箱根駅伝:1区飛び出しはアンダードッグの華

2日続けて箱根駅伝関連の記事。

前回も書いたが、今年の中大の1区吉居選手の飛び出し成功は痛快だった。優勝候補でないことを逆手にとった見事な戦略だった。

とすれば、優勝候補でないチーム全般にとって、1区に飛び出せるランナーを配置してレース前半の主導権を握ってしまうのが有効な戦法となるのではないか。

ただし、少なくとも現在の区間記録60分40秒で走れる走力は必須であろう。これはハーフマラソンに換算すると60分5秒である。

記録を見ると、現在の日本のチームで活動する学生で、この条件を満たしている選手は1人しかいない。東京国際大学のリチャード・エティーリ選手、ただ1人である。東京国際大学は、おそらく次回も、優勝候補とは呼ばれないだろう。ウェブ記事では早くも、次回102回大会の優勝候補を今回の3強に早稲田、中央を加えた5強などと表現している。しかし東京国際はそこには含まれていない。

したがって現状では、1区飛び出しの成功可能性があると思われるのは、東京国際大学が1区にエティーリ選手を起用した場合のみである。さらに妄想を続ければ、2区と、3,4,5区のいずれかに、日本人エースの菅野選手と川内選手を配置し、後ろから追われる展開になる残りの2区間は状況判断力の高い選手2人を置けば、往路はまず間違いなくシード圏内、展開次第では5位以内ではフィニッシュできるであろう。

もちろん、今年1年間の展開次第では、他にも非優勝候補校に1区を60分40秒と同じかそれより速く走れる選手が出てくるかもしれない。東農大が復帰すれば、1区に前田和摩選手を置いてほしい。