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就活目線で見る金融機関Vol.2

就活目線で見る金融機関の続きになる。

アセットマネジメント

投資家から集めた資金を元手に主にセカンダリー(流通市場)に対して投資をしている会社になる。わかりやすく言うと運用会社。皆さん投資信託という商品をご存知だろうか。あれは通称アセマネが世に送り出している。アセマネにも大きく分けて二つの部隊がいる。一つ目は名前の通り運用部隊。商品を作り、マーケット環境を鑑みて運用商品の採用銘柄を増やしたり、また減らしたりしながら自社の運用商品が他社の運用商品よりアウトパフォーム(いい利益を出せるように)日々マーケットと対峙している。二つ目は営業部隊。営業部隊は個人の投資家に営業するのではなく、証券会社や銀行の営業マンに対して営業活動を営んでいる。銀行、証券の支店や支社に出向き、当社の商品をもっと個人投資家に販売してくださいと頼みに行く。そこで勉強会なんかも行ったりする。新卒でアセマネに入るのはありだと思う。しかも外資系アサマネだと雰囲気もそこまで殺伐としてなくててもサラリーもいいし、悪くないと聞く。基本日系アセマネなら銀行、証券、保険会社の傘下に存在している。要は子会社やグループ会社としての立ち位置。外資ならブラックロックなどの独立した運用会社も存在する。運用領域に興味がある人材は銀行なんか就活で受けずにアセマネ一択でいいと思う。ただ採用人数は少なく、学生時代に証券アナリスト等の難関資格を取得している強者も受けにくるので入社難易度は高め。それと近年アセマネという業種自体のビジネスモデルの変革期であり、外資ならリストラ等のネガティブイベントが発生する可能性もある。ネット証券の普及やフィデューシャリー・デューティー(顧客本意な営業)の影響で運用商品の手数料率が年々減少下している。そのためアセマネ各社は手数料率を出来るだけ下げて商品を販売するようになってきている。アセマネの収益源である運用商品の手数料率が年々低下していく傾向が続くのなら業績は言わずもがなである。

証券会社(総合職)

学歴は上から下まで総なめであり、基本一部の人材以外は支店配属(リテール営業)になる。その後スーパーセールスと呼ばれる営業成績が突出した人材や高学歴・難関資格取得層は本社部門へと運良く異動になるのが一般認識である。特にリテールは実力主義な文化であり、営業成績でボーナスが上下する。調べると二十代後半で年収1000万プレーヤーも存在はしている。平均年収なら高いことは事実であり、大手なら新卒で月給24万〜27万くらいである。運良く本社に行けるのであるなら、大手証券会社の本社部門なら大概の部門をカバーしており、案件のスケールも大きいので悪くはない。ちなみに私が知っているリテール出身の方のことを少し書くと旧帝国大卒→大手独立系証券リテール営業→機関投資家営業→(多分)海外支店勤務→外資系証券といった経歴だったと記憶している。個人的な意見になるのだが、金融に携わりたいと考えているならあまりお勧めしない。なぜなら最初の数年間はリテール営業からスタートである。営業がしたいなら話は別で正解だと思う。要はあなたの志望動機次第であると言える。

投資銀行(日系・外資系)

投資銀行含め、証券会社(リテール営業以外の部門)に関しては今度別の記事で言及したい。給料はいいし、そこそこ専門的な知識は身につくが人生を仕事に捧げる覚悟はあるのかいとお尋ねする。いざやってみると大変。いくらお金を稼いでも使う時間がない。使う相手もいない(私だけなのか、、、)。

ヘッジファンド

この辺りから名前だけは聞いたことあるが、実際何をやっているところですかと、頭の中がはてなの方も多いと思う。まずイメージで言うと、先程出てきたアセマネ(運用会社)の進化版だと思ってほしい。ヘッジファンドはほとんどが運用会社である。そして彼らの大義名分はどんなマーケット環境でも絶対に儲けますよである。それを絶対収益と言う。そのため空売りやオプション取引のようなものを駆使し、リーマンショックが起きようが何が起ころうが絶対に顧客と約束した利益を追求する。ちなみにヘッジファンドの顧客は、世界の超富裕層や大手金融機関また大学や宗教団体などである。要はプロ投資家が顧客になる。そしてなんといってもヘッジファンドの魅力は莫大な報酬金。例えば100億運用してると仮定して、年平均20%確実に増やすことが報酬の条件とする。報酬は運用での利益から20%もらうことにする。結果運良く条件をクリアすると最低4億円がヘッジファンド側のポケットに入るわけである。大企業化すると報酬の取り分が減る観点からも、マーケットに勝ち続けることができるプロ中のプロが、小中規模で運営をしている。だから彼らとの遭遇率は比較的低くなる。そしてどんなプロでも結局は人であり、マーケットという資本主義が作り出した化け物に敵うわけがない(個人的見解)。パフォーマンスが悪ければそのヘッジファンドは淘汰される(潰れてしまう。)栄枯盛衰的な側面が強いが莫大な報酬からヘッジファンドは運用会社マンや外資系証券マンの最終進化先の一つである。ポケモンで言うとカメックス、リザードンにあたる。朝から晩まで上司にこき使われている4年目の私は精々ゼニガメレベル10くらいである。まだまだ先は長い。

プライベートエクイティーファンド

これも我ら投資銀行マンの憧れの職場である。PEファンドは主に倒産しかけた企業や割安な企業を買収して,実際にその企業を運営し、企業価値を高めて売却することを生業にしている。時にハゲタカと揶揄される。ここも少人数精鋭で、基本海外の難関MBA持ちのような煌びやかな経歴の方が多く在籍している。PEファンドは企業価値の算定を得意とする投資銀行的な人材と、企業価値向上を得意とする戦略コンサル的な人材が在籍している。そのため投資銀行かつ戦略コンサルを経験していると、ここに辿り着ける可能性が高くなる。魅力としては億越えの報酬はもちろんだが、企業買収からイグジット(売却、上場)まで担当することができ、単純にインタレスティングだと思う。セコセコ顧客の提案書を作り続ける投資銀行より刺激があるだろう。羨ましい限りである。ここを新卒で入るのは難易度が高いというかあまり聞かない。PEファンドを目指す学生に関しては戦略コンサルや投資銀行にいくことをお勧めする。

総括

なんとなくだが各金融機関の概要を理解していただけたなら幸いである。これは私が人から聞いたり、自分で調べたらして記載しているのでそこまで事実と乖離してはないと思う。しかし万一情報が間違えている場合に関してはコメントをいただきたい。ここには書いてはいないがまだまだたくさんの金融機関が存在する。M&Aを専門的に行なっている企業もある。近年IFAというブティック型の富裕層を相手にしたアドバイザリービジネスを提供する会社なども力をつけてきている。もし学生が金融機関を希望するなら一体あなたは何をしたいのか、自問するべきだと思う。営業なのか運用なのか、はたまた企業再生事業なのか。そこをわかった上で採用に臨むと内定の可能性も上がると思うし、入ってからのギャップが少ないと考えられる。これにてこの記事は終わりにするが、もし質問が有ればコメントしてほしい。


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