𝗬𝘂𝗴𝗮

「マッチ擦るつかのま 海に霧深し 身捨つるほどの 祖国はありや」

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ハワイアンブルーの憂鬱

 ハワイアンブルーの憂鬱を、僕は信じない。ハワイアンブルーのような不可変の真理が、きっと、この世にはある。あれは、水縹色の空が一面を覆いつくしていた炎暑の日であったと思う。  大学二年生の僕は、漠然とした不安と闘い続けていた。この悩みは、僕の慕うある先輩が、就職活動に勤しみながら、社会との遭遇によって生じる「自己」と「自我」の相克を哀しそうに、こんな言葉にして、僕によくこぼすようになったことが引き金だった。 「なあ、修二。したいことって何だろうな。自分は、それは、単にしたい