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LIVE参戦記⑩2024/10/9-12 Ligabue in Teatro Dicato a noi

待ちに待った13年ぶりの、そしてわたしにとっては初めてのテアトロ(劇場)ツアー!
イタリア各都市のオペラ劇場を回るツアーは、Giro d'Italiaに収録されている2003年がお初、その後2006年と2011年に行なわれただけの、30年以上にわたるキャリアのなかでも実にレアな公演なのである。
2003年の公演はCDで、2006年と2011年のライブはDVDで鑑賞しただけであったので、待ちこがれにこがれた参戦!
10月1日にDATA ZEROと称して地元Correggioでファンクラブ限定で開幕、翌2日の公演チケットはネットで販売されず、Correggioの劇場チケット売り場だけで扱われた「地元枠」だったらしい。
劇場での公演はアコースティックアレンジがメインとなるので、バックをつとめるメンバーも、Federico Poggipollini(ギター)、Davide Pezzin(ベース)、Luciano Luisi (キーボード)、Lenny Ligabue(ドラムス)という最小編成。とりわけ、Lucianoの息子Lennyがステージデビューするというので話題になっていた。


①2024/10/9 @Teatro Verdi, Firenze

公演前日の10月8日深夜、ローマからの乗継便が30分遅延して、日付が変わるころにフィレンツェの宿にチェックイン。今回はアリタリアの後継航空会社イタ・エアウェイズを初めて利用したが、一度経営破綻してサービスが低下していたアリタリアよりもさらにサービスは低下。今後はローマへ直行する以外に利用することはないだろうな。
明けて公演当日、まずは会場のテアトロ・ヴェルディの場所を確認。

《1854年設立のテアトロ・ヴェルディ》
《当然ソールドアウト!》

20時45分開演のライブまでは何も予定がないので、とりあえず旧市街を散策。フィレンツェは10年ぶり4度目の訪問。こじんまりとした美しい街で、誘惑も多い。一目惚れして靴を一足、衝動買いしてしまう。
20時過ぎに劇場前で開場を待っていると、同じく開場待ちのカップルに話しかけられる。ローマのファン友の友人で、サルデーニャから来たと自己紹介された。ローマのファン友は顔も広いうえ、日本人のLigabueファンという希少生物であるわたしのことを友人知人に吹聴しまくり、フェイスブックで拡散しまくるので顔バレしているもよう。開演まで楽しくおしゃべりして過ごす。
この夜の席は、1階の舞台正面12列目やや下手。するすると左右に幕が開いて、文字どおりの開幕!
スツールにくつろいだ様子で腰かけたLucianoがギターを奏ではじめる。1曲目は"Leggero"!続いて"Ti sento"!アコースティックアレンジにぴったりなしっとりした名曲!そして、アコースティックアレンジの"Questa è la mia vita"!今回はFedeもスツールに着席して演奏しているが、じっと座っていられるのだろうか?
3曲終わったところで、Lucianoの挨拶。劇場ツアーの際は、曲と曲のあいだに語りや朗読を入れる演出をしているが、今回は2022年に出版した自伝"Una Storia"の朗読を交えるようだ。
観客もお行儀よく着席して聴いている(というよりも歌っている)と思いきや、前半ラストの"Happy hour"のイントロでついに爆発!1階後方席の観客がステージ前に押し寄せる!日本だったら、即刻中断されるであろう事態だが、なにごともなかったようにステージは進行。10分間の休憩をはさんで、後半が始まった。

