商品の前にセールスページを作るべき深い理由



はじめに

 ビジネスを始める際、多くの人が「まず商品を完成させよう」と考えがちです。ぼく自身もかつては「いい商品さえ作れば自然に売れるだろう」と思っていました。ところが実際には、商品を作ったあとに「誰に、何のために売るのか」を考えても遅いことがほとんど。

なぜなら、本当に求められていない商品を一生懸命作ってしまう可能性があるからです。そこで今回のポストでは、「ビジネスは商品の前にセールスページ(販売ページ)を作る」ことの重要性と、そのメリットについて深掘りしていきます。

1.なぜこのポストをしたのか

 ぼくがこのポストをしたきっかけは、商品の開発に大きな時間と資金を投下しながら、いざ販売しようとしたらまったく売れなかったという残念な事例を目の当たりにしたからです。彼は自信作を完成させたものの、「誰にとって価値があるのか」「具体的にどんな課題を解決するのか」を十分に検証しないまま突き進んでしまったのです。

 そこで改めて気づいたのが、「需要を検証する前に商品を作るのはリスキーだ」ということ。逆に先にセールスページを作り、「どういう層に、どんな価値を届けて、いくら支払ってもらえるか」を明確にしてから商品作りをすれば、無駄な時間と資金を省けるし、成功率も高まる。──そう考えて、このポストをしました。

2.セールスページを先に作るメリット

 それでは、具体的にセールスページを先に作るとどんなメリットがあるのでしょうか。大きく分けると、次の3点が挙げられます。
1. 需要を明確化できる
セールスページには、「誰の」「どんな悩み・課題を」「どのように解決するのか」をきちんと書き込む必要があります。これを整理する段階で、「本当にニーズがあるのか?」「ターゲットは正しいか?」などを見極められます。
2. 価格設定がしやすい
セールスページを作る際には、商品やサービスの内容と合わせて価格も提示します。その結果、「この内容ならいくらが妥当なのか?」を考えながら、ターゲット顧客の支払意欲を想定できます。もし「この価格だと買ってもらえそうにない」と感じるなら、商品の中身を工夫したり、価格を調整したりして最適化しやすいです。
3. 短期間で市場テストできる
完成前の段階でセールスページだけを試験的に公開し、「この商品(またはサービス)に興味ありますか?」と問い合わせを募る方法があります。興味を示す人がいれば、すでにある程度の需要が見込めるというわけです。仮に反応が薄くても、修正すべきポイントが明確になるので大きなリスクを負わずに改善を繰り返せます。

3.具体的な行動プラン

 では、「まずセールスページを作ってから商品を作る」手順を、もう少し細かく見ていきましょう。ぼくが提案する行動プランは以下のとおりです。
1. ターゲットと課題の明確化
• 「どんな人」の悩みや望みを解決するのか
• なぜその課題を解決する必要があるのか
• 競合サービスの有無や違いはなにか
ここを丁寧に考えておくと、セールスページで伝えるべき内容もクリアになります。
2. セールスページの骨組みを作る
• タイトル:ターゲットの興味を引く、あるいは悩みに刺さるキャッチコピー
• 課題の提示:ユーザーが抱える痛みや困りごとを具体的に書く
• 解決策の提示:自分の商品やサービスが、どのように課題を解決するのか
• ベネフィットの強調:ユーザーが得られる具体的なメリットや成果
• 社会的証明や実績:もしあれば導入事例やレビュー、数字データ
• 価格:サービス内容に見合った値段提示
• アクションボタン:購入や問い合わせへの誘導
これらの項目を先に固めることで、商品をどのように作るかが自ずと見えてきます。
3. 仮のサービス内容を元にマーケットの反応を確認
• ランディングページやSNSなどで発信してみる
• 興味を示した見込み顧客の数をチェック
• 価格帯やサービス範囲を見直し
こうして得られたフィードバックをもとに、商品づくりを実行していくと失敗リスクが低減します。
4. 商品・サービスをブラッシュアップ
反応を見て、「もっとサポートが厚いほうがいいのでは?」「導入部分だけを切り出したプランが必要かも」など、いろいろとアイデアや修正点が出てきます。それらを繰り返し改善することで、ターゲットに本当に求められる商品内容へと仕上げられます。

4.ぼく自身の体験談や思考プロセス

 以前、ぼくが定額制サービスを作っていた時の失敗談を少しだけ紹介します。サービスの質に自信があって、「これを作ればそこそこ売れる」と思い込み、1ヶ月くらいかけて商品を完成させました。しかし、いざ販売ページを作ろうとしたら、「そもそも誰が欲しいんだっけ?」「どんな悩みを解決する商品だった?」と自問自答する羽目になり、要するにターゲット設定が曖昧で商品構造も把握しきれなかったんです。

 結果として売上も伸びず退会率が最大で月20%にまでなりました。それをきっかけに学んだのが「先にセールスページを作る」という手法です。

最近ではまずはページやセールスレターを作成し、そこから本当に需要のあるサービスかを再検討したり、AIに客観的なアドバイスをもらいながらレターを作り込むのに1ヶ月。そこからレターに沿った商品を作っていくようにしています。

5.まとめ

 商品やサービスを作る前にセールスページを作ることは、いわば「企画書を先に仕上げる」ようなもの。誰にとってどんな価値を提供するのか、いくらなら買ってもらえるのかを事前に明確にしておくことで、需要にマッチしたビジネスを展開できる可能性が高まります。

 もちろん、完璧なセールスページを最初から作り込む必要はありません。仮ページでもいいので、ターゲットや提供する価値、価格感をしっかりと考え抜いて、ある程度の形にまとめる。そのうえで実際に市場へテストし、フィードバックを得ながら徐々に洗練させていけばOKです。

 ぼくの経験上、この方法を意識するだけでも商品づくりの迷子になりにくくなり、同時に顧客の反応をしっかり確認しながらビジネスを育てられます。もし「アイデアはあるけど、どうやって形にすればいいか分からない」と思っている人がいたら、まずはセールスページの構成をざっくり作ってみてください。

それによって商品コンセプトが明確になり、開発のプロセスもスムーズになります。


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