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美術館日記[28]色々2007②
*この記事は過去に行った展覧会の感想をnoteにまとめ直しているものです。
現在行われている展覧会ではありません。
基本的に当時のものをそのまま書いています。
もはや登場する作品はおろか展覧会自体の記憶があやふやなものもあります…
太字のものは過去の私への現在の私からのコメントのようなものです。
岡倉天心-芸術教育の歩み-@東京藝術大学大学美術館2007.11.2
天心と東京美術学校
天心の理想
芸術教育の現場
芸術と社会
理想は彼方に
岡倉天心て不思議な存在だよなって思う。
物語を書いたり、かの有名な「茶の本」を書いたりしてはいるけど本人がアーティストってわけでもなく教育者として「岡倉天心」に焦点を当てるだけでこんなに面白い展示ができちゃうだけのことをしているのがすごい。
今回の展示は天心がいた当時芸大でどのような教育がなされていたのかとか、
そこにはどんな作家がいたのかとかを紹介するものだった。
今の大学生と昔の学生の打ち込み方の違いなどに色々思う。
芸術というか物を作ることへの情熱が違いすぎる。
卒業制作の質の高さとか。
才能というよりも指導の仕方、日本をしょってたたなくてはいけないんだぞという気概みたいな物が教える側にも教わる側にもあることがひしひしと伝わってくる。
ひとりで物を作って生きていけるように育て上げていて、今の学校の卒業するまでは面倒見るよ〜という姿勢とは全然違うなと思った。
岡倉天心の書いた「白狐」という話でボロボロ泣いたことがあります。
しかも3回ぐらい読んで毎回泣いた。
The Jewels of TIFFANY@東京都庭園美術館2007.11.8
フランク・ゲーリーがデザインしていたことも知らなかったし、食わず嫌いだった宝石の展示のイメージにもティファニーに対して抱いていた印象にも裏切られた。
ただきれいな物を並べてるだけでしょなんて思っていたけど、よく考えたら宝石こそ人に受けなきゃいけない物なのだから、当然その時その時の人たちに愛されるように作っていてすごく時代を反映している。
ジャパニズムとかアール・デコのスタイルをティファニーらしくいかに取り入れるかとか見ていて楽しかった。
今回の展示は年代順にジュエリーを並べるもので、一番正解な展示方法だったと思う。
ジュエリー、装身具以外にも銀器、高級雑貨もいつか見てみたい。
POP ART 1960's-2000's@八王子市夢美術館2007.11.9
1960-70年代ポップの時代/リキテンスタイン、アンディ・ウォーホル、エドワード・ルッシェ、ジェームズ・ローゼンクイスト、ジム・ダイン
ポップ精神を受け継いで 1980'sの新しい絵画/ディヴィッド。サーレ、ジョン・バルデッサリ、ケニー・シャーフ、バスキア、キース・ヘリング、キャロル・ダナム、ピーター・ハリー
多様化する絵画1990's-2000's/ジョン・ニューソン、マイケル・ヴィラクア、ジェニファー・リーヴス、デニス・ホリングワース、ピーター・ケイン、リサ・ライター、マリーナ・カポス、ケヴィン・アベル、パメラ・フレイザー
デニス・ホリングワースとウタ・バースの「in passing…」が良かった。
ポップアートというくくりかたもよくわからなくて、でもそれがわからないくらい自分がポップアートについて知ってるつもりなだけなんだなと思った。
1970年代のインスタレーションから1980年代の「描くことの復権」ていう揺り戻し興味深い。
キャロル・ダナムの「メッセンジャーを撃て」の撃つ意思のない銃とか全体的にどこかユーモラス。
マイケル・ヴィラクアの映画、TV、音楽、ファッション、アートからイメージを集めてきてるのポップアートの正統って感じがした。
ジェニファー・リーヴスのミニマリスムとかの批評のエッセンスを台詞として描き入れるのも今だからできることで面白かった。
何この豪華なメンツという展示ですが、記憶がうっすーーーらとしかありません…。そして1990年代に展示されてるアーティストが全然わからない…。名前から察するに女性アーティストも結構展示されていたようで、もっとちゃんと覚えておきたかった…。不勉強ですね。それか諸行無常的な話なのか…。
ベルト・モリゾ展@損保ジャパン東郷青児美術館2007.11.16
ベルト・モリゾは日本で人気があるのに初の回顧展らしい。意外。
女性(年齢層高め)が多かったのがベルト・モリゾらしいとなんとなく思う。
男性社会の中に入っていこうとしていなくて「ぶつかっていくんじゃなくてかわす」(働きマンの野川由美的な)印象。今思うとかわさなくちゃやっていけなかったんじゃないかとも思います。
好きだけど構図が決まってないように感じる作品がちょこちょこあって後で常設展示のゴッホの「どーーーん!!」って感じを見るとホッとしてしまう自分がいる。
ベルト・モリゾに関して全然知らなくて楽しくみて回る。
ただ、いきなりジュリーの頭部やパレットが絵画と一緒に展示されていて驚く。
どこに展示すればいいのかわからなかったのかな?という印象。
作品の全てと言っていいぐらいほとんどが「個人蔵」だった。
誰のもの?1人で所有してるの?所有しているのはどこの国の人?
これだけたくさんのものが個人蔵だということは日本だけでなく海外でだって彼女の作品がそうやすやすと見られないことになるけど、そうなると海外での評価はどうなんだろう?
「夢見るジュリー」がすっごくきれいだった。