<Vol.6>未来を不安に思って、今、躊躇することは無駄だ
今回は採用の話です。
よく外国人を採用するにあたって、3年後は日本にいるつもりですか?という質問をする人が多い。当然、長く働いてもらえることが、採用の段階で目処が立っている方がいいのは間違いないが、正直言うとほとんど意味がない質問である。
この質問で言うと、別に日本人でも同じ話である。が、しかし外国人については特に懸念する事項として考えられることが多い。
データをみても、自身の経験を思い返しても「いずれ自国に帰るんでしょう?」というイメージを強く抱いてしまうからだ。
実際に社会人になった外国人の声を聞くと、懸念していたものと現実は全く違うということです。
最初にネガティブな話をすると、正直、会社のネームバリューや採用時の面談等で入社したいと思って入ってくれたとしても、もし合わないと思ったら、残念ながら1年も経たずに退社してしまうことも普通に起こっています。
正直、3年後を心配している場合ではないのです。
入社したその日から、彼らに楽しんで働いてもらえたり、彼らのスキルが上がるだろう経験を提供しないと3年後はないということです。そんな未来を不安に思う前に、今、その外国人に何を求めているのかはっきり伝えて、今、熱中できる環境を提供することだけに集中するので間違いないです。その方が間違いなく会社の生産性もあがります。
総務省のデータを見ても、10年後に会社がある確率なんて6~7%程度であり、見た目は会社が存続しているように見えても、M&Aで違うオーナーになっているかもしれないし、残念ながら会社が無くなっているかもしれない。3年後を懸念したところで、3年後なんてものは誰もわからないのです。
ポジティブな話で言うと、その会社で頑張りたいと思えば、長く働いてくれるし、日本人だけでは達成できないグローバルなチャレンジ精神を持った人が日本人以上にいる可能性も高いということです。
実際にそういう外国人留学生もいます。
学生時代の彼らの話では「やっぱり3年後、5年後は自分の国に帰ろうかなと思っています」という声も結構あります。でも上述した通り、彼らも採用側も同じで、就職前はそんなことを言っていても3年後のことなんて、本当は全く分からないというのが現実です。
あくまで石川調べ(ワン・ステップ調べ)ではありますが、どちらかというと日系企業の方が入社後にネガティブに感じる人が多いように感じます。
その理由は「やりがい」です。福利厚生等のサポートは決して悪くはないと聞きますが、日本の考え方として「最初の3年は勉強」みたいなところがあって、そこに不満を感じている人が多いです。
よし卒業してこれからは試合だ!と思ったら、、あれれ、まだ練習だった。みたいなことがあり、その練習が思いのほか長い・・・ということが結構あるという声をよく聞きます。それぞれ学生時代にスキルを磨いているので、早く活かせるような環境を提供すると、より早く、より長く活躍してくれるでしょう。
最後に、もし3年後に家庭等の事情があり帰国しないといけないケースがあったとしても、その人が本当に会社に対して満足度が高い状態であれば、間違いなく優秀な人が次から次へと入社してくれます。外国人同士の横の繋がりは強いですから、いいサイクルになることは間違いありません。