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謝ったら死ぬ病

皆さまこんばんは、弓削彼方です。
本日は「謝ったら死ぬ病」と、それに関連する別の病気についてです。

謝ったら死ぬ病について簡単に説明すると、何か人様に迷惑をかけることをした場合、本来であれば謝罪しなければいけません。
ただ一言謝罪すればよいだけなのに、頑なに謝罪しようとしない。
まるで謝ったら死んでしまうのではないか?っと思うほどに、絶対に謝ることがない
これが謝ったら死ぬ病です。
これは政治家や芸能人に限らず、普段の生活で出会う人の中にもこの病気にかかってしまった人が居ます。
皆さんもニュースやSNSなどで、そう言う謝ったら死ぬ病にかかった人を見たことがあるでしょう。

ただ、私が見る限り、「謝ったら死ぬ病」に本当にかかっているのは、謝罪すべき時に謝罪しない人のせいぜい2・3割です。
頑なに謝罪しない人達は、別なものを恐れて謝罪しません。
そんな彼らが恐れているものは、「謝った人を殺す病」にかかっている人達です。

「謝った人を殺す病」にかかっている人は、一言謝罪すれば済む出来事で実際に謝罪した場合でも絶対に許すことはなく、相手が政治家であれば職を辞することを求め、芸能人であれば二度とテレビに出ないことを求め、一般人であればSNSのアカウントを消して消え去ることを求めます。
誤った人を殺す病にかかっている人は、物理的に相手を殺すのではなく、社会的に相手を殺したがっているのです。

この「謝った人を殺す病」にかかっている人はかなり多く、彼らは自分を正義だと信じて行動しています。
「不正を許さない」「道徳に反することは許さない」、だからそう言う行為をした人を徹底的に追い詰めたいのです。
不正を許さないと心に思うまでは、正義によるもので間違いないでしょう。
しかしその正義を盾に、他人を徹底的に追い詰めて社会的に殺す行為は正義ではありません
ですが彼らはこの道理を知らず、謝罪した人を殺したいのです。

話を「謝ったら死ぬ病」に戻しましょう。
人様に迷惑をかけて謝罪しなければならないのに、絶対に謝罪しない本当の意味での「謝ったら死ぬ病」にかかっている人もいくらかは居ます。
ただ、謝罪しない人のほとんどは「謝罪すること自体」は必要だと思っていても、「謝った人を殺す病」にかかっている人に目を付けられて、不必要に自分が傷付けられるのを恐れているだけなのです。
謝罪すべき人が本当に謝罪できるようになるには、先に「謝った人を殺す病」にかかっている人を治療しなければいけません。

このようなお話をすると、それでも「そもそも謝罪が必要になるようなことをした人が悪い」と言う意見も出て来るでしょう。
しかし人は必ず過ちを犯すものです。
これが人を殺めたと言うような、絶対に取り返しがつかないことであれば、謝罪しても許さないと言うのも分かります。
ただ、発言があまり良い表現ではなかったとか、誰かが怪我をした事故で、当人同士で「事故だからしょうがない」と言うことで話が付いているものまで、徹底的に追い詰めていく必要はありません。
そもそも関係ない第三者が声を上げる必要すらないのです。
仮に社会に与える影響が大きい人が相手であっても、人は過ちを犯しても、そこから学ぶ事で成長して行く生き物なのですから、ただの一度の過ちも許さないと言う方がおかしいのです。

この世の中に蔓延しているのは「謝ったら死ぬ病」ではなく、「謝った人を殺す病」の方です。
これが無くならない限り、当人は心の中で過ちを認めていたとしても、それを表に出すことが永遠に出来ないまま過ごすことになります。
私は何も無条件で、誰も彼も許せと言っているのではないのです。
謝罪で済む程度の話で、謝罪すべき時に謝罪した人が居るならば、その人を許そうと言っているのです。
本当に撲滅すべきは「謝った人を殺す病」の方です。
そうすることで、謝罪すべき時に謝罪できる人は増えることでしょう。

謝罪しない奴を許せないと思う貴方。
本当に謝罪したら許せますか?
とにかく相手を追い詰めたいと思う気持ちはありませんか?
今一度考えてみた方がいいでしょう。


以上で本日の話は終わりです。
それではまた、次回お会い致しましょう。



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