靴が履けない人の治療展開
脳外臨床研究会会長 作業療法士 山本秀一朗
セミナーレポート作成 言語聴覚士 yucco
フルリカバリーを目指し、全国のセラピストと共に成長し続ける脳外臨床大学校で活動するyuccoです。
脳外臨床大学校オンラインサロンでは、日々たくさんのセミナーが展開されており、オンラインサロン内だけで留めておくのはもったいない!!
全国の悩んでいるセラピストや困っている患者さんの力になる学びを届けたいと思い、セミナーレポートとともにお届けしています♪
《はじめに》
歩行が出来るようになってくると靴の着脱が大事になってきます。
靴の着脱の担当はPT?OT?
靴の着脱が出来ないと…病棟でフリーにできません。
外出するとなると必ず靴が必要になります。運動靴とスリッパはどんな風に違うか?どんなポイントがあるかお伝えします。
《靴はどうやって履く?》
そもそも靴はどうやって履きますか?
スリッパであれば足趾を入れて、靴であれば足趾を入れた後に手で支えて履きますよね。
私たちは普段は立位で履いています!
なかなか椅子に座った状況から靴を履かないですよね。
患者さんは座位で足を組んで履くことが多くないですか?
スリッパを履くために必要なことが何かというと
股関節屈曲で滞空で挙上できることと、膝関節の屈伸が必ず必要になってきます。
股関節屈曲した状態で、膝の屈伸ができますか?
これができないと膝を曲げてきて、靴に合わせて足を入れることができません。
靴に足を合わせていけないので、足に合わせていくという手段(膝に足を乗せる)をとります。
足を操作して靴に合わせることができません。
足を曲げて靴に入れていくだけであれば、つま先が入り踵が必ず残ります。
膝の屈伸ができるだけでは靴は履けません。
ここから足趾の屈曲が起こり、前へ持っていきます。
《スリッパを履くときに大事なこと》
①股関節屈曲して滞空挙上できること
②膝の屈伸ができること
③靴に合わせるために膝を伸展しながら股関節を下ろす
(ただ、足を上げて膝が動くだけでは靴を蹴ってしまう)
足をスリッパに合わせる練習が必要です。
下肢を外から内側へ持ってきます。
●股関節:内転・内旋
●膝関節:伸展(床スレスレで出来る)
●足趾の屈曲(蹴り出しの時の加速度に繋がる)
これが出来ないと足にスリッパを合わせてくる選択肢になります。
《靴を履くことと歩行の遊脚相》
全国の悩んでいるセラピストに届くように、臨床のヒントとなり患者さんがよくなるように、心を込めて書いています。応援よろしくお願いいたします❣️