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就活目線で見る金融機関

近年就活のやり方が変わっていく中、学生たちから人気な企業はあまり昔から変わらない。基本五大商社、外資系コンサルファーム・メーカー、投資銀行、あと大手広告代理店その辺だと思う。ただ最も多くの学生を採用し、同時に学生が就職する業界は金融機関だと思う。直近だと採用人数は徐々に減ってきてはいるがまだまだ金融機関は毎年大量に学生を雇い続けている。そこそこな大学の学生なら就活が始まったと同時にメガバンクの採用担当者から自分の携帯に電話がかかってくる。〇〇さんうちの銀行興味ありましたらリクルーターつけますよ、てな内容でだ。殆どの学生は、リクルーターがついてくれるならありがたい、しかも無料で書類の添削や面接対策までしてくれるとはなんと素晴らしい、とニンマリしながら喜んでお受けしますとリプライする。ただより怖いものはない、昔母親から教わったにも関わらず、、、

そんなかんだで採用担当者は学生に喰らいつき、結局メガバンクや地銀、証券会社(総合職)に大量に学生が就職していく。話がかなり逸れたが、言いたかったことは優秀な学生たちが金融機関へ大量に入社し、そして退職している。そこで思うことが果たして金融機関に入社することは正解なのかどうなのか。人にもよるし、会社にもよるのだがあくまでも個人的な意見としてここで書かせていただく。就活生はぜひ参考にしてほしい。できる限り事実に基づいて書くようにする。

銀行(メガバンク)

メガバンクには大量の学生が毎年就職する。基本学歴はマーチ、関関同立以上。それ以下もいるがマイノリティ。一部を除き基本東大卒だろうが慶應卒だろうが関係なく支店勤務になる。私の友人も数人メガバンクに入行した。一名を除き殆どが支店勤務になっていた。ただメガバンクは学歴が明確に出世や希望部署への異動に作用する。そのため学歴が早慶以上なら希望した部署や首都圏の店舗に配属される可能性大。正直それ以下の学歴だとなかなか厳しいと感じる。何が厳しいかというと金融機関でありながら営業しか経験できない可能性がある。要は学歴が突出していなくても英語のスキルや難関資格を取得しているなら話は別だが、本社部門(金融専門職)に配属される可能性が小である。金融機関にいながら金融の核に携われないのは残念である。市場価値も自ずと高くはならない。ただ営業(支店勤務)でも課長、支店長、部長になると年収は余裕で1000万を超えるのが通常認識である。なので、年収は悪くない。一方本社部門に配属されるとやっと金融業務を嗜むことができる。私がやっている証券化業務に関してもメガバンクなら専門部隊があり、一緒に仕事をする機会があるが皆さんすごく優秀だと感じている。海外にもブランチがあり英語のスキルが有れば海外への異動も高確率であり得る。ちなみにメガバンクにも投資銀行部門がある。証券会社に比べるとやはり規模と角が落ちるが出世部署だと聞いた。(聞いた話なので定かではないが、、、)。話をまとめると、金融の面白さを味わえるという観点なら、学歴が早慶以上、またマーチ以上でも英語のスキル(目安はTOEIC 900点後半を指す)や公認会計士、USCPAなどの難関資格を持っているならメガバンクへの入行はありだと思う。それ以外の学生なら、僕はどこの僻地に飛ばされても銀行に心臓を捧げることができると自負している人材なら大丈夫。あなたはその勢いで支店長になれる。別に社会的地位も低くはないし、年収も悪くない。何より幸せならOKである。

銀行(地銀)

私なら行かない。あくまでも私なら。たしかに事情があり地元で就職したい等理由が有ればそれは仕方がない。ただ年々地銀の数は減っている。銀行そのものが斜陽産業だが、その影響が1番大きいのは地銀だと考えている。なぜなら地方は人口減も相まっている。ただでさえマイナス金利の影響で苦しいにもかかわらずだ。とはいえども社会的には必要な金融機関である。地方にはたくさんの方々が生活しており、これからも生活を営んでいく。地方の生活や経済を支えている当然メガバンクではなく地方銀行である。なのでどうしても地銀という方は第一地銀ならいいのではないのかなと思う。年収はメガバンクと比べるとスケールダウンするイメージであり、学歴に関して上は東大から下はあまり名前を聞かないような大学までいると聞いた(関西の地銀に勤めている友人より)。

信託銀行

信託銀行の存在は知っていても実際何をやっている銀行か皆さんご存知でしょうか。現金以外の資産を預けている銀行だと認識していい。例えば不動産、相続関連で言うと遺言、年金資産、あとは証券代行業務と言って株主名簿の保管から株主総会の運営までやっている部署もある。ちなみに日本では証券化業務も強い。基本は住宅ローンや割賦債権等、金銭債権の証券化をメインとしてやっている。銀行でもメガバンクのような商業銀行とは違い専門性が高い。故に学歴に関しては、気持ちメガバンクより高学歴の比率が高いように思う。リテール(支店勤務)や大手法人の営業部門もあり営業人材も一定数いるが金融専門的な部署も多いためおすすめだと考えている。しかも給料も高い。ただいろんな人に聞くとやや官僚的だというコメントが多いので文化に関しては日本的でドメスティックだと認識している。

保険会社(損保・生保)

ビジネスモデルは言わずもがなである。結論からいうと入社するのは結構ありだと考えている。まず大手生保・損保だと倒産する確率はかなり低い。リーマンショックの時にもアメリカ政府は投資銀行には公的資金を最後投入せず倒産させたが、大手生保AIGが潰れるとなると即公的資金注入を決めた。アメリカと日本とでは保険の社会的システムが少し異なっている点はあるが、それでもリーマンブラザーズは潰れてAIGは潰せなかった。もしAIGが潰れていたならアメリカが潰れていた。それくらい社会的に重要なインフラを担っている。損保に関しては正直知り合いが少なくあまり情報がない。生保に関しては営業(生保レディー)と生保レディーを束ねる支店長(そこそこいい大学出身で、三十歳前くらいに支店長になるイメージ)、そしてオープン職の3つに分かれていると認識している。大学生なら支店長候補のグループか、内勤の総合職かどちらを選ぶかだと思う。支店長候補のグループは年収は1000万超えると思うが、営業成績は一生後をついてくるし、紅一色の生保レディーの方々を束ねることはなかなか大変だと思う。私はできない。一方総合職の方は個人的に面白いんじゃないかと思う。特に面白そうな部門は運用部門だと思う。生保・損保共に最大の機関投資家である。彼らはお客さんから預かった資金を運用して増やしている。そして保険会社と相対となって提案をしているのが証券会社であり、マーケット部門の機関投資家営業部隊である。保険会社の運用部門はマーケットについて仕事を通して勉強できる中、彼らはバイサイドなので証券会社の人間のように営業成績を気にすることはない。こちらとしてはいいなの一言に尽きる。そしてもちろん年収は悪くない。保険会社の社員さんはぜひ運用部門を経験してみてはいかがでしょうか。最高らしいですよ(私の弟より)。

長くなりすぎたので次の回で、アセットマネジメント、投資銀行、ヘッジファンド、プライベートエクイティーファンド、その後総括で終わりたいと思う。少し上からな文章かもしれないが、金融機関で仕事する身としては全ての金融人材に尊敬の念を持っている。金融機関は人々の生活を支えている。しばしば不祥事やアクセス障害によるATMの利用停止等があり、また前時代的な業種の筆頭として上がってくることがありネガティブな意見も多く見受けられる。たしかに反省しないといけない点もあるが、それでも人々の生活を根本で支えているのは金融機関である。例えば銀行なら、給料は銀行口座に振り込まれ、その資金で企業は融資を受けて成長する。電子マネーに勢いがあるとはいえ、結局は銀行口座と紐ついている。また、いつの時代になっても人々は保険に入る。なぜなら保険は自分が何かあった時、大切な人が困らなくていいようにするためのリスクヘッジなのだから。大切な人がこの世からいなくならない限り保険には需要がある。是非この拙い文章を読んでいただいた金融人材は胸を張って仕事をしてほしい。そして学生たちは是非金融業界の門を叩いてほしい。あ、金儲けのことしか頭にない投資銀行はいらないかもしれません(笑)*個人的な見解です。

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