《照明効果もすばらしかった!》

ライブで初めて聴く曲が続々登場!Fedeはアコースティックギター、エレキギターだけでなく、Moby Diddleyギターを使った"Quella che non sei"、マンドリンによるイントロの"Tra palco e realtà"などで新アレンジを披露。"Certe notti"もイントロのアレンジが斬新すぎて、なんの曲かわからなかった! そして、劇場の高い天井まで轟く、"♪Ci vediamo a Campovolo prima o poi~♪"の大合唱!いつも楽し気に体をゆすりながら演奏するDavideのコントラバスもかっけー!
大ラスは、今ツアーでステージデビューしたLennyが、12歳のときに初めてレコーディングに参加した"Taca banda"。バンドメンバーがひとりずつ演奏を終えて前に出てきて、ファンのコールに応え、最後にはアカペラで観客とともに大合唱!最後までファンサービスをしてくれたのは、この日もFede
劇場で配布されたパンフレットによると、今回のツアーのために45曲を新たにアレンジしたという。ということは、各公演でかなり異なるセットリストが期待できるということだろう。

<フィレンツェ公演セットリスト>  
01. Leggero
02. Ti sento
03. Questa è la mia vita
04. Tutte le strade portano a te
05. Seduto in riva al fosso*
06. Vivo morto o x
07. Riderai*
08. Quella che non sei
09. Ho messo via*
10. Happy hour
~休憩~
11. Un colpo all’anima*
12. Piccola stella senza cielo
13. Il mio nome è mai più*
14. Kay è stata qui*
15. Non è tempo per noi
16. Le donne lo sanno
17. La metà della mela
18. Balliamo sul mondo
19. Tra palco e realtà
20. Certe notti
~アンコール~
21. Urlando contro il cielo
22. Taca banda

《公演パンフレットは無料。今ツアー用にアレンジしたセットリスト入り候補の45曲が紹介されている》

②2024/10/10@Teatro Goldoni, Livorno

翌10日は土砂降りのさなか、次の公演地リヴォルノへ移動。フィレンツェからローカル線で約1時間半ほど、遅延もなく到着すると、こちらは快晴。初めて訪れる街。メジャーな観光地ではないので、昼下がりの駅前は人影もまばら、タクシーも少ない。
ここでも、宿にチェックイン後まずは劇場の場所を確認。

《1847年設立のテアトロ・ゴルドーニ》

お昼ごはんを食べようとうろうろするが、ちょうどお昼休みの時間帯でほとんどのお店が閉まっていて、街は閑散としている。お目当てのご当地グルメ、ひよこ豆のトルタも夜にならないとお店が開かないようだ。
仕方なく、開いているバールでパニーノを買って小腹を満たす。しばらくバールのテラス席でぼーっとするが、暑くも寒くもなく快適。港町のせいか、やや風が強い。
この夜の開演は21時。席は1階ステージ正面5列目のやや上手。テアトロ・ヴェルディも同様だったが、座席の番号が上手が偶数、下手が奇数になっているので、自分の席が探しにくい!イタリアの劇場はどこもそうなのだろうか?

《テアトロ・ゴルドーニの内部。ステージの対面にロイヤルボックス席が鎮座》

この日も、前半はお行儀よかった観客が"Happy hour"のイントロとともに後方からステージに押し寄せる!どうやら、イタリア人がおとなしく座っていられるのは1時間程度らしい(笑)。前夜とちがったのは、すぐ後ろのご婦人が「座れ!」「いいかげんにして!」と、ステージ前に殺到した観客に叫んでいたこと。気持ちはわかるが、わたし的には、こちらのほうが迷惑だった。
セットリストは、15曲程度が固定、6~7曲が公演ごとに替わるようだ。この夜は前夜の"Riderai"に代わって、ツアータイトルの"Dedicato a noi"が聴けてうれしかった!

