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【常識を疑え!佐川急便の戦略】
日本宅配業界の2トップ
ヤマト運輸(シェア1位)
vs
佐川急便(シェア2位)
どちらが儲かってるのか数字で比較✍️
(売上の何割が利益なのか←生産性の指標)
を比較してみます。
ヤマト運輸 3.6%
佐川急便 6.3%
数字から、佐川急便の方が儲かってるのかわります。
同じ業界、やってることは『宅配』と変わらないのになぜこの差が生まれるのでしょう?
佐川が儲かっている答えはズバリ…
『逆張り戦法』
です。
つまり、
『業界の常識と真逆のことをする』
ことです。
宅配業界は
『スケールメリット』
と言って
大量の配達を受注し
一度でたくさんのモノを運ぶことで配送コストを抑えるのが常識です。
ドンキホーテや格安スーパーなども、たくさんの商品を大量に仕入れることで仕入れ値を安く抑える事ができます。
しかし佐川急便はあえて
『受注を減らす』
ことに決めました。
そこには受注を減らすに至った3つの要素がありました。
①Amazonからの撤退
Amazonのシェア拡大で個人宅配の仕事が急増。
個人宅配は受取人不在な事が多い為、再配達ばかり…
人件費にかなりの負担が。
そこで思い切ってAmazonとの契約を打ち切る事に。
②ヤマト運輸売上急増
佐川急便がAmazonから撤退したことをビジネスチャンスと捉えたライバル:ヤマト運輸
売上は急上昇!
だがここで問題が…
宅配業は労働集約型ビジネスモデル。
仕事は増えたが、人手が足りなくなり外部に委託することに。
ヤマト運輸のNo.1独走体制に思えたが…
③ヤマト運輸
人件費+マージンで利益圧迫
人件費は増え、外部に委託している分マージンが発生。
年々売上は上がるが、利益が出ない状況に…
その影響もあってか、従業員残業代未払いなどコンプライアンス上の問題が世間に知れ渡りました。
2社の意思決定の違いが見えてきました👀
勝敗を左右したのは
『コストコントロール』
人件費比率
(売上に対して人件費の割合)
の比較をすると
ヤマト運輸 50.6%
佐川急便 34.6%
ヤマト運輸はここからさらに外部にマージンを支払うのであまり儲からないのがわかります。
ヤマト運輸は
売上拡大のチャンスと捉えて受注することに(※業界の常識なら当たり前)
に対して
佐川急便は
上記のことをしっかり仮説、検証(シミュレーション)を立て、利益が出ない!
と判断した上での決断でした。
売上を上げたいのか?
利益を出したいのか?
しっかりここを見極めた上での判断が必要です。
今回の話は規模が大きいですが、
身近なプロジェクトでも
・認知度を増やす
・しっかり儲ける
のでは戦略が全く異なります。
どちらも的確に使い分けるセンスが大事です。