わたしの欲しいもの/中田裕二 ✕ 金子みすゞ 15 うつせみヤceramist 2024年5月22日 07:05 『誰もが欲しいものわたしは欲しくないからだ中星をまとったあの子の心はまっ暗わたしが欲しいもの誰も欲しがらない頼りない腕をひろげた彼のやさしい微笑み悲しみを押しやるような光に飢えた世間がなだれ込み奪い去ろうとも消えない空のような、うた▽ひとりでいるための、うた▽わたしの欲しいものわたしだけにあるものひそかに記憶をたずねたならいつでもやさしい面影』歌詞を一部抜粋させて頂きました拙い聞き取りなので誤字があったらすみません(漢字などの表記も自分勝手ですみません)あの檀蜜さんが推していらしていた、中田裕二さん発する言葉をとても丁寧に歌う方檀蜜さんも同じく文章や言葉がお美しいソロ以前は《椿屋四重奏》というバンドをなさっていらしたそうで、初めてお名前を知った時は字面感がドストライクだし、そのネーミングセンスに脱帽したこの曲を聴いていたら大正から昭和初期にかけての童謡詩人、金子みすゞさんがよぎり、まるで彼女のことを歌っているかのように想えた「私と小鳥と鈴と」や「こだまでしょうか」などの詩が有名で、ご存知の方も多くおられるとは思いますがみすゞさんのうたをみっつ一緒に添えておこう「蜂と神さま」蜂はお花のなかにお花はお庭のなかにお庭は土塀のなかに土塀は町のなかに町は日本のなかに日本は世界のなかに世界は神さまのなかにそうして、そうして神さまは、小ちゃな蜂の中に「土」こっつん、こっつん、打(ぶ)たれる土はよいはたけになってよい麦うむよ朝から晩まで踏まれる土はよい路になって車を通すよ打たれぬ土は踏まれぬ土は要らない土かいえ いえそれは名のない草のお宿をするよ「露」誰にも言わずにおきましょう朝のお庭の隅っこでお花がほろりと泣いたこともしも噂が広かって蜂のお耳に入ったらわるいことでもしたように蜜を返しに行くでしょう(句読点が異なりますが、ご了承くださいませ)金子みすゞさんは、お若い頃本屋さんにお勤めでいらしたその時期がみすゞさんにとって青春だったのかな田中美里さん主演の映画「みすゞ」を観たことがある戦場カメラマン、一ノ瀬泰造さんの伝記映画「地雷を踏んだらサヨウナラ」の五十嵐匠監督脇を固める俳優さん方も素晴らしかった中田裕二さんの歌声もそこはかとなく哀しさもあり懐かしさがあってどことなくあたたかいこの曲のヴォーカル以外の音が電子オルゴール音の連なりみたいなのは故意なのかな、と勝手推測歌詞のなか「世間」という言葉を使ってらっしゃるけれど、中田さんの歌声には目の前の景色を礼拝堂の出来事にしてしまうかのような包容力を感じる金子みすゞさん同様、福内耳招く素晴らしい歌い手さんわたしの ときおり ほしいものそんざい が わたしてくれるきもち ほぐれる よろこび #音楽 #言葉 #歌 #金子みすず #中田裕二 #童謡詩人 #檀蜜 #わたしの欲しいもの 15 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート