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2024.11.2 河邉徹さん講演会

 こんにちは。
先日、成城大学の学園祭で行われた、河邉徹さん(以下べーちゃん)の講演会『小説家・河邉徹さんに聞く 書いて届ける想い』に参加してきました。
  サイン会以外だと、なかなか直接べーちゃんのお話しを聞ける機会が無いので、この講演会が発表された時には、とても嬉しかったです。

10年近く振りに降り立った、成城学園前駅。
以前降りたのは、大学の教授からお願いされ、
幼児教室のアルバイトの面接を
受けに行った時という、
なんとも特殊な理由。


大学を卒業した今でも、学園祭というものに
参加出来るのは、有難いです。
大学の門をくぐってすぐに、図書館はありました。

  講演会は2部制で、1部はべーちゃんのお話し、2部は参加者から集めた質問コーナーでした。
  講演会を聞きながら、メモは取っていましたが、その事を全部書いたらとんでもない文量になってしまいそうなので、中でも印象に残った事について、書いていきたいと思います。

  まず、小説の執筆と作詞の違いについて、執筆は足し算、作詞は引き算とおっしゃっていました。
小説の執筆は、最終的には直す事もあるが、ある意味制約なく、言葉を紡いでいけるので足し算。
一方、作詞はというと、今は作曲が先でそこに詞をつける事が多く、WEAVERも例外では無かったので、曲という形がある程度決まっている中で、言葉を入れ込んでいく、そして核となる部分を残して、削ぎ落としていく為、引き算。
  同じ“言葉”を扱う作業でも、真逆にあるというのが、面白いなと感じました。
  べーちゃんが紡ぐ言葉は、歌詞にしても小説にしても、温かい世界が多く、最後まで悪い人というのが、出てきません。
  歌詞の方は、結果だけでなく過程を肯定してくれる、そして頑張りを認めてくれるようなものが多く、“そのままで良いんだよ”と思わせてくれます。
難しい言葉や珍しい言葉を使っている訳でもないのに、組み合わせが、べーちゃんならではなので、心に響くものが多いです。
  小説の方も、歌詞同様、聞き馴染みのある言葉や表現が、よく使われているので、情景が浮かびやすく、物語にスッと入ることが出来ます。
 
  また、作詞の話に関連して、曲に助けられた事もあったと、おっしゃっていました。
曲を聞いて、「これは、優しい印象だな」等と感じた事から、歌詞の世界やきっかけが掴めたりしたと。
  言葉だけでなく、音楽が合わさることで、言葉自身の力が弱くても、その意味が強くなることもあるとおっしゃっていました。
  ずっと、音楽と共に言葉を紡いできた、べーちゃんならではの言葉で、これってバンドのこれまでの活動を誇りに感じているからこそなのかもしれないなと感じました。

  次に、自分の表現をアウトプットする場は多い方が良いと思ったから、写真を撮ることや服を作ることもしている  という事を、おっしゃっていました。
  べーちゃんは、言葉(文字)での表現だけでなく、写真という映像での表現も行っています。
  新しい事に挑戦する時の心情は、ワクワクが大きいともおっしゃっていたので、そういったチャレンジ心や、好奇心、探求心の強さがこういった考えに繋がっているんだなと感じました。
  私は、何かを始めようとした時に、ワクワクと同じくらい、不安や「続けられるだろうか」という葛藤も沸き起こる為、楽観的視点を持ち合わせたいなと感じました。
「まずは、楽しむ」って気持ちが大切ですね。
  写真や服にしても、そこにはいつも“言葉”が存在していて、写真集にも個展にも、そこにはべーちゃんの言葉が添えられていました。
“言葉だけでは、その力が弱くても、何かと一緒なら、力を強くする事が出来る”という、べーちゃんの考えが、ここにも通じているんだなと感じました。
  
  最後に、文を書く時(レポートなど)のモチベーションを上げるには、うまく自分の得意分野に絡めていくという事をおっしゃっていました。
興味の無いことを語るのは難しいので、「○○と言っているが、△△の分野では✕✕である」等と、自分の得意分野の方に落とし込めれば、そこから自然と広がっていくという事で、これは考えた事が無かったと感じました。
与えられたテーマで、なんとか絞り出しながら言葉を紡いでいた学生時代に戻ることが出来るなら、べーちゃんの言葉を真っ先に送りたいです。

 
  この講演会で、べーちゃんの話を聞いていて感じたことは、身近にある存在に目を向けること、そしてそれらを大切にする事に、重きを置いているということです。
小説の題材も、始まりは一般的な生活とそこまで、かけ離れておらず、自分の身近にある情景に落とし込む事が出来るので、物語に没入出来るのだと思います。
WEAVERの楽曲も、ファンタジーな題材だったとしても、どこかに必ず、身近に感じられるものがあり、だからこそ聞き手にスッと入ってきて、沁みるんだなと思っています。

 今回は、べーちゃんの講演会に参加してみてのお話しでした。
“言葉”という存在を、ずっと大切にしてきた方だからこそ、我々にも分かりやすく伝えてくれて、もっとお話しが聞きたいなと思いました。
講演会が始まる前や、終わった後に、WEAVERの音楽がランダムで流れていたのですが、やっぱりどの曲も良いんだよなぁと、しみじみしていました。

“どうしたら、言葉がより伝わるか”を大切にしてきた、べーちゃんの事が、更に好きになれる、そんな時間でした。

最後までご覧頂き、ありがとうございます。

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