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「ナラティヴ・ラボ」とは

わたしたちは2018年の「てにておシアター ラジオドラマプロジェクト」の発展形として、2022年12月より「ナラティヴ・ラボ」を立ち上げます。

コロナ禍以降、多くの若者が様々な理由・環境により分断され孤立する状況が深刻化しています。
包括的な若者の心理的安全性を確保できる場、そして共通な課題や悩みを抱えている人同士が出会い、エンパワメントされる場の必要性を強く感じます。

ナラティヴ・ラボは多様なバックグラウンドを持つスタッフ・参加者が集まり、対象者に応じ楽しみながら自立につながる教育プログラムの実施や個別カウンセリング、居場所や仲間づくりの場の機能などを通じて、若者が安心して生活し社会で活躍するための環境を整備することを目的に活動します。

ナラティヴって?

「ナラティブ」は語り手自身が紡いでいく物語です。口述で変化(時の流れ)と説明(事象の報告)を含んだ生活・人生・生き方の物語であり、自己の世界観を読み解く物語です。

さまざまなプロジェクトを楽しみながら自分の心の動きを把握し内省しつつ、対話によって他者に自分の心の内を表現する。この一連の動きが正のスパイラルを生み、自己の物語として思考が整理されます。これこそがナラティブの意味なのです。そして、抱えている問題がナラティブによって別の解釈に置き換えられ対処が可能になったり、思考のイノベーションが生まれたりするさまざまな効果があります。

参加者の交流と、ナラティブのプロセスをDST(デジタルストーリーテリング)によって行うのがナラティヴ・ラボの最大の特徴です。

DST(デジタルストーリーテリング)

デジタルストーリーテリング(DST)は複数の国内大手企業の社員研修や学校での実施で成果を上げるなど老若男女様々な立場の人に有効な人材育成プログラムとして注目されています。内容は

①プロジェクト参加を通して自分の心の動きを記録し
②参加者同士やファシリテーターとの対話を通して文章にまとめ
③文章を自分の声で録音し
④録音した音声に静止画を付けて動画に仕上げる
⑤動画を上映会でシェアする

というもので、グループでの対話、ファシリテーターとの個別の対話、そして自己との対話が組み合わされています。他者との関わりの中で自己の物語を構築していくことが重要です。動画制作のプロセスで自分の制作物を客観視し、スタッフとの対話によって「課題の外在化」「反省的な質問を通して例外的要素に気付く」ことがなされ、内省が行われることが繰り返されます。また対話で自分の心の内を表現し、再び内省する。これら一連の行為が自己の世界観を構築し、思考が整理されます。

また、簡単な動画の作成方法やオリジナルの画像作成方法も学ぶことができるので表現のスキルも高められるというメリットもあります。

DSTは参加者の潜在的な創造性を刺激し、ナラティブにより自己探究・自己理解・自己表現を重ね他者と共創する心を生み出します。
ナラティヴ・ラボは共創のマインドで社会の中で居場所・役割・他者との繋がりを自覚しながら活躍できる若者を育成します。

今回はラジオドラマ(オーディオドラマ)ではないプロジェクトからスタートします。
それは世界のドキュメンタリー映画を観て語り合う「ダベリバシネマ」とゲーム感覚のアクティブラーニングを毎週交互に実施しながら進めていきます。
参加条件など詳細は追ってお知らせします。

さあ、スタートです。

短文説明
「ナラティヴ・ラボ」は自己探究・自己理解・自己表現のための活動です。
さまざまなプロジェクトを楽しみながら、ナラティブのプロセスをマルチメディア使用のDSTで実現します。


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山本卓司(ナラティヴ・ラボ/岐阜開成学院)
少人数の隠れ家的居場所にしたいので、副業しながらなんとか教室を維持しています。サポートいただけたら大変嬉しいです。収入は運営資金として活用いたします。

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