
ハトなりの考え
降っているのか、止んでいるのか分からない雨の日に、一列に並ぶハト達。
降っている派のハトは
橋の下から飛び立てる時を、今か今かと待ちながら、視線は遠く。
1羽たりとも鳴くことは無く、ただただ動きを止めて。
止んでいる派のハトは
湿った空気の中を抜け、電線の上へ悠々と行く。
「早く、来ればいいのに」と言わんばかりの視線を、橋の方へ送る。
雨合羽を纏い、フードは被らずの、中途半端な私の視線の先で、
各々のハトなりの考えが、ぶつかり合う。
音もなく、色もないぶつかり合いの先にあったのは、
電線へ向かうハトの姿だった。
空は、半分青空。
#詩
#ポエム
#フィクション
#作り話
#ハト
#鳩
#雨
#雨の日
#カッパ
#雨合羽
#電信柱
#電線