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『片思いのラブレター』



本日は、企画に乗っかってみました。
…あ、勝手に参加させて頂きました



では、アンディ アーモ〜。



これを、貴方に伝える事は無いでしょう。

知らないと思いますが、私に誰かを好きと言う感覚はなく、
移り気で、飽きればどこかに行ってしまう。
…それが私だからです。
だからこの手紙も、ずっと机の引き出しの角で、
埃を被ることになるでしょう。
でも、そこには、私の温かい何かがあるのです。

初めて出会った時、
ドアの向こうで、アシスタントさんを大声で怒鳴っていて、
「ムチャ 怖い人じゃん。」
って、思いました。
部屋に入ると私にも、これでもか!ってくらい、
ダメ出しをしましたよね。

でも、そんな事にビビっていたら仕事にはなりません。

ダメ出しの内容は、もっともな事でした。
オーダーと、違う物を持って来たら誰だって、怒りたくもなります。
だから、平謝りしたけど、嫌ではありませんでした。
そしたら
「あなたには、期待していいのかな?」
と、子供っぽい笑顔になって、
この人は、正しい事をしたい人なんだと、思いました。

それ以降は、
ダメ出しされる事もなく、
一切否定されることなく、
一度提案を却下しても、話し合ううちに
「あなたの案の方が良さそうだね。」
って、アッサリ認めてしまう柔軟さも、懐の深さが覗えます。

「間違ってる事は間違ってるって言わないと駄目だよ。」
と言うから、
「私はそんなの言えません。」
と言うと、
「言っちゃって、いつも胃が痛くなるんだけどね。」
と言うから、一緒に笑って、でも、そんな真っ直ぐな人がいる事が、清々しくもあるのです。
自分の為だけに、正しく有りたい訳ではないのを、知っているから。

仕事上の付き合い…そう言えば、味気ないもののようだけど、一緒に、普通に話し合い、妥協する事もあるけれど、それでも正しいと思える方向を見失わず、一つ一つを大切に物事を進める事が出来るのは、本当に心地良いのです。

私がしている事は間違ってないんだって、思える人。

そんな風に、自分を肯定してくれる人がいる事が、これ程の安定感を生むことを知りませんでした。

大袈裟に言えば、誰かといて、初めて安らぎを感じたのかもしれません。

私の心に誰かが住む事は無いでしょう。
でも、私の引き出しの隅で、ひっそり暖かい何かがある…それで十分なのです。
それで、私は明日も走る事が出来る。
貴方が私を信じてくれた様に、自分を信じながら。




ラブレター後記

ラブレターって、難しいですね。
どの方向を向いたらいいのか?
これは、ラブレターになっているのか分かりませんが、これが私の精一杯でした。

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