「暴夜」漫画感想(31,32話)
あらすじ
智鶴の正体について尋ねた穏花。智鶴は自力で探ってみよとはぐらかし、今の穏やかな日常が気に入っていると告げるのみだった。近頃は夜がやけに静かだと話す智鶴に、虎狩りの経験のある穏花は虎が近くにいるのではないかと話す。虎が怖くてひとりで眠れそうにないと笑う智鶴は、穏花とともに夜を過ごすのだった。
明け方尚雲が智鶴の部屋にやってきて姉の希仁が屋敷に来たと告げる。智鶴は希仁からの何度も手紙を送られていたが、読まずに燃やしていた。智鶴が世子に戻らなければ、まだ幼い弟の輝が国王となり、継妃による乗簾の政となることを危惧する希仁。智鶴はある噂を流した首謀者は国王だと告げる。“語り部の口伝えによって王宮に流れたひとつの噂。国王の後継者を宿せなかった王妃が、自分の兄と交わり男子を産んだ末、その男子を王座に据えることでこの国を手中に収めようとしていると…。” 自分は政にはもう興味はないと告げ、智鶴は希仁のもとを去るのだった。
智鶴さまに正体を尋ねてみたけどうまくはぐらかされちゃった穏花ちゃん。ここのシーンも好き!穏花ちゃんから虎の話を聞いて、虎が怖くて眠れそうにない、なんて甘えたこと言って穏花ちゃんを自分の部屋で寝かせていく智鶴さま。自分が虎みたいなのにね🐯たぶん緊張して眠れないのに眠ったふりをしていた穏花ちゃんをちゃんとみていた智鶴さま。穏花ちゃんをみていたら視界がぼやけてしまっていシーンが…。これ小説読んでると本当にお願いだから失明しないで!って切に願うんですよ…。盲目のふりしてるだけだけど、実は深刻なんだよ…。
さて希仁ねえさんがやってきていろいろつながりました。王宮に流れた噂とそれを取り巻く出来事の全貌を整理してみると、
*国王との世継ぎを産めなかった王妃が自分の兄の子どもを妊娠、男児を出産したという噂が王宮に流れる
*その噂は王宮で語り部をしていた男から伝わっていった
*その噂を信じた者が智鶴のお茶に毒を入れ、そのお茶を誤って飲んだ世子嬪が亡くなる
*王妃は東宮殿で首を吊って自殺する
*希仁は語り部の男が王宮で不義を犯したとした罪を着せる
*語り部の男は鞭打ちの刑に処され、死亡する
*その語り部は英花と穏花の父親
*噂を語り部に流させたのは国王
という血が流れる後継争いが王宮で起き、その渦中に巻き込まれて穏花ちゃんの父親は亡くなってしまったようですね。父親が鞭打ちの刑に処されているときにその場には希仁も智鶴も英花穏花姉妹もいる…。ということは智鶴さまと穏花ちゃんは穏花ちゃんが覚えていないだけで、面識があるってこと!?なのかは読み進めないとわかんないねえ。少なくとも希仁ねえさんは穏花ちゃんのこと知っていそうな雰囲気。
このあたりの出来事、小説を読んでもわからないことが結構あって。この出来事から智鶴が自ら廃世子になるまで約10年くらいある。尚雲の回想だと、継妃を迎えて輝が生まれたため国王は継妃の味方になり、智鶴のいる東宮殿と全面的に対立したけど智鶴は一歩も引かなかった。だけど智鶴はある日突然廃世子になることを決めて、そのときにはもうすでに輝に王位を譲るための準備をすべて済ませていたみたい。
以下は小説を読んだ限りの推測です。
漫画で語り部が鞭打ちの刑に処されている場面をみる限り、王宮で流れた噂を智鶴は知らなかった。智鶴に知られないように希仁が口止めしていて、その代わりに語り部を処刑させて、智鶴が世子の地位を守れるようにしていた。10年くらい戦っていたけど、ついにその時期に流れた噂を知った智鶴さまはもう世子でいる必要はないと思い、廃世子を申し出た。噂を流したのは国王自身だと言ってるけど、多分協力者はいるし、国王になるのは諦めて、その代わりに本当の自分の敵を探すことした。
なんてことを考えてました。希仁と智鶴は王妃の子どもで、輝は継妃の子ども、希仁の訴えをみる限りだと継妃のことをよく思っていないよね。智鶴が国王になれるように希仁も必死だというわけです。
領地の奪い合いもだけど、後継争いって本当に血が流れるね。このような時代を生きていた人たちは本当に大変だっただろうな…信じられるひとを見つけることも大変だっただろうに。
さて今日はここらへんでおしまい!次の話も好きなお話〜!