、この機会にもう少し「戦争」と言うものについてお話ししたいと思います。
当たり前ですが戦争とは可能な限り避けるべきものです。
その理由は負ければ当然、勝っても損失が大きいからです。
戦えば多くの兵士が死に国民が死に、その人的損害は多大なものです。
また戦争の経費は国の財政を圧迫し、結果必要な部分にお金が回らず国内の政治は滞ります。
経済も武器や食料の部分だけを見れば一時的に需要が高まり景気が良くなるように見えますが、徐々に上がっていく物価は国民を苦しめます。
肝心の労働力も戦争に人が取られるせいで必要な部分に回らなくなり、経済は停滞していきます。
この様に戦争とは、始まってしまえば病気のように徐々に国を蝕んで弱らせてしまうものなのです。
ですので、戦争は避けられるなら避けるべきものなのです。
どうしても他国との衝突が避けられない場合でも、最初は相手の弱体化させて我が方の意志に従わせるのが得策です。
そこで相手の国とその同盟国との仲を断ち切って孤立させ、要職にある者を買収して裏切らせ、そうやってまともに戦争が出来ない状態にしてから要求を突き付けて我が方の意志に従わせるよう努めます。
それでも駄目な場合に、ついに開戦となるのです。
戦争の具体的なノウハウについては今後お話するとして、戦争とは本当に最後の手段で、仮に実際に戦えば勝つことは間違いなくても、その為の代償は大きい。
だから避けられるならば避けるべきだと心得ておいてください。
この前提が無ければ、戦争に勝てば何でも思い通りになると言う間違った考えを持つことになります。
戦争とは目的を達成する手段の一つに過ぎず万能ではありません。
このことを最初に皆さまに理解して頂きたいと思っています。
また最初の話に戻りますが、弓削流軍学では最初に戦争は軽々しく起こすものではないと言う戒めから始めたいと考えています。
孫子の言葉をベースに私の解釈をまとめ、そもそも軍学を学ぶ意義は何なのかを明らかにする。
これが最初の務めであると考え、最初の一文を練っていきたいと思います。
戦争と言うものについての解説はここまでと致しましょう。
いずれ弓削流軍学が完成したら、皆さまにも読んで頂ければ思います。
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