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【技術知見】NobaraOS(Linux/Fedora based)をインストールして、やや難儀する日本語入力設定を行って、Steamゲームの動作確認を行なってパフォーマンス特化型のゲーミングOSとして仕立てる方法。(ChimeraOS, Bazziteも少し書いてます)

▼前置き
Steamのゲームが特定の状況下でうまく動かない場合こちらを参照してください

前置きの前置き:SteamVRをLinuxで動かしたり、EnvisionVRを導入してWiVRnを動作させてLinuxでPCVRをする場合、私はNobaraOSをおすすめしません。それに関しては次の記事でNixOSのガイドを書きます。ただし、NobaraOSはゲーミング特化型OSとしては光るものがあるので今回記事を書きます。

デフォルトでインストールされているneofetchコマンドを打つとこのようになる。

こんばんは、最近毎日飲んでた脱モンエナが出来て、コカ・コーラがマイブームのゆえちゃんです。さて、PopOS(Ubuntu Based)→Manjaro KDE OS(Arch Based)→EndevourOS(Arch based)→Linux Mint Cinnamon(Ubuntu based)と流れるようにインストールして色々試してから、巷でゲーミングLinux OSなるまるでカーネルから実行しているようなパフォーマンスブーストを極端に狙うLinux OSのことを耳にしました。今回は色々OSを試した後に、NobaraOS(Linux/Fedora based)をセットアップするに至った経緯についてとりあえず簡単に説明します。導入手順について丁寧に解説していこうと思います。日本語入力環境セットアップも含みます。(私はPCVRをする関係で最終的にMonadoがNativeサポートのNixOSに行くことにしました)

ちなみにゲーミング以外ですと、初心者のLinux日本人ユーザーは仕事にも全然応用できそうなOS「Linux Mint Cinnamon Edition」が非常に馴染みやすいです。Ubuntuベースで、ほとんどGUIで完結する、ファイアーウォールのルールの追加は自動、なんとApp Storeもあります… (なぜこれをメインOSにしなかったかというと、動作に関しては可もなく不可もなくですが、ちょっと理由があります。)

※今回の導入手順を踏んで、何らかのトラブルが起きた場合、私は一切責任を負いません。OSをインストールする過程で全データが吹っ飛ぶ可能性もあるので、大事なファイルは絶対に外付けデータドライブにバックアップしてください。

▼前置き

PCにSteam Deck(ChimeraOS)って入れられるんだ…

ChimeraOS(Arch based) を試してみる
AMD環境にChimeraOS(公式にNvidiaサポートお断りみたいな漢らしい仕様)をインストールしたんですが、ぶっちゃけ内容はSteamOS(Steam Deckに搭載されているもの)でした。通常SteamOSはデスクトップ/ノートPCにはインストール出来るのですが、不具合が発生するため推奨されていませんでした。そこでChimeraOSです。合成獣(キメラ)とはよく言ったものです…。ただ、これはOSインストールの過程で一つのSSD(or HDD)内のパーティションが全部爆破される(フォーマット)ので色々とNGだと思います。(Windows11環境まで吹っ飛ばされました。)ただ、ゲームのパフォーマンス特化OSだけあって、Ryzen 5 ProなAPU(グラボなし)でもバイオハザードRE2の体験版の動作が…特に設定をいじらずにほぼ60FPSのぬるぬるの動作を維持していたのはびっくりしました…

検証用動画。

© RESIDENT EVIL 2 / CAPCOM All right reserverd

ただし、ChimeraOSはSteamVRを導入することができないみたいなので(Steam Deckでも同じエラーが出る)
SteamVRが実行できる環境下を探すことにしました。ちなみにChimeraOSはデスクトップモードにするとブラウジングができるのですが、サイトにアクセスするとngnixエラーが出るため、おそらくSteam Deckの仕様と準拠しているのだと思います。

▶続いてBazzite(Linux/Fedora based)を試しました。
Bazzite – The next generation of Linux gaming
これは比較的良心的な新しめのOSですが、色々な部分で良心的な作りでした。コミュニティがまだ比較的小さいため、いくつかの不具合の解決が難しく、アップデート次第では化けるかも?ということなので知っておいて損はないでしょう。OSインストールのセットアップが手動パーティションでやるとクッソ難しかったので、Wikiを参照してようやくインストール出来ました。それについては明らかに初心者向けではないです。(YoutubeでもよくみたらSteam Deckにインストールするものとされている。)

