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知らぬ間に離れてしまっていた


一昨年前まで、
秘密の隠れ家があった。

森の奥ぅーーーで、
手作りの囲炉裏付き日本家屋。
お風呂は五右衛門風呂で、
庭に生えているキノコを食べたり、
囲炉裏で岩魚の塩焼きを作ったり…。

新緑の季節には、
ブワっと緑が爆発して、
秋には紅葉樹が一面黄色になり、
夕方には黄金色の世界に変わる。
冬になると、空気は刺すようだけど、
星が恐ろしく近くて、無数にあって、
手を伸ばしたら取れるんじゃないかと思うほど。


去年は、なんだか忙しくて訪れる事が出来なかった。

今年、
「あー、あの場所で、キールタンのライブをやったら素敵だろうなぁ✨✨」
と、閃いて電話してみた。

でも、全く出ない。

ラインしたら
削除。
その後に、
「どちら様ですか?」
…だった。

行ってみるしかない。
そう思って行ってみたら、『売家』の札がかかっていた。


「そう言うことか…。」


ポッカリ、魂が一個抜けた気分。


その場所は、民泊予定でおじさんが一人で、森を買い、整地して、家や五右衛門風呂を作った場所だった。

民泊の許可が下りなかったから、私みたいに人伝でたまに誰かが来たり、おじさんの友達を集めて宴会をしていた。

だから、いつ行っても貸切。
私が登山している間に、おじさんはご飯を用意し、お風呂を沸かしてくれている。
殆ど、親戚の家に遊びに行ってお世話してもらったようなもので、私にとっては、魂を回復させるような場所だったのだけど…。


最後におじさんに会った時、
「ここに宿泊棟を建てるんだ。」
と話していた場所に、作りかけの柱だけが立っていて、最後に会ったその後に具合が悪くなったのだろうと、想像した。


私の隠れ家とおじさんは、とても遠い場所に行ってしまった…。

あの場所を作ってくれて、親戚の叔父さんみたいにもてなしてもらって、感謝しかない。



ふと、それを思い出したのは…。

私のnoteに、いつも真っ先にスキを押してくれていて、投稿もほぼ毎日されていたのに、スキも投稿もなくなり、
「アレ具合でも悪いのかな?」
と、思っていたのだけれど、あまりに音沙汰がないので、
「わっ。また、スキと間違えてフォロー外ししちゃったかな?」
と、思い、確認したら、もうnoteを辞められていたnoterさんに気づいたからだ。

どこにも、跡がなく、他のnoterさんの記事で取り上げられていたnoteも
「この記事はご覧いたたげません。」
になっていた。

突然、離れてしまうって、衝撃的だ。

無常。

そうなんだけど…。

過去記事くらい、見させてよ…と、性懲りもなく思ったりした。



べったりと依存していたわけではないけれど、いつもそこにあるような感じがしていて、そこにあるような感じに安心していた。

どんなに自分が好きでも、離れるものは離れる。
それは世の常。

ふと、カレンダーをみたら、昨日は弟の命日だった。
…曜日は覚えていても、日付って曖昧なんだよね〜。

こんな日もある。
今日の雨は、私の涙雨だな…。
もう、被害がない程度で土砂降りになってくれ。

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