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初音ミクがなぜネギを振るに至ったか〜ロイツマ・ガールの元ネタについて解説〜
初音ミクの定番アイテムといえば?と聞けば、十中八九「ネギ」と返ってくるだろう。
初音ミクとネギは切っても切れない関係にある。
さて、それではミクとネギの元ネタについて解説……と行きたいところだが、そんなことを2023年の今やったら口を揃えてこう言われるだろう。「ロイツマ・ガールだろ、何を今更」と。
ロイツマ・ガール……BLEACHのキャラである井上織姫が、フィンランドのカルテット・ロイツマの歌う「Ievan Polkka」に合わせてネギを振り回すアニメーションのことだ。
海外では「Leekspin(リークスピン)」とも。
これが巡り巡って初音ミクがネギを持つようになったのだが、その経緯はかなり有名なことであるし、もし知らなくても「ミク ネギ」と検索をかければわかりやすい解説記事や解説動画が既に多くあるため、ここではその説明は省く。
それでは皆さんご存知だろうか、「なぜロイツマ・ガール」ができたのか、を。
殆どの解説がロイツマ・ガールで終わっているため、ここを知らない人は多いのではないのだろうか。ここではそれを解説していきたい。
さて、ロイツマ・ガールはLiveJournal(ロシアのSNS)へ「g_r_e_e_n」というユーザーが、2006年4月23日に投稿したFlashが始まりとされる。
このFlashはLiveJournal内でまたたく間に話題となり、同年5月6日には「Leekspin」という名前のサイトが開設(下記リンク)。内容はロイツマ・ガールが延々と流れているというもの。
しばらくはLiveJournal内での流行りだったが、徐々に英語圏のSNSに輸出され、全国に広まっていった。日本でも例外ではなく、初音ミクがネギを振る以前からこのような動画が作られていた。
なぜロイツマ・ガールがここまで広まったのか。「面白かったから」もあるだろうが、実はこのときのネットでは「Meatspin」と呼ばれるミームが流行っており、ロイツマ・ガールはその波に乗っかる形で作られ、普及していった。
そう、ロイツマ・ガールの元ネタ、すなわち初音ミクがネギを持つようになった元凶はこの「Meatspin」なのだ。
Meatspinはどのようなミームだったのだろうか。
その正体は1985年にDead or Aliveというロックバンドがリリースした「You Spin Me Round」という曲をバックに、ニューハーフのお尻に男性がチンコを挿し、上のニューハーフがチンコを回しているといった内容のFlashだ。このニューハーフ女優の名前は「Cristina Bianchini」で、使われた映像はAVの一部であり、タイトルは「TSBitches」とされている。
2004年5月5日にYTMND(ミーム投稿サイト)に作られた「Ridin Spinnaz」というページ(下記リンク。性的描写アリにつき注意)が始まりとされる。これのバック音楽はThree 6 Mafiaが2003年にリリースした「Ridin Spinnaz」で、先述のFlashがいくつも表示される。
2005年3月10日にMeatspin.com(現在は消滅)が開設。このときに音楽が「You Spin Me Round」に変更され、表示される動画数も1つになった。
怖いもの見たさからかこのミームは爆発的に広まり、Meatspin.comのドメイン名がオークションサイトで2100ドルで販売されるということも起きた。
2006年3月1日にはリアクション動画がYouTubeに投稿され、人気はますます高まっていった。
2006年から2009年にかけて派生動画がYTMNDなど様々なコミュニティで作られるようになったが、次第に回すモノがチンコから肉へと変わっていき、バック音楽も自由になっていった。
その流れでMeatspinのマイルド版として…曲をIevan Polkkaに、回すモノをネギに変え…投稿されたのが「Leekspin」、ロイツマ・ガールである。
そう、つまり初音ミクが振るネギは、元を辿ればチンコなのだ。
以上。