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小鳥遊ホシノは、なぜ二度も間違えたのか?
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。
今回はブルアカの小鳥遊ホシノについてのお話です。
この記事は、すでにブルアカのメインストーリーを最新まで進めている方に向けたものとなります。
非常に長い話になり、表現も微妙な違いが多いですがご了承下さい。
ホシノについて、勘違いされていることが1つあります。
それは、ホシノが「同じ過ちを繰り返した」と誤解されていることです。
そう、この記事はホシノの名誉を守るための記事なのです。
対策委員会編ですが、大きく分けて1章と2章で一つの話、そして3章でもう一つの話と大きく二つの話に分かれています。
一般にホシノの過ちと言われるのは、1・2章でアビドスを救うためとはいえ周りに相談せずに自分一人で行動してカイザー(黒服)に身柄を抑えられたこと、そして3章でも列車砲シェマタを破壊するためにまた一人で行動して暴走した挙句、反転してテラー化一歩前まで行ったことです。
最初の方は一度目だしそれで反省したなら生徒の成長だから良しとするにしても、3章でもまた一人で勝手に行動して「全然前回のこと反省ないじゃん!ホシノのバカ!!」っと言うような感じで受け取られているのでしょう。
さらにゲーム本編でアビドス3章が進行しているタイミングで、対策委員会編1・2章がアニメ化されて放送されていたせいで、なおさら「ホシノなんだかんだ言ってるけど、この後3章でもまたやらかすんだよねw」みたいな感じになっていたので、なおさらヘイトが溜まっていったのでしょう。
ここで私は皆様に一つ伝えたいことがあるのです。
確かに同じ過ちを繰り返したのならばホシノに対する評価も仕方がありませんが、そもそも同じ過ちではないならば仕方がないということを。
それぞれが違う要因であって、ホシノが1・2章と3章で異なった成長をしていたのなら、それは正当に評価されるべきだと。
ゲーマーである我々に分かりやすい表現をすれば、ホシノは先生に初めて会った時点ですでに2つのデバフを受けていたのです。
1つは周りを信頼できないデバフ、もう1つがユメ喪失というデバフです。
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1つ目の「周りを信頼できないデバフ」は、ホシノが大人を信じていなかった部分はもちろんのこと、アビドスの仲間も信頼していなかったデバフです。
ここで勘違いしないで欲しいのは、ホシノはアビドスの仲間のことは信じてはいました。
ただしこの信じているはアビドスの仲間を裏切るらないとか見捨てないとか、そういう悪意を持っていないことを認めていると言う意味で、何かを成し遂げるためにみんなを頼ろうとは思っていないということです。
皆様もご承知の通り、ホシノは他のアビドス4人を相手にしても余裕なぐらい実力があります。
ホシノは誰かに頼らなくていいほど実力があり、そもそも誰かにやってもらうより自分でやった方が早いレベルなので頼る必要がないのです。
そういう意味で信じてはいるけど頼ってはいない、信「頼」はしていないということです。
このデバフのせいで、ホシノはこの後1・2章で「独断専行」の状態異常になります。
2つ目のユメ喪失デバフですが、これは非常に根深く、それなのに普段はデバフにかかっていることが分かりません。
特定のトリガーで強制的に発動し、その状態異常も独断専行の上位である「暴走状態」になることです。
暴走状態では判断力が失われ、ユメの意志を(勝手に)推測して行動し、そのユメの意志を成し遂げるまで行動し続けます。
ホシノは2つのデバフを受けていて、それぞれを1・2章と3章で解除していった。
そう考えれば、ホシノは同じ過ちを二度も繰り返したわけではなかったということが分かってくるのではないでしょうか?
