個展「サカイメ」を終えて
こんにちは。こんばんば。
イラスト・漫画を描いている つかはらゆき です。
10月4週間にわたって開催した個展が終了いたしました。
ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。
作品の制作についてと個展名「サカイメ」にこめたコンセプトなどは会場で販売していたコンセプトブックにすべて書きました。
通販もしていますので、気になる方や作品集としてもぜひこちらをご覧ください。
※クリエイターページのストアからもショップに行けます↓
展示空間のお話し
展示したのはカフェで、特にこのお店は座席ごとに色々な椅子の種類があったり空間の雰囲気が若干異なっているのが特徴でした。
もちろん自分の作品を見に来てくれたお客さんもいますが、もともとカフェに来るつもりで来ているお客さんもいます。
今回はカフェをちゃんとカフェ空間として楽しんでもらえるように作品配置を考えてみようと思ったのです。
その中でも特に気に入った空間になったのがここ。
一人ソファ席なのだけど、ここだけのひとつの空間がしっかりできました。
額装も工夫したのだけれど、建築関係の仕事をしている方に手伝ってもらったおかげで(私だったら絶対こうならない)等間隔平行にしっかり並んだ展示ができました。
その視覚効果もあって、ここがひとつのまとまった空間であることがしっかり伝わるようなスタイルができたと思います。
カフェ店長のかおりさんにもとても喜んでもらえました。
展示空間と額装、というのは結構リンクさせると面白いことができます。
ここは出窓になっていますが、横にライトもあって夜でも透明度の高い空間だなと思っていました。
それにあわせて透明なフレームを使い、作品を印刷した紙もトレーシングペーパーを使って「透明感」で統一した空間を作りました。
結構これも成功かなと思います。
最後に大河ドラマの感想絵も展示したのですが…。
ポラロイド風に印刷して、写真を飾るようにおしゃれなインテリアのように展示をしてみました。
関連する仕事をしている友達がこの席に座っててくれて、ちゃんとひとつのコーナーにして良かったなと実感しました。
他の作品も作品テーマごとに空間をつくり、それぞれの作品特性を活かした場所で見せるだけじゃなく、カフェ空間に似合った展示を心がけています。
グッズは当初それぞれの作品の近くにそれぞれ置く予定だったのですが
なんだか守銭奴感が出てしまって嫌だったので…
入り口付近(会計スペース近く)にまとめて置くことに変えました。
コーナー感が出てとても良かったと思います。
こういう展示を考えて思ったのは、やはり「絵」というのはそれ1枚で完結するわけではなくて誰かのどこかの空間に置かれるものなんだ、ということです。
どこかの玄関だったり暖炉の上に飾られて、空間の中で生きていくものなんだなと思うんです。それこそ西洋画の歴史の古いところからずっとそうで、今もきっとそうなのでしょう。
美術館で鑑賞するものだけじゃなく、何かのどこかの誰かの生活の空間にそっと置かれて、彩るものなんです。
だからきっと絵が売れるというのは、空間ごと考えるのに似ているんだな共いました。
個展を開催してよかったこと
自分を応援してくれている人の存在
当然来れなかった人でも応援してくれている人がいるのはわかります。
でも来てくれた人たちは間違いなく現時点で目に見える形でそこにいる確固とした応援してくれている存在だなと思います。
絵を描くってものすごい孤独な作業で、というか、孤独にならなければならない作業だと思っています。
特に私はその描いている世界に誰も立ち入られたくないので…ATフィールドだいぶ厚めに張り巡らしていると思います。
だからこそ外に出した時に誰にも反応されないと結構ショックを受けます。
単純にSNSでもまったく反応のなかった漫画とかマジでしんどいなと思っています。
孤独だからこそ誰かが見てくれていることや応援してくれていることを忘れがちだし、信じていなかったりするんですよね。
だからわざわざ足を運んでくれた人たちには感謝を尽くしたいと思います。
見てもらう機会は大事だ
自分を応援してくれている人たち以外にも見てもらえるというのがカフェで展示することのいいところでもあります。
印象的だったのは近隣の大学に通っている方が見てくれたことです。
その大学生ふたりは、展示初日に来てめちゃくちゃスマホで撮影していました。
私がひとりだったら絶対に声をかけないのだけれども、店長かおりさんが紹介してくれて少し話したのが印象的でした。
見てもらう機会というのは、自分を見つめ直す機会でもあるんだなと思います。
その大学生たちと初日に話せたことで、自分の作品のなにが新鮮なのか、なにに驚いてくれるのかがわかりました。
これは個展を通じてずっと伝えるポイントになったし、そのあとの展開で今も大いに得られた収穫だと思います。
塞翁が馬
実は個展期間中にお誘いがあって、今ある機会をいただいて準備の真っ最中です。いや、半分詐欺なんじゃないかと疑ってもいるのだけれども…
そのお誘いは「個展をやっていたから」ではなくてお話がやってきました。
でもバタフライエフェクトというか、塞翁が馬というか、
「何か自分が発表したい」「見てもらう機会をもっと作った方が良い」と思ったり個展というものを通じて動いていたりしたことが、回りまわって今回の機会につながっているのではないかと思っています。
来週には発表できると思うのですが、お楽しみにしていてください。
なにしろ開始してみないことには「本当か?」の気持ちが拭えないので…
なにか騙されてるのだとしても、いまその企画に対して準備していることは今後も役に立つのだろうなと感じています。
自分の考えや美術私観を言語化することだったり、作品制作にまつわる手順をまとめることだったりはなかなか求められないとやらないですから。
でもこういう感覚を言語化する、理論や分析力みたいなものが結構好きで得意な脳みそしてて良かったなと思います。
分析に関しては正直推し活で養われてきたもの(推しの音楽を分析することで)だと思うので、何が自分の助けになるものかわかりませんね。
利益は出ていない。だけれども。
今回の個展は収益という点では、マイナスです。金銭的にはね。
皆様に買っていただいたグッズと売れた1点の絵画の売り上げは、むやみに生活費にはせずにしっかり大切に使い続けるものを買ってきました。
トラベルブック、おもしろいんですよ…素敵な作品がたくさん
https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/trunks-travel-and-home/library/travel-book/_/N-t1j1g9fq
自分の作品で得たお金はなるべく目に見える形で残しておきたいなと思います。生活費ごとぜんぶ稼げるようになればいいんですけどね!
金銭的にはこのくらいなのですが、「よかったこと」に書いたような
目に見えない収穫がたくさんあったと思います。
前回個展をやったのが、コロナ禍の最中でいろいろ動きづらく、世の中も動いていない時でした。
その時は自分の作品に対する不信もあって、そういう意味で自分も硬直したまま開催していました。
動けばいろいろ動いてくる。
よく言われますが、それはただ行動すれば良いというだけではないのだなと思います。
いろいろな歯車をぜんぶ合わせて動けた今回の個展だったからこそ
自分の中に残る収穫があったのだとも思います。
本当はやりたかったけどできなかったことのひとつに「即席似顔絵描き」があります。
商店街のお祭りでも良いから一度似顔絵描き屋さんやってみたいなぁ…
デジタルで描いて、データか、シールでのお渡しっていうイメージ。
いまは本当いろいろ便利になったよね。
これからもまた色々やりたいことが詰まってる。いいことだなと思います。
まずは来週あたりに準備しているものの続報ができたらうれしいです。
あとぜひ個展のグッズ買ってください(笑)
それではまた。