ぽっちゃりボテロ
「ふくよかな魔法」と題されたフェルナンド・ボテロ展に行ってきた。
ふくよかとは、ボテロみんなまるまると太って描くから。人だけじゃないのよ、花だって楽器だってぽっちゃり。
若い頃、マンドリンを描いている時、最後に小さなサウンドホールを加えた。するとマンドリンがみるみるふくらんできたという。
彼はコロンビアのメデジン出身だが20歳まで住んだ故郷を愛しコロンビアをモチーフにした作品を多く描いたという。
“アートが普遍的であるのは、まずローカルでなければならないと私は信じている”
今回の展覧会で一番気に入ったは、《通り》と題する作品。狭い路地にはさまざまな出自の人々が各々の服装で行き交っている。スペインから来た白人の子孫、インディオ、アフリカから連れられた奴隷の子孫、もちろんメスチーソも、でももちろんそんなすぐに見分けはつかない。500年の混血の歴史の末だから。常に人と暮らす犬もいるよ。壁の色も同じくカラフルだ。その通りにはコロンビアの来し方が詰まってる。ふくよかだから窮屈に。彼らが彩なしてきた歴史には戦いも矛盾も当然あるが、ボテロが描く人物は皆無表情だ。観る者の先入観をのぞくために。
もちろんこの作品も写真を撮ったが、それだけボケてしまった。
この日は内覧会で写真撮影許可されけど、5月中の金曜、土曜夕方5時以降は全品写真オッケーとのこと。また行きたい。
以上