少し物語を振り返りながら流れを見ていきましょう。
対策委員会編1・2章では、先生との出会いとアビドスの現状の把握、そして先生と一緒に借金問題への取り組みが始まります。
最初はヘルメット団、次は便利屋68と相手が変わりますが、最終的にカイザーPMCが相手になり、黒幕のカイザー理事が出てきます。
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アビドスの砂漠化自体は特異な自然現象だったとしても、それに付け込んだカイザーコーポレーションの策略。
そしてもっと邪悪なゲマトリア、黒服の罠によりホシノはアビドスを救うつもりで自分を犠牲にしたはずだったのに、結局アビドス自体も危険に晒すことになりました。
しかしアビドスの仲間達、そして信じられず頼りにもならないと思っていた大人の一人である先生の手助け。
そして縁を結ぶことができた他の学園の生徒の活躍によりホシノは助け出され、カイザーのアビドス乗っ取り計画は失敗してカイザー理事は失脚。
この事件でホシノは考えを改め、アビドスの仲間を頼れる存在だと真に信頼し、大人の一人である先生のことも信じられるようになりました。
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この出来事でホシノの「周りを信頼できないデバフ」は解除されたのです。
もしホシノがこの反省を生かせず、アビドスの今後に関して仲間に頼ることを忘れ、先生に相談することもせず、また独断で一人で勝手に行動することがあれば、私も「あの反省はなんだったのか・・・」と思うことでしょう。
しかし忘れてはいけません。
ホシノには先生もアビドスの仲間も、そしてホシノ自身も気付いていない「ユメ喪失デバフ」が残っているのです。
これこそが3章での悲劇に繋がるのです。
3章では砂漠横断鉄道の話から思いもしなかった梔子ユメの名前が出てきたことで、ホシノの中に眠っていたユメ喪失デバフが発動します。
まず一人で債権者団体の総会へ、その後は列車砲シェマタ破壊のために生徒会の谷、そして大オアシス駅へ向かいます。
ホシノが総会へ出発する前、総会でカイザープレジデントが出てきてホシノと合流できたタイミング、そして生徒会の谷で追いついた時と何度もホシノは先生やアビドスの仲間と会話をするタイミングがありました。
しかしホシノは会話の内容などほぼ無視して一人で行動します。
大半の人はこの部分を以って、「1・2章の最後で二度とこんなことはしない。今度からは皆と一緒にやると言っていたのに・・」と思い、ホシノがまた過ちを繰り返したと考えたことでしょう。
しかし、3章のこの行動の根本はホシノが考えるユメの意志です。
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1・2章の時のホシノの行動の根本は、あくまでもアビドスの存続です。
アビドス存続のためにとホシノは行動し、結果それが裏目に出て失敗し、先生とアビドスの仲間に助けられたことで、先生とアビドスの仲間、それと善意で自分を助けてくれる人を信じられるようになり、何かあれば相談して一緒に進もうと学びました。
ただし、みんなが直接関係する「アビドスの今後に関することについて」はです。
しかし、3章のホシノの行動の根本はユメの意志です。
そのホシノが考えるユメの意志のほとんどは、ホシノの思い違いといくらかの地下生活者の誘導でしたが、ホシノにとっては大切なユメを失った後に自分がユメのために出来る精一杯のことだと信じて疑いません。
さらに過去の存在であるユメに関しては、先生も他のアビドスの仲間も一切関りがありません。
自分だけが唯一ユメの意志に関係する存在、ユメとホシノの二人だけのアビドス生徒会としての問題、アビドスの仲間と切り離してよい問題と考えていたのです。
結果、アビドスの存続については後輩たちに任せて、自分は最後のアビドス生徒会として全ての決着をつけようとしたのです。
これから自分がすることはアビドス生徒会の問題だから他のみんなには関係ない、アビドスの今後に関するものではなく過去の清算なのだからそもそも先生にも他のみんなにも相談をする必要もないし、関係ない人たちに迷惑はかけられない。
このように考えて自分を今のアビドスと切り離し、状態異常「暴走」へと進んでいきます。
