重症患者さまに対して可動域練習と環境的アプローチ
脳外臨床研究会会長 作業療法士 山本秀一朗
セミナーレポート作成 言語聴覚士 yucco
フルリカバリーを目指し、脳外臨床研究会で学び全国のセラピストと共に成長し続けるyuccoです。
脳外臨床大学校オンラインサロンでは、日々たくさんのセミナーが展開されており、オンラインサロン内だけで留めておくのはもったいない!!
全国の悩んでいるセラピストや困っている患者さんの力になる学びを届けたいと思い、セミナーレポートとともにお届けしています♪
皆さんの治療が1ミリでも変わり、患者さんの人生が変わりますように!
《重度な患者さんとは?》
意識障害があります。
トーンが高くて痙性状態で関節可動域制限がある患者さんのイメージです。
運動麻痺や痙性に対しては、上位運動ニューロンの問題だから随意運動をしていきたいのですが、意識障害があり随意運動ができません。
こういった患者さんに対してどうして行ったら良いかについて考えたいと思います。
《重度な患者さんのゴールとは?》
どうゆうことをゴールにしていますか?
昔はトーンが高い、関節可動域制限があることが目に見えるので、硬まってしまうことが怖いので関節可動域訓練をしていたことが多かったです。
ADL介助量を減らしたいと思い、関節可動域訓練をしていました。
四肢を見るのではなく、なぜ、人はこうゆう姿勢になっていくのかを考えます。
多くの人が大の字ではなく、屈曲姿勢でかたまってしまうことが多いですよね。
人間はなぜ寝返りをするのでしょうか?
除圧に必要です。
同じ姿勢で寝ていると、腰痛や肩こり、循環障害による痛みが起こります。
安心していると大の字で寝るけど、不安があると屈曲姿勢をとりますよね。
まず何をするかというと、安定性を上げていきます。
意識障害や感覚障害あると安定性が低下していることが多いです。
《治療介入①》
一番最初に行うことは、腹部(重心がある場所)に介入します。
重心と支持基底面の関係を作るので、腹部に重心と支持基底面があることを感覚入力します。
殿部や背面に近い方に手を入れて、腹直筋や腹横筋にかけて圧迫しながら、重心がここにあることを教えます。
これだけでも足のトーンは落ちてきます。
次に、上半身重心はTh7(肩甲骨下角と胸郭の剣状突起)なので、背中がしっかりつくようにしていきます。
これでも変わらない方は背面の感覚がわからない方が多いので、皮膚を感じる2mmの皮膚の受容器である圧覚を高めてあげるか、筋肉自体も循環が悪くなっているので側臥位や背臥位で循環改善をします。
腹部や胸郭・背面に介入し、もう一つはヘッドコントロールをし重心を安定させることで四肢のトーンは変わってきます。
そして、伸展から入りません。
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