アニメ『君は放課後インソムニア』第6話「走り星」星の名を読み解く
この記事の趣旨
アニメ『君は放課後インソムニア』のサブタイトルの星を読み解く|ゆえ|note
アニメ『君は放課後インソムニア』第6話のサブタイトルは「走り星 流星」だった。
ペルセウス座流星群観測会の準備のために走り回る様子が描かれたので、納得感のあるサブタイトルだと思った。
流星とは
流星(流れ星)は、正確には「星」の一種ではない。
「流星物質」と呼ばれる小さな天体(塵・ダスト)が、地球の大気に突入し、発光する現象のことだ。
特に明るいものは「火球」と呼ばれる。
流星群とは
時々、流星が多く降り注ぐことがあり、「流星群」と呼ばれる。
「ダストトレイル」と呼ばれる、彗星や小惑星が放出した流星物質の帯が、太陽の周りを公転しており、その軌道と地球の軌道が交差するタイミングが、流星群の時期となる。
ペルセウス座流星群は、「放射点」がペルセウス座に位置していることから命名されており、放射点とは、流星群に属する流星(群流星)の空での経路をたどったときに「ここから飛び出してくるように見える」点のことである。
流星群を見たいからといって、その放射点を見ている必要はない。
流星群の極大期に夜空全体を眺めていれば、空のどこでも流星が流れる可能性は高く、むしろ放射点から離れたところの流星のほうが光る経路は長い。
走り星について
「走り星」という呼び名は、静岡県や福井県など一部地域に伝えられているものだ。
他にも各地で様々な呼び名が伝えられている。
「夜這い星」は、清少納言『枕草子』の一節にも登場する呼び方で、男が女のもとに通う婚姻と同様のことが星空にもあるという考えだろう。
空に走り星を見てみよう
普段から流星は空に流れているのだが、頻度が低いので、実際に流星を見ようと思ったら、流星群の時期に空を見るのがおすすめだ。
2023年のペルセウス座流星群の極大は、8月13日17時頃と予想されているので、8月11日~14日頃の夜間に、じっくり夜空を眺めていれば、流星を見られる可能性は高い。
目を暗闇に慣らすためにも、最低でも15分は明るい光を見ずに観察を続けてみよう。
安全な場所でレジャーシートに寝転んだり、背もたれのある椅子に座ったりすると、楽に見られるだろう。
あまりキョロキョロせず、星空のどこかをぼんやり眺め続けて、気長に待っていれば、きっと走り星に出会えるはずだ。
参考文献
北尾浩一 (2018) 『日本の星名事典』 原書房