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私のナラティブ①。大学時代のボランティアと実習。

 note記念すべき初投稿で「スキ」ボタンをいただき、とてもうれしいです。ありがとうございます。今日は、ソーシャルワーカーの私が今まで取り組んできたことを振り返ってみようと思います。学生時代から振り返るので3回分くらいの記事になりそうです笑。

・なぜ福祉の道を選んだのか?

 私は、高校の頃に「人と関わる仕事がしたい、高齢化社会になるので就職も有利かな?」という漠然とした理由で4年生大学の社会福祉学科に入学、社会福祉士の受験資格をとり、卒業する年の国家試験で無事に合格し、社会福祉士を取得しました。大学1年目は「福祉」と言っても、児童福祉、高齢者福祉、障がい者福祉、病院、行政など・・・どの道に進もうかな?まったく決まっていなかったので、まずは色々な分野を知るためにボランティアに参加しました。特別養護老人ホームでの介護や外出支援(高齢者分野)、児童福祉施設での子どもの余暇支援など(児童福祉分野)。

 うーん、楽しいけど何かしっくりこない。。

 そんな時、掲示板で見つけた知的障がい者施設(旧:授産施設。今は通所事業所と言います。)での宿泊型ワークキャンプの学生ボランティア募集のチラシ。施設に泊まる?なんか不安…でもやってみたい!!興味本位で友人と一緒に参加しました。

・福祉の中でもなぜ障がい福祉を選んだのか?

 ワークキャンプでは、知的や身体に障がいのある方が通ってくる施設に1週間泊まり込み、日中は作業や外出支援、イベント(地域のバザー)の手伝い、送迎支援、生活するご自宅にも行かせてもらったり、夜間は利用者さんや家族との勉強会にも参加させてもらいました。交通事故で脳に障がいが残り、施設に通うことになったNさんのお話、脳性麻痺があり、今は家族と暮らしているけど将来的には自立して一人暮らしをしたいと思っているMさんのお話。支援を受けることで助かっている部分と障がいへの葛藤、親亡き後の将来の生活への不安などを聞かせてもらいました。

 こんなにも障がいのある方のリアルな生活場面に触れ、当事者の想い、家族の想いを直接聞いたのは初めての経験。まだ何の知識もない私でしたが、施設で利用者さんと活動を共にした時間がとても楽しかったと共に、「働くこと」「暮らすこと」「楽しむこと」「障がい受容」「自立」「親なきあとの生活」など、色々なことを考えさせられた時間でした。そして、施設のスタッフさんが元気で明るく施設内がいつも賑やかだったのが印象的で、「障がい福祉」って私に合っているかもと心に火が付いたのです。 

・インフォーマルなボランティア活動で学んだこと

 それから、私は障がい福祉にハマってしまい、色々なボランティアに参加するようになりました。スポーツセンター主催の自閉症のお子さんを対象とした体操教室や車いすバスケットのスポーツ支援、民間のボランティア団体主催の障がい児者の土日の余暇支援、特別支援学校でのサマースクール、療育キャンプなどいろいろ。そこでは、色々な障がいのある子どもたち(ダウン症や自閉症、医療的なケアが必要な子どもたち)と一緒に学校の体育館や公園・プールで遊んだり、水族館や博物館へ電車に乗って移動したり、キャンプをしたりしました。成人している方の場合では、誕生日に街中の喫茶店にケーキを食べに行ったり、将来に向けてクッキングの練習をしたり、本人たちの希望を取り入れて、温泉旅行も企画しました。

(学んだこと)

障がいがあることによって、びっくりするくらいに色々な活動が制限されていたこと。

 「30歳になって初めて温泉旅行に行きました!」「喫茶店で親以外の人とランチをするなんて初めてです。」などと家族からお礼を言われることがあり、私が当たり前にしてきた余暇活動(普通に友人とランチしたり、旅行に行ったりすること)をする機会がなかったことを聞いて衝撃を受けました。