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その後は暴走を止めようとするアビドスの仲間を力でねじ伏せ、先生の話にも聞く耳を持たず、一人でどんどん突き進んでいきます。(少しだけ地下生活者の誘導もありましたが・・)
挙句の果てには先生が呼んだヒナとやりあい、地下生活者の策略に嵌って反転した存在であるテラーに堕ちかけました。
様々なめぐり合わせと奇跡でホシノのテラー化は免れ、ハッピーエンドへ向かいましたが、このホシノの暴走を許せない方も多いでしょう。
しかしながら、この3章でのホシノの暴走の原因はユメの喪失が元であり、先の1・2章の独断専行は周りを信じられないことが原因だったので、ホシノが事を起こした後に反省する部分、成長する部分が違うので、ホシノがまた同じ過ちを犯したと言って責めるのは酷なことです。
ホシノのユメ喪失というデバフは、それが奇跡や夢や幻であったとしても、ホシノがユメともう一度会話をして、心の区切りをつけることでしか解除できなかったのです。
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自分の心の整理が終わり区切りをつけられたことで、ようやくホシノが受けていたデバフが全て解除されました。
ここ至ってホシノは「自分自身も今のアビドスの一部」であること、そして「直接関係ない人にも助けを求めて良いこと」を学んだのです。
表面だけ見れば確かにホシノは二度も自分一人で行動をしていたので、人によっては「また」同じ過ちを繰り返したと見えることでしょう。
しかしホシノが取った行動の原因はそれぞれ別であり、1・2章と3章で解決した原因と成長した部分が異なるので、同じ間違いを二度犯したというわけではない。
これが私が皆様にお伝えしたい内容です。
長くブルアカを続けている先生ほどすぐ気付くと思いますが、ユメ喪失デバフ解除前のホシノと解除後のホシノでは明らかに違います。
対策委員会編3章の後の話である臨戦ホシノの絆ストーリーを見れば、今までのホシノを演じつつも、年相応の女の子であるホシノの素が表に滲み出てきています。
また誰に対しても、特に他の学園の生徒には見えない壁を作っていたホシノですが、あの一件の後はヒナのことを「風紀委員長ちゃん」ではなく「ヒナちゃん」と呼んでいます。
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一部の反乱勢力はホシヒナの関係を認めようとしませんが、これはホシノのデバフが解除されたことを示すのと同時に、あのユメとの一瞬の再会の中で言われた「困った時に手を貸してくれる友達はできた?」も影響しているのでしょう。
たたでさえ人数の少ないアビドスで3年生はホシノ一人で全員後輩。
仮に誰か居たとしてもホシノの実力に匹敵し、ホシノが困った時に頼ろうと思える人物など存在しなかったでしょう。
しかし、他の学園とは言え同じ3年生で、しかもホシノに匹敵する実力を持った空崎ヒナと言う存在。
トラブルと先生と言う存在が橋渡しをしたとは言え知り合うことができ、お互いボロボロになりながらも雌雄を決したと言ってもいいぐらい本気でぶつかって来てくれた相手。
ホシノが友達と認めることができる存在が出来たことに喜ぶべきでしょう。
最後になりますが、もう一度繰り返しておこうと思います。
ホシノは二度も同じ間違いを犯したのではなく、それぞれが別の原因であり、それを解決して二度成長したのです。
特にユメ喪失デバフの解除は大きく、ようやく本当のホシノを見ることが出来るようになったぐらい、その影響は根深く重かったと言えます。
これがホシノに関する真実だと伝われば幸いです。
ところで・・・・・
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ハイランダー鉄道学園に所属する朝霧スオウ。
眼帯・巨乳・ミニスカ・パンスト・ブーツと私的には結構好きな感じなのですが、いずれシュポガキ二人と一緒に実装されるのでしょうか?
3章ではそれっぽい謎がありそうな雰囲気だったのに、あんまり深く語られませんでしたね。
ここに関してだけは皆様と気持ちは同じだと思います。
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今回の記事はここまでとなります。
それではまた、次回お会い致しましょう。