イノウエ

大阪市東淀川区→長野県安曇野市→石川県金沢市→京都市南区→福島県南相馬市→鹿児島県大崎町。 山と音楽を愛してます。

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マガジン

  • 民報サロン転載(2019年1~4月)

    福島民報さんで、「民報サロン」というコーナーの執筆をさせていただいた原稿の転載記事。

最近の記事

2022年 個人ベスト

はじめに 今年は「2022年に発表された個人ベスト」ではなく、「2022年に自分が触れた作品の個人ベスト」とすることにした。音楽だけを聴いているわけではないので、作品形態も音楽以外を混ぜることに。年代もバラバラ、作品形態もバラバラ。およそ、年間ベストというよりは日記だ。 今年1年間に触れた作品をざっくり総括するような日記として楽しんでもらえればと。 (((さらうんど)))『After Hours』(2022年8月) 9曲、21分。その短さも含めてリピートしたくなる作品で

    • 「学ぶこと」の効用について

      ふとしたきっかけで、今までぼんやり考えていた3つのことがつながったので、それについて書いてみる。 さとのば大学主宰の信岡さんの言葉2020年から地域事務局(南相馬)兼メンターとして関わっている「さとのば大学」。オンライン講義と地域留学の両軸で学びを深める教育プログラムだ。 https://satonova.org/ そのプログラムを主宰している株式会社アスノオトの代表、信岡さんがよく言っている言葉がある。 「学びはやさしい」 僕の言葉で解釈すると、以下のようになる。

      • 2020年に観た映画(旧作) ベスト5

        2020年は映画の年にすると宣言(?)してはや1年。 新型コロナの影響もあり、土日に家にいる時間が増えたりと、映画を観るまとまった時間がとりやすくなったことも追い風に、1年で 106本 観たようです。(数えてみるとそれほど多くもない、、) そのうち映画館で観た新作は5本未満で、あとは配信で旧作を観ました。 これまで音楽ばかり聴いてきて映画リテラシーが全くなかった人間が、脈絡なく観漁った映画の中から、印象深かった作品をご紹介します。順不同。 ベルリン天使の詩(Der H

        • 恥との付き合い(民報サロン 2019年4月29日より転載)

           僕は、何かにつけて人を見下す癖がある。おそらくそれは、自分が誰かに見下されているのではないか、という恐れの裏返しだと、今は思う。社会に生きていれば必ず出会う、他者の視線。視線を意識することで芽生える、恥。今回は、とてもやっかいで、未だに付き合い方を心得ていないこの意識について、書いてみようと思う。  幼少期のころから、恥の意識が強かった。例えば、親戚におもちゃやお菓子を買ってもらえそうになった時、僕は必ず遠慮していた。本当は心の中でそれを欲していたとしても、目を輝かせてねだ

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        • 民報サロン転載(2019年1~4月)
          6本

        記事

          音と感情(民報サロン 2019年4月8日より転載)

           音楽が好きです、という話をすると、ときおり「どこを聴いているんですか」と訊かれることがある。メロディー、歌詞、楽器の音、アレンジ、曲の構成、音響、などなど要素はたくさんあるのだが、自分は曲の全体的なフィーリングを受け取って、そこでその音楽に興味を持てば、そこからアレンジや歌詞、細かい楽器のプレイなどを意識するという順番で聴いていることが多い。  これまで民報サロンで音楽について書いた時は、要素としては歌詞に言及することが多かったが、それは音楽の魅力を言葉にするときに、歌詞に

          音と感情(民報サロン 2019年4月8日より転載)

          転機と「行き方」(民報サロン 2019年3月19日より転載)

           「HOW TO GO」。直訳すると、「行き方」。僕の大好きなバンド、くるりが十五年以上前に発表した曲だ。  くるりは、大学の音楽サークルで出会い、結成されたスリーピースバンド。その時々で多様な要素を取り入れ、目まぐるしく音楽性を変えながらも、今もなお活躍している。  そんなくるりからオリジナルメンバーであるドラマーが脱退し、バンドとしての行く末を否応なく考えさせられたであろう時期に発表されたのが、「HOW TO GO」だ。  重厚なギターリフで幕を開けるこの曲は、とてもゆっ

          転機と「行き方」(民報サロン 2019年3月19日より転載)

          「楽しい」の求心力(民報サロン 2019年2月26日より転載)

           前回の民報サロンでは、南相馬市の事業「南相馬たびづくりスクール」で僕が一市民として企画した「田舎の夜をチャラくする!手づくりDJイベント!」を開催するに至るまでの経緯について書いた。今回は二週間前に実施したこのツアーがどんな様子だったのか、そして企画者として感じたことなどを書こうと思う。  まず僕の正直な感想は、「超楽しかった!」に尽きる。音楽を通して人がつながりあう現場に自分が立ち会えたことに感動したし、何より参加してくださった方々がそれぞれ自分なりの楽しみ方を見出して、

          「楽しい」の求心力(民報サロン 2019年2月26日より転載)

          遊びにおいでよ(民報サロン 2019年2月5日より転載)

           今年度、南相馬市と株式会社Ridiloverが協力して、「南相馬たびつくりスクール」を行っている。自分の住んでいる地域の魅力を活かしたツアーづくりのノウハウを教えていただき、そのスクールに参加した市民が実際にツアーを企画するという事業だ。今年度は6人の企画者による種々様々なツアー案が発表され、そのうち投票で選ばれた3つが催行される。  僕もこの事業に一市民として参加し、ツアー企画を考案した。その名も「田舎の夜をチャラくする!手づくりDJイベント!」。ありがたいことに投票で上

          遊びにおいでよ(民報サロン 2019年2月5日より転載)

          家族の風景(民報サロン 2019年1月16日より転載)

           今年の年末年始は帰省しなかった。特段理由はなかったが、福島に移住して一年目、実家に帰らずじっくり一人で過ごしてみるのも悪くないと思ったからかもしれない。結局丸森町に住む友達に誘われ、大晦日から元旦は友達の家で過ごすことになったのだが、そこに向かう道中、ふとカーステレオからこんなフレーズが流れてきた。 「キッチンにはハイライトとウイスキーグラス/どこにでもあるような 家族の風景」  永積タカシさんのソロユニットであるハナレグミの、「家族の風景」という曲だ。この曲を聴いた瞬間、

          家族の風景(民報サロン 2019年1月16日より転載)

          3.11に寄せて -ちゃんと中指を立てるということ-

          先月、知人と踊ってばかりの国のライブに行った際、こんな話をした。 「ライブ良かったですね~。ところでバンドとの出会いの曲ってなんだったんですか?」 「最初『話はない』聴いて、古いロックとかブルースを好きな若いバンドがいるんだな~くらいの感想だったのだけれど、『東京』という曲を聴いてぐっと好きになって。」 「なんで『東京』にはまったんですか?」 「震災と原発事故後、いろんな問題が顕在化する中で、クソなものに対してちゃんと中指を立てているアティチュードをかっこいいと思って

          3.11に寄せて -ちゃんと中指を立てるということ-

          2019 年間ベストアルバム10

          2019、年間ベスト10枚。 10 Spangle call Lilli line『Dreams Never End』 2018年に結成20周年を迎えたバンドの3年ぶりの新作。音楽とは別のなりわいを持ちつつも、20年の間に作品を少なからず発表し、認知度や評価を獲得してきた。響きを重視したうたや言葉選びだけでなく、何らかの感情や気分に振り切れない曲が多いことも個人的には特徴だと思っている。聴くシチュエーションを選ばない音楽というか。だから、前作『ghost is dead』

          2019 年間ベストアルバム10

          2018 年間ベストアルバム10

          はい、毎年恒例のやつです。とはいってもちゃんと10枚選んだのは去年が最初でしたが...。総論的なものは最後に書いたので、早速いきましょう。1~3位以外はほぼ順不同です。 10 集団行動『十分未来』 もと相対性理論の真部脩一と西浦謙助が組んで、ボーカルを迎えた新バンドの2作目。ボーカルの齋藤里菜はオーディションで決まったそうだが、空気を含んだ伸びやかな声が曲のメロディーの良さと相まって、聴いていて気持ちがいい。優等生的なしっかり音譜を追う歌い方もよくて、1曲目「会って話そう

          2018 年間ベストアルバム10

          Bang&Olufsen(B&O) Beoplay H6 MKII 購入レビュー(後編)

          はい、後編です。 前編まだ見てない!という方はこちらからどうぞ~。 Bang&Olufsen(B&O) Beoplay H6 MKII 購入レビュー(前編)|積乱雲 / cumulonimbus|note(ノート) https://note.mu/cumulonimbus/n/nfb8a9f9804c6 届きました~。 パッケージ裏 ビニールぺりぺり...... か い ふ う ! じゃーん! シンプルながら高級感のあるデザイン......!! 箱の横から紐

          Bang&Olufsen(B&O) Beoplay H6 MKII 購入レビュー(後編)

          Bang&Olufsen(B&O) Beoplay H6 MKII 購入レビュー(前編)

          最初のnote投稿はヘッドフォンレビューです。 いわゆる音響マニアとかオーディオマニアにまでは至らないものの、音楽聴取を趣味にしている者として、いろいろ物欲はあるわけです。ただ、勿論使えるお金には限りがあるのでめったに買わないのですが、買うときはかなり下調べして納得したものを買っているので、自分も誰かが購入する時の参考になるような情報提供ができたら良いな、と思いレビュー投稿をしようかなと。(固い......笑) と、いうことで、バング&オルフセンのBeoplay H6 M

          Bang&Olufsen(B&O) Beoplay H6 MKII 購入レビュー(前編)