<リヴォルノ公演セットリスト>
01. Leggero
02. Ti sento
03. Questa è la mia vita
04. Dedicato a noi*
05. Tutte le strade portano a te
06. Vivo morto o x
07. Una vita da mediano*
08. Quella che non sei
09. Niente paura*
10. Happy hour
~休憩~
11. Sogni di rock'n'roll*
12. Piccola stella senza cielo
13. Siamo chi siamo*
14. Almeno  credo*
15. Non è tempo per noi
16. La metà della mela
17. Balliamo sul mondo
18. Tra palco e realtà
19. Certe notti
~アンコール~
20. Urlando contro il cielo
21. Taca banda

《この夜の座席がステージにいちばん近かった!》

③2024/10/12@Teatro dell'opera, Roma

翌11日は、次の公演地ローマへの移動日。リヴォルノからローマまで、ティレニア海沿岸を走る急行列車で約3時間。早割りで1等車指定席をあらかじめ取っておいた。
定刻に5分遅れ(優秀!)でローマ・テルミニ駅に到着。宿にチェックインして、会場のローマ・オペラ座の場所を確認に行く。以前「フィガロの結婚」を観に来たことがあるが、かれこれ20年前のこと。記憶どおりの堂々たる佇まい。

《1880年に前身の劇場が開業したローマ・オペラ座》

イタリア各地からファン友たちが集結するのは、ライブ当日の明日。さすがに、連日のライブ&移動で疲労感。切り売りのピッツァ・マルゲリータとアランチーニで小腹を満たして、早々に休むことにした。

ローマ公演当日の12日。ローマのファン友に連絡してみると、16時まで仕事とのこと。17時にオペラ座の楽屋口に集合して、入り待ちを決行することになった。
今やローマも、ほとんどの美術館や博物館が要予約になってしまって、ぶらっと時間つぶしに訪れることができない。きっちり計画して旅行するのが苦手なわたしには、不便になってしまった。そもそも観光目的ではないのでいいのだが。街をうろうろしたり、買い物をしたりして過ごし、お昼ごはんにはカルボナーラをいただく。本場のカルボナーラ、サイコー!
17時少し前にオペラ座楽屋口に到着してみると、すでに何人かのファンが待機。友人たちも集結し情報交換するに、ご一行様はどうやら劇場のすぐ裏手のホテルに宿泊しているらしい。ホテルの正面玄関に移動してベルボーイ氏に尋ねると、あっさり教えてくれた。
と、そこに、Lucianoの息子Lenny 登場!ホテル内は禁煙なので、一服しに出てきたらしい。「日本から来てる」と言って、ツーショットを撮影。パパと同様、にこやかに対応してくれた!
そして、結論から述べると、出待ち・入り待ちは失敗。どうやら、楽屋口に隣接するホテル併設のレストラン玄関から劇場入りされてしまったらしい。不覚!
あきらめて、10人くらいに膨れ上がったファン友たちと、Ligabueをがんがん流している、劇場正面のバールに移動してアペリティヴォ。曲に合わせて歌う!踊る!叫ぶ!大騒ぎ!開演前からテンションMAX(笑)。
開演は21時。オペラ座の前でみんなで記念写真を撮って、いよいよ、わたしにとってはツアー最終公演。

《ひときわゴージャスな内装》

この夜の座席は1階ステージ正面9列目の下手いちばん端。狙ったわけではないが、Fedeがよく見えるポジション!内装のゴージャスさは、さすがオペラ座の貫禄!だけど、ステージはテアトロ・ヴェルディ、テアトロ・ゴルドーニに比べると小ぶり?で幕もない。

《天井が高い!美しい!》

前2公演に比べると、ローマの観客は我慢強かった(笑)。前半終了まではおとなしく座って聴いて(歌って)いる。だが、後半のなかば、”Le donne lo sanno”でステージ前に殺到!何がきっかけなのだろうか?誰かひとりが動くと、つられて動く感じ?
この夜は、"Mai dire mai"が聴けてうれしかった!

《アコースティックアレンジでしっとりと聴かせる》

終演後は余韻と興奮冷めやまぬなか、再びファン友たちと集結し、"Ci vediamo a Campovolo!"(Campovoloで会いましょう!)を合言葉に、来年6月の再会を約束してお別れ。楽しかった!ありがとう!Grazie per tutto!!

《ファン友が入手したローマ公演のセットリスト》
《Fedeが使用したものをゲットしたらしい》


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