・「余暇活動をする場所がない」「一緒に余暇活動をしてくれる人がいない」「何をしてよいかわからない」などの課題があるにも関わらず、家庭や学校(職場)以外で余暇支援をする場所が社会の中で圧倒的に不足しているということ。家や学校(職場)と別にこのようなインフォーマルな支援の場が必要だと痛感しました。

家族だけで本人たちの生活全般の支援を抱え込んでいたこと。とあるお母さんが「年1回の学生ボランティアさんとの飲み会に参加することだけが毎年の楽しみなんです」と話しており、年に1回だけ?もっと家族も休息が必要、お母さん達も親としてだけではなく一個人としてのQOLを上げていくためのサポートが必要なのでは?

 当時は(約17年前)障がい児者のヘルパー制度(移動支援など)も整っておらず、ショートステイ(短期入所)などのレスパイトもありませんでした。本人たちのQOLの向上はもちろん、家族にとっても休息の時間になり、私たち学生ボランティアも成長できるこのような場所がもっと増えたらいいのになぁと素直に感じました。

・実習先での忘れられない違和感

 大学3年時の社会福祉士取得のための現場実習では、障がい児通園施設(未就学児)と同じ法人内の障がい者入所施設へ。通園施設には知的や発達に遅れのある未就学児童が通所する施設で、専門的な療育を受けられる幼稚園のような場所。一人一人に個別支援計画があり、障がい特性に応じた指導・療育がなされており、発達を促すための工夫や配慮がきめ細やかになされていました。乗馬療法や音楽療法などを取り入れていることころも特徴的でした。また、同法人内の入所施設では、24時間365日の生活をまるごと支える場所で、成人された方が100名近く生活されていました。もちろん個別支援計画に基づいて支援がなされていたのですが、施設の閉鎖的な環境に衝撃を受けました。起床や食事時間はすべて決められており、入浴は週3回、外出は年に数回近くのイオンに行くだけ。パニックを起こし「帰りたい」と玄関で泣き叫ぶ女性の足を引きずって部屋に無理やり戻すスタッフの姿。もちろん色々な状況があると思いますが、実習生の私には違和感しかありませんでした。

(感じたこと)

・本当にここでの生活は幸せなのかな?

・ここで生活している方たちはここを選んで入所しているのかな?

・ここでは、利用者の権利は守られているのかな?

・施設内には広い運動場もあるし、カラオケもある。でも地域との交流はあるのかな?地域からすごい離れている場所にあるなぁ。

・地域密着型の無認可作業所との出会い

 そんな中、大学4年生になり、実習先での違和感を抱えた中で、幼なじみの友人が働いていた無認可作業所に週に1回ボランティアに行くことになりました。そこは20人弱の障がいのある成人の方が通う小さな小さな作業所でお菓子や雑貨を作っているところでした。回収したバザー品や手作り商品を地域のバザーで販売することで収益をつくり、活動資金にされていました。私が実習に行った施設に比べて規模はとても小さかったですが、働く方たちやスタッフの方の表情がとにかく明るく生き生きしており、「地域の中で働く・暮らす」っていいなと感じたのです。そして、施設長さんの「障がい福祉の仕事は『社会参加』を支援する仕事。生活の中での『経験値』をあげていくことがと重要。そのためには『スタッフも社会参加』する必要がある。」というお話を聞き、私もこんな場所で働きたいと強く思うようになり、今までのボランティア活動や実習で感じたことを振り返りながら、自分がしたいことを少しずつ整理しました。


(私はこんな仕事がしたい)

・色々な「経験」を支援できる人になりたい。

・障がいのある人と「社会」をつなげる仕事をしたい。

・「働く・暮らす・楽しむ」という生活をサポートできる人になりたい。

・箱(施設)は小さくても「地域」の中での暮らしをサポートしたい。

・「家族」の想いにも「伴走」したい。


そんな目標をもって、就職活動を進めることになります。

つづく・・・


最後まで読んで下さりありがとうございました^^

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