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461: ハート直撃する一目ぼれの恋の矢の色

森の奥深く
あなたが知っている
あるいは知らない場所にある色屋の話。

ドキッ
彼と目があった…

“思い切ってこのパーティに出てきてよかった。
忘れられない彼が来ているわ…“

沢山の人がカクテルグラスを持ち談笑する,
比較的落ち着いたパーティー。

“引きこもりがちな私をミオが誘ってくれて
渋々来たけれど,嬉しい出来事だわ…

アレは,,どうにも暑い日に,
あの坂のてっぺんに生えている
木のそばで倒れ込むように休んでいる時,
彼が通りかかって,見ず知らずだった私に
水分を持ってきてくれて,介抱してくれて…
お礼をしたくていろいろ尋ねたら
意外にもご近所さんということが分かり…
と言う出会いだったのよね…
もっとも,あの木のそばを通ると言う事は
住んでる人はまばらだから,イコール
ご近所さんってことなんだけれども…ふふっ。”

そんな事を思いつつ,彼女は黄色い
ワンピースドレスの裾をふんわりと広げて
庭に向かって歩いていった。

ドキっ
彼女と目があった。

木の下で知り合ってから時折見かける彼女。
暑い日に倒れるように木陰で休んでいる姿を
見かけてからは,今日も倒れていないだろうかと
ついつい探してしまう。

出会った時に持っていた
黄色いバックが眩しくて,
彼女が笑っている姿が眩しくて,
どこかで出会えないかと探してしまう。

ああ,今日はよく似合う黄色い服を着ている。
彼女が好きな色なのかもしれないと思って,
オレも意識して黄色いネッカチーフを
指してきたりして,,
ちょっとキザっぽく見えているかもしれないな…?

そんなことを思いつつ,
彼も人混みを避けるように庭の隅へと移動した。

半ば期待して,
いやそんな嬉しい偶然はないだろうと思いつつ,
バッタリと庭先で出会った2人。

ぎこちなく目を合わし挨拶をする2人。

しかしお互いの間には,
黄色い,雷のような光がスパークしていた。
恋の矢は赤ではなく,お互いが意識しだした
黄色い色だったのだ。

ん?今回,色屋の出番はないのかって?
後日,ノロケ話を聞かされた時に
色屋は,しっかりと弾ける黄色を頂いた。
と言うことを,お伝えしておきます。

恋の矢の色。貴方は何色でしたか?
色屋に聞かせてくださいね?








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