ときメモGS3をプレイして気づいた自分のセクシャリティと無意識下の抑圧の話

ときメモGSシリーズSwitch移植本当におめでとうございます!
私は3から入りましたが、1と2もやってみたい!!とずっと思っていたので今からプレイするのが楽しみです。1年ほど前に途中まで書いてあったものを思い出したので最後まで書いて置いておきます。

以下本題

タイトルの通りなんですが、思いの外自分の人生において重大な発見だったので覚書として残しておきたいと思います。世の中いろんな人間がいるんだなー程度にふんわり読んでもらえると幸いです。

一応の注意書きですが、私個人の体験と感想であり、私と同じ属性を持つ人は全員こうだ、というような意図はありません

まず最初に言っておくと、ときメモGS3めちゃめちゃ楽しいです。すごい、ゲームってすごい。
友人が設楽聖司さんにめちゃめちゃハマってるのをきっかけにどんどん興味が湧き人生初の携帯ゲーム機(PS Vita)とソフトを購入するまで至ったんですが、買ってよかった、やって良かった、ありがとう。

シタラーズに囲まれていたのと声優の推しが立花慎之介さんというのもあり、最初から設楽聖司ルート一直線でプレイしました。

芸術と魅力をコツコツあげ、毎月電話をかけてデートに誘い、クリスマスプレゼントを渡し、初詣に一緒に行き、バレンタインにチョコを作り etc…
1年目に楽しみつつ心の片隅で思っていたことは、「こんなに誘って迷惑じゃないかな?」ということです。
ただ、この時は設楽聖司という人間自体電話をかけてデートに誘うと「なんで」(デート可否によって声に差分があることを教えてもらった) いい感じにデートできたと思っても塩対応に「じゃ。」という感じにとても「ツン」なので、しつこすぎると逆効果なんじゃないかという自然な感情だと思ってそこまで気にしていませんでした。

その後も遊園地でダブルデートをして3回連続で設楽聖司さんと同じ乗り物に乗ったり、誕生日にプレゼントを渡したり、、、その辺りで気づいたこと、それは人に「好き」の気持ちをこんなにアピールしてもいいの?!という驚きでした。

ここで自分の話をすると、私は同性愛者で、かつデミセクシャルという、主に強い友情や愛情を持った相手に対してだけ恋愛感情や性的欲求を抱くセクシャリティの人間です。
初めてそうだと気がついたのは小学生の頃に、当時の親友に恋愛感情を抱いたことがきっかけでした。曖昧かつ楽観的な記憶ですが、彼女もおそらく似たような感情を抱いてくれていました。しかし、その後私はその子に対して遠慮がちになってしまい、疎遠になってしまいました。
その後も、親友と呼べるくらい仲良くなった人を好きになって、自分の好きの感情に勝手に申し訳なくなったり気まずくなったりして、離れてしまうというのを何回か繰り返して自分でも参ってしまいました。

私としては、同性を好きになることに対する後ろめたさなんていうものは一切なく、それはそういう性質でひとりひとり違うから正しいも間違いもないと真っ直ぐ思っています。昔も今も、世の中に対する生きづらさはあれど、自分のことを曲げようと思ったり、誤魔化そうとしたこともありません。

でも、ときメモGS3をプレイして初めて、もしかしたら同性を好きになること、友達を好きになることを気づかないうちに見せてはいけない感情として、自分自身を抑制していたんじゃないかということに気がつきました。
他の人にとってはもしかしたら当たり前かもしれませんが、私にとっては「好きだってバレそうなことをしていいの?!」ということが衝撃的だったのです。

そしてもうひとつの発見は、恋愛でも、友情でも、異性に対しても同性に対してでも、全ての人間関係はお互いの努力の上に成り立っているんだなということです。

呆れられるくらい当たり前のことだとは分かっていますが、人間関係に臆病になって、もうずっと1人でもいいかと思いがちな人間にとってはかなり意識を正されることでした。

異性愛者がマジョリティとされる世界を生きるのは、本当に心が折れそうになることがたくさんありますし、異性を好きになる人はすんなり行って楽そうでいいなととんでもなく卑屈かつ斜に構えたことを思ってしまうことも何回もあります。

ときメモGS3では自分の予定を考えて開けて、相手の予定を1回1回電話をかけて確認して、ときには断られて、デートのために買い物をしたり、相手が喜ぶことを考えたり、時間もお金も頭も沢山使います。人と関わるということは、楽なことだけじゃなくて、お互いが努力して、ときには気をつかったり、傷ついたりしながらも諦めないでその人と付き合っていくことなんだなということに気がつくことができました。

私は、人と関わることを諦めることで楽をして、ずっと自分が傷つかないように生きていたんです。

設楽聖司ルートをプレイした人は分かると思いますが、何回もデートに誘って、ある日初めて「デレ」てくれたときの喜びって凄いですよね。あのものすごい感情を経験してほしいという理由で人に勧めたくなります。

ときメモGS3は恋愛シミュレーションゲームですが、主観でキャラクターとの恋愛を楽しむというだけに留まらず、プレイした人にとって大切なものを教えてくれるようなゲームなのではないかと思います。
これから、少しずつ人に対して心を開いて、関わりを持って生きていけたらいいなと思っています。

ここまで自分語りかつごちゃごちゃした文章を読んでいただきありがとうございました。どんなジャンルにもいろんな人がいるんだなと感じてもらえたり、クイアの人に1人じゃないんだなと感じてもらえたらいいなと思ってます。

とにかく言いたいことは、ときメモGS3という最高のゲームに出会えて良かった!ということです。設楽聖司さんのスチルもエンディングも全然回収できてないですし、他のキャラクターもまだ深く知らないので、まだまだ楽しんでいきたいと思います!