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「宗教」とは何なのか?「宗教」について分かりやすく定義してみた。

(はじめに)

 「宗教」とは何なのか?この疑問に答えるのが、本コラムである。ふわっとしているものであるからこそ、ここでこのコラムを読んで、何となく理解していた気になっていた事柄について、正しく分かりやすく理解していただければ幸いである。

 と言いつつ、さっそくで申し訳ないのだが、現状調べてみたところ、「宗教」に、明確な統一された定義はない。

 であればこれは何のコラムなのかという話になるのであるが、明確な定義はないからこそ、有名な学説から大きく外れることさえなければ自分なりに理解してよいということでもある。ここでは、私の理解した「宗教」について解説する。

(マックス・ウェーバーと宗教の起源)

 ドイツの社会学者マックス・ウェーバーは言った。「宗教」というものが誕生した瞬間とは、「人の中に、"人はどこから来てどこへ行くのか"という疑問が生まれた瞬間である」と。

 正直、これだけ聴いてもなんのこっちゃ、という感覚であるとは思う。が、これは簡単に言えば、「人が、生まれる前の世界と死んだ後の世界を想像し始めたとき」ということだ。

 現代を生きる人々ならイメージしているとは思うが、人は生物の一種であり、生まれた時にその生命機能を開始し、死んだ時にその生命機能を終了する。生物学的に、生と死というものは存在する。

 言い換えれば、生物学上、自然科学上は、生まれてから死ぬまでしか人の意識の中に世界など存在しないはずである。もっと言えば、生まれる前の世界と死んだ後の世界なんて存在しないし、人はどこから来てどこへ行くものでもない。母から生まれ、心臓が止まれば死ぬ。

 自然科学上はこれが常識である。にもかかわらず、人はそれを超える想像をし始めたわけである。(当然、"人はどこから来てどこへ行くのか"という疑問が生まれた瞬間はまだ自然科学は存在しないが。)

 逆に言えば、自然科学を知る前であれば、人間は勝手に生まれる前の世界と死んだ後の世界を想像し続けるようになるということだ。感覚として、子どもの頃あの世に行ったらどうなるんだろうと考えたことはあるし、これは現代まで引き継がれる人間の特徴だとも思う。

 まとめると、
・ウェーバーの唱えた宗教誕生の瞬間=人はどこから来てどこへ行くのかという疑問。
・自然科学上は人は生まれてから死ぬまでのことしか観念する必要はない。

 ゆえにここでは、「宗教」とは、自然科学を超えた神秘的な思想・想像、であると定義する。

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