なので今回はデスクトップ回りのPC(ノートPCを含む)に最適なゲーミング特化OSを選ぼうとしました。(DLSITEで買った少しえっちなかわいい健全フェチゲームもやりたいですし…(?)
そこでNobara(Linux/Fedora based)です。
Nobara Linux | The Nobara Project
ゲーミングLinuxに関しては巷で噂を聞く限りではNobara has ruled(野薔薇がルールだ/Protonを作るのと同じ)と評判があるぐらいゲーミングに特化したOSなのですが、いかんせん日本語の記事が少ないため、今回これを書くに至りました。

前置きが長くなりましたが、これからセットアップ手順を書きます。

▼NobaraOS(Linux/Fedora based)のisoファイルのダウンロード。

Nobaraをダウンロード – Nobara Linux
まずAMD GPU/APUの場合はStandard枠のOfficial(Custom KDE)かKDEバージョンを選んでisoをダウンロードしてみてください。Nvidia GPUの場合は、Nvidia枠のOfficial(Custom KDE)かKDEバージョンを選びisoをダウンロードします。(Nvidiaドライバーがプリインストールされています)
以下情報ソース:

▼Winodws11で「コンピューターの管理」でSSD(or HDD)のDual Boot用のパーティションを手動で分ける。

>Windows11が最初にPCにインストールされているものとします。

スタートメニューから「コンピューターの管理(Computer Management)」を選択して実行します。初心者向けのDual Bootとしては、もし余力がある場合、Linux専用ドライブを用意するのがおすすめですが、私は一つのドライブにWindows11とLinuxを共存させることにしました。つまりパーティションを分けます。下手したらデータが飛びますが、外付けに全部バックアップしているので全然怖くなかったです。
私はWindows11をRufus経由でクリーンインストール時に一つのNVME SSDをフォーマットして、Windows11用のパーティション(130GB)と、Linux用のパーティション(125GB)を分けましたが、コンピューターの管理でもボリューム縮小を使えばおそらくできます。
[Windows 11/10] パーティション/ボリュームの作成、拡張、縮小、削除 | サポート 公式 | ASUS 日本

最終的にコンピューターの管理の記憶域で「未割り当て」の領域が120-130GBほどあれば十分にNobaraOSをインストールできます。次に移りましょう。

OSインストール時にこの未割り当てを残しておくのがポイントです。

▼NobaraOSのUSB Bootable Mediaを作成する。

isoをUSBでブートできるようにRufusbalenaEtcherなどを使ってUSBブートメディアを作成します。こうすることで、PCにUSBを指して、biosでブートメディアを指定して実行するとNobaraOSをインストール出来ます。

画像はBalenaEtcherのトップ画面。目的がシンプルです。Flash from fileを選んでisoを選択し、Select TargetをUSBメディアに指定して、Flashするだけ。

ここを見る人は結構な割合で技術オタクなので、おそらくみんな知っていると思うので使い方の詳細は割愛しますが、万が一作成したUSBブートメディアでGrubエラーが出た場合、別のPC(別のOSなど)でisoをUSBにflashした方がいいです。そうすると解決する場合があります。(例: Minimal BASH like line editing is supported. For the first word, TAB lists possible command completions. anywhere else TAB lists possible device or file completions. という小さめのターミナルが出て、reboot以外操作不能になる。ls -lなどで階層を漁り、grubを編集する修正方法を試そうとしてもファイルシステムでエラーが出てアクセスができない等)

USBメディアにisoをflashしてbootableメディアを作成できたものとします。

▶前置き:OSインストールのやり直しのために、BiosのBoot画面で使わない、アンインストールしたいFedoraやUbuntuがStuckしている場合の対策方法。

WIndows11でコマンドプロンプトを管理者実行で起動して、次のコマンドを打ちます。

bcdedit /enum firmware

するとぶわーっとリストが出るので…たとえばFedora(NobaraOS)を消したい場合、以下のようにします。

コマンドプロンプトでもマウスドラッグしてコピーが可能なので…

例に挙げるとこれがFedoraのIdentifierです。削除するときにこれを指定します。(新規インストールでまたランダムに設定されるので、これについては心配しないでください。)
たとえばこのFedoraをbiosのbootから消したい場合、以下のようにコマンドプロンプトに入力します。Identyfierの部分はコピペでおk。

bcdedit /delete "identifier"
例:bcdedit /delete {d5e2a793-cfc9-11ef-95d0-806e6f6e6963}

するとこの操作は正しく終了しました。と出ていればbootからの削除に成功です。

▶(その他2) コンピューターの管理の記憶域の不要なEFI System Partitionを消したい場合。

以下の操作をします。
How to Delete the EFI System Partition in Windows 10 or 11 | Tom's Hardware

▼作成したUSB Bootable MediaをPCに刺して、BiosからNobaraOS Setupを実行する。

Bios起動画面からUSB Bootable MediaをBootして、NobaraOSインストーラーを立ち上げます。
この画面になったら、矢印キーの上を押してStart Nobara 41を選択します。
インストーラーへようこそ。
インターネットに接続しているとYum Extenderがアップデーターあるよ
と通知を出してきますが、ここでは無視して、あとで一括でアップデートします。
適切なユーザー名とPC名とパスワードを入力。Reuse User Password As Root Passwordは
チェックを入れるとユーザーパスワードとルートパスワード(SUDOコマンドなどで使う)を
一緒のものにします。
パーティションの置換を選択。これが一番簡単です。
WInodws11でコンピューターの管理で空けた未割り当て領域を選択しておきます。
こんな感じになったらおk。
インストールはしばらくかかるのでコーヒーブレイクなどをどうぞ。

▶NobaraOSをインストールしたのにBootloader(Grub)が動作せず、そのままWindows11が実行されてしまう場合。

この動画の内容とトップコメントのピン留めが修正の役に立ちました。こんなTechな方法でEFIいじれるんすね。

▼Nobara OSで日本語入力環境を準備する(ibus-anthy)

この方の下記サイト様を参考にしたら、Nobara 41でも特に問題なく日本語入力出来ています。仕様上Fedora basedではmozcを使うのが難しいかもしれません…

▼Fedora basedでのSteam周りの不具合の修正(ゲームを起動できないなど)

Fedora based Linux、つまりNobaraOSではFlatpak版のSteamインストーラーが推奨されていました。(その他の方法でインストールするとうまく動作しなかったりします。)ここのガイドを参照したらAMD APUでも問題なく動作しました。(Steam実行時にいくつかのエラーが出ますが、問題ないです)

さて、解像度を変更するにあたって、Nvidia GPUマシンでは問題なく動作したんですが、AMD APU(グラボなし、つまりRyzen 5 ProのAPU)ではゲームのパフォーマンスを向上させるために1080pから720に解像度をダウングレードしようとすると…このように画面がグリッチを起こしてしまい正常に解像度を変更できないため、とりあえずESCキーを押してフルHDの解像度に戻ります。

ちょっとこういう画面見るとわくわくしますよね…

ここで行ったTweakはFSR[Gamescope](ありがとうGaben…)を使ってゲーム内の動作解像度を下げることです。

起動したいSteamゲームの起動オプションに…
gamescope -W 1920 -H 1080 -r 60 -- %command%
という感じに入力します。
私は720p解像度でパフォーマンスブーストを図りたいので
gamescope -W 1280 -H 720 -r 60 -- %command%
となります。
ただ、何故か私の環境では起動オプションにこれを仕込むとゲームが起動してくれなかったので、ターミナルから全部適応する感じでやります(苦笑

ぶわーーーっと処理を適応してくれるらしい

Gamescope検証動画。(720pだと、ほぼほぼ60FPS張り付いてます。OS特性でほとんどStutter(かくつき)ないです。(WIndows環境ではこうはいかなかった。)

© Lightning Returns FINAL FANTASY XIII / Square Enix All right reserverd

以上、NobaraOSセットアップ手順でした。
基本的にTerminalにコマンドを入力せずに、Nobara Package ManagerでプログラムをダウンロードしたりFlatpakを使ってアプリやドライバをダウンロードしたりします。Fedora Basedでは初心者はなるべくTerminalを使うのを避けて~とどこかで説明されていたと記憶してます(Super Userなら問題ない)

初めてNobaraOSをインストールした時、Bluetoothなどでエラーが出て接続できなかったりしましたが、Nobara Package Managerでシステムにアップデートをインストールしたら、無事に直ったため、Fedora BasedのOSは親切な部類でやりやすいです。(FedoraはPCが苦手なお父さん向けのOSと比喩されているMemeもあります…)

>ちなみにNobara OSでEnvisionVRをセットアップすると、まずビルドエラーが起きてしまいます、これをどうにか解決出来ても、VRアプリを立ち上げる時にQuestがPCVRに移行してくれないため、私はNobaraOSの利用を諦めました苦笑 (Linux VR Adventureコミュニティでも、Nobaraの単語が出ると…「げぇ、Nobaraか…」とみんな嫌なリアクションしてました。ゲーミングパフォーマンス特化型OSとしてはいいかもしれませんが、SteamVRやPCVRを使う人は別のDistroを選ぶ必要があります(私は次の記事でMonadoがネイティブサポートされているNixOSのガイドを書きます。)

以上、NobaraOSの導入ガイドでした、おつかれさまでした!

壁紙の設定で、新しいプラグイン>Shaderの壁紙をインストールして、
友達のPCと差をつけよう!

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