すごくいい本屋さん
僕の周りの本好きの間ではわりと理解してもらえるのだが、数ある本屋さんの中でも、「すごくいい本屋さん」というのがある。
本屋さんというのは色んな本が置いてあり、それは無条件で素敵なことなので、悪い本屋さんは存在しないと思っているのだが、「すごくいい本屋さん」というのは存在する。
すごくいい本屋さんの特徴は、中を歩くだけでワクワクして、つい手に取りたくなるようなときめきを与えてくれる本がそれぞれのジャンルに散りばめられている。
POPが工夫してあったり、見せ方が上手とかではなく、本自体がおもしろそうなオーラを放っている。
普段は読まないジャンルでも、ついつい手に取り中を開いてしまう。
普通の本屋さんでは、こういったときめきはなぜかあまり無いので、すごくいい本屋さんはやっぱりすごくいい。
たぶん、書店員さんがものすごく本好きなんだろうと思う。これおすすめだから読んでみて!ここに並べとくね!っていう純粋な気持ちが届くのかもしれない。
富山県でいえばそれは中田書店掛尾店さん(あくまで僕の独断と偏見によるものだが)が、すごくいい本屋さんである。
だから僕は中田書店掛尾店さんによく行く。
つい先日も、僕の彼女と一緒に中田書店掛尾店さんに行った。彼女も本が好きなのだが、僕の中ですごくいい本屋さんである中田書店掛尾店さんは、彼女にとってもすごくいい本屋さんだったみたいで、とても興奮していた。
ずっと何かしら興奮状態で独り言を言っていた。興奮状態で独り言を言うと、ボリュームが大きくなるのとヒエーッなどの奇声を多用するので少し恥ずかしかったけれど、気に入ってくれたみたいでよかった。
(※彼女は普段からよく独り言を言っている。独り言を言わないと、頭の中に言葉があふれてストレスフルになるらしい。)
そして一緒に中を歩きまわって、一つの本を見つけた。
タイトルは「絶対に片付けられる部屋」。
彼女の職業はデザイナーで深夜帰宅が日常のため、どうしても部屋は散らかりやすい。家事をする余裕なんてないからだ。
なので
「この本買ってあげようか?絶対に片付けられるんやってさ。絶対片付けられるってことは、100%部屋が片付くってことやぞ。」
と言ったのだが、
彼女は、
「絶対に片づけられない女VS絶対に片づけられる部屋…私が勝つ。」
と言った。
まるで百戦錬磨の横綱のような雰囲気を醸し出し、そう呟いたのだ。鼻の穴から、二本線の先に半円が三つ付いたやつが出ているのかと思うくらいに、自信ありげな表情だった。
画像:二本線の先に半円が三つ付いたやつ
こんなに自信まんまんに、片付けられないことに誇りを持てる人、あんまりいないだろうなあ…!すごいなあ…!と思った次第。
あと、「すごくいい本屋さんの話」をしようと思ったのだけど、途中からよくわからない話になってしまったことをここにお詫